年収500万の住宅ローンは、月々の支払い8万円までにするべきだ

年収500万円の中古マンションのローン

国税庁の調査によると、年収500万円の世帯は全体の年収上位30%程度に