中の人が暴露。中古マンションリノベーションのメリット・デメリット

中古マンションを購入してリノベーションして暮らす、というのはマイホーム購入の際のモデルケースの1つです。この方法には新築マンションを購入する場合と比べてどのようなメリットがあり、またデメリットがあるのでしょうか? 不動産業界人がそれぞれのポイントをまとめて解説します。


1.中古マンションリノベーションのメリットと注意点

まずは中古マンションをリノベーションするメリットから見てみましょう。また、各メリットに関連した「注意点」もあわせて挙げていきます。

1-1.新築マンションより購入コストが下がる

中古マンションは新築マンションと比べてかなり低く購入コストを抑えられます。

新築中古価格差グラフ

東京カンテイの「マンションデータ白書 2017」によれば、2017年の場合、首都圏の新築マンションの一戸平均価格は5,544万円、中古マンションの一戸平均価格は3,257万円です。

このデータでは両者の価格には2,000万円以上の差が付いており、仮にリノベーション費用が1,000万円かかってもまだ1,000万円の開きがあることになります。

エリアや築年数によっては、中古マンションの購入価格が新築マンションの半額以下になるケースもあります。価格が安いことは最も大きなメリットと言えるでしょう。

注意点

1-2.新築マンションに比べ物件が多くエリアが細かく選べる

都市部の主要な駅などで降りて実際に歩いてみればわかりますが、駅前などの本当に立地条件のいい土地には、多くの場合、すでに中古マンションが建っています

もちろん、ときには土地が空いて新築マンションが建設されるケースもありますが、駅から近い、都心へのアクセスがいい、価格も予算内に収まるといった条件で探すと、中古マンションのほうが圧倒的に選択肢は広くなります。

東京の路線図

もしも新築マンションのみを対象に新居を探している人がいたら、ぜひ中古マンションも視野に入れて探し直してみてください。対象物件数がぐっと増え、エリアも細かく選べるはずです。

注意点

  • 選択肢が増える分、迷ってしまいますが、金額、エリア、広さなど、譲れない大きな条件から夫婦で順に価値観を合わせていくことがポイントとなってきます。物件の探し方については、今すぐ確認!後悔しない中古マンションの探し方をご確認ください。

1-3.購入時から物件価格が下がりにくい

物件価格の推移

中古マンションは築後20年を過ぎる頃から価格下落が落ち着いていく傾向にあります。もしもローンの支払いが苦しくなって物件を売り、手放すことになった場合でも、下落が少なければ大部分がローン補填にあてられます。しかし、例えば新築マンションを21年目で売却すると上記グラフの場合、価値が2/3になっているため、売却後もローンの支払いが残ってしまう可能性が高いと言えます。

こういった理由から、実は金銭リスクは新築マンションよりも中古マンションのほうが低いといえるのです。

注意点

  • ただし、不動産価格の上下動は今後どう変わるか不透明な部分もあります。中古なら絶対に価格が急落しない、というわけではありません。売却して儲けようといった考え方ではなく、あくまで物件価格が下がりにくいので金銭リスクを抑えられる、その分、長く安心して住めるという点にフォーカスして考えましょう。今後のマンション価格ついては、中古マンションの価格は今後どうなる?安心に住むための選び方をご確認ください。

1-4.周辺環境をチェックできる

江東区

中古マンションはすでに建物が建設されており、住民が生活をしているので、周辺環境を念入りに確認できます。

昼の雰囲気、夜の雰囲気、眺望、騒音、1日を通した日当たりなども確認可能です。内覧の際には左右、上下の部屋にどんな人が住んでいるのかもチェックできます。気になる周辺環境を逐一チェックできるのも、新築マンションに対するアドバンテージとなります。

注意点

1-5.管理状態が確認できる

ここでいう管理状態とは、マンションの共有部分の掃除が行き届いているといったこととは少し違います。

ポイントは、周辺の環境に合わせて外壁塗装工事、屋上やベランダの防水工事、鉄部の塗装工事、給排水設備・電気設備・エレベーターの修理など、「大規模修繕工事」を含む「長期修繕計画」がしっかりと策定されているかどうかです。またそのための修繕積立金があり、十分な予算が確保されているかどうかも要確認です。

なぜこれが大きなメリットの1つなのか?それは、マンションの寿命に直接関わってくるからです。

マンションの寿命決める鉄筋コンクリートの寿命は117年以上といわれています。その寿命を左右するのが管理状態です。中古マンションの場合は過去の大規模修繕の履歴や長期修繕計画の内容を購入前に確認できます。修繕積立金の滞納者が多くないかどうかもわかるでしょう。

新築マンションの管理状態は今後の住民などの対応次第で決まりますが、中古マンションなら過去の実績を確かめられます。建物がどのくらいの寿命になるかという点も見きわめられるわけです。

注意点

1-6.間取りや設備が自由に決められる

古淵リノベ事例

実は、間取りと設備を自由に決められるのは、リノベーションを行うか、完全な注文住宅を建てるかのどちらかしかありません。

また中古マンションのリノベーションは自分たちが設計に大きく関わるため、物件購入後も長く満足感が続きます。

新築マンションの場合もお風呂やキッチンは新品ですが、必ずしもグレードが最高というわけではありません。グレードを上げて自分たちの好きな製品を選ぶにはオプションが必要だったり、そもそも選択肢がなかったりもします。

その点、リノベーションではこだわる箇所には多く予算を割き、優先順位が低い箇所はコスパのいい商品を選ぶなど、選択に柔軟性を持たせられます。極端な例を挙げるなら、バスルームには浴槽を取り付けずシャワーのみにし、浮いた費用をキッチンに回すといった割り切った方法も実行可能です。

好きな間取りや設備を選び、自分たちが本当に住みたい空間を作り上げられるというのは、中古マンションとリノベーションを組み合わせることで得られる最大のメリットかもしれません。

注意点

  • 物件によっては間取り変更や水回りの移動ができないマンションもあります。リノベーションを前提として事前に確認する必要があります。また、玄関ドアとサッシは共有部分なため自由に変更できないということも覚えておきましょう。

2.中古マンションのリノベーションのデメリット

メリットばかりのように思える中古マンションのリノベーションですが、もちろんデメリットもあります。

2-1.質の悪いマンションを選んでしまうリスク

中には当然ながら質の悪い中古マンションも存在します。自身で要所を確認することなく仲介会社に勧められるまま購入してしまえば、リスクも高くなるでしょう。これは新築マンションでも同じことです。

確認すべきポイントとは、メリットのところでも触れた周辺環境、管理状態、リノベーションするにあたってどんな制約事項があるかという点です。

>中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイント

気になる点は仲介会社に聞き、内覧時は自分の目で確かめ、売主にも質問してください。それ以外にも駅からマンションまでの道や周辺を歩いてみる、上下左右の住民のところに挨拶に訪れてみるなど、手間を惜しまないことが大切です。

2-2.ローン金利が高くなるケースがある

中古マンション購入にあたっては住宅ローンを利用できますが、銀行のローンによっては、リノベーションは適用外となることがあります。その場合、リフォームローンなどの住宅ローンより金利の高いローンを組むことになってしまいます。

ただし、みずほ銀行など、物件とリノベやリフォームを1つのローンで借りられる銀行もあります。詳しくは、リノベーションのローンを迷わず選ぶ方法とオススメ銀行5選をご覧ください。

2-3.住むまで時間がかかる

中古マンション購入後はリノベーションのための工事期間が生じるので、すぐに住むというわけにはいきません。

リノベーション設計と工事期間を合計すると、7ヶ月程度の期間が必要です。それまでは現在の賃貸住宅に住み続けるなど、工事期間に合わせたスケジュールを組みましょう。詳しくは、意外にかかる中古マンションのリノベーション期間の注意点をご確認ください。

また、もしリノベーションに対する興味がそこまでではない、という場合は、リノベーション済み物件の購入も選択肢の1つです。内装が綺麗になっている状態で販売されているため、設計や工事の期間が必要ありません。不動産ポータルサイトなどで検索すると内装も確認することができるのでチェックしてみましょう。

>>おすすめ記事:リノベーションのデメリットを利点に変える8つの対策


まとめ

中古マンションを購入しリノベーションする方法には多くのメリットがあることがおわかりいただけたでしょうか。また、デメリットについても把握し、どのように対応するかを考えておく必要があります。メリットを最大限に活かし、デメリットはなるべく小さく抑えることを心がけましょう。

なお、中古マンションの購入から検討している方は全体像を把握できる【重要度順】プロがまとめた中古マンション購入の注意点5つの記事がおすすめです。あわせてお読みください。

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リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。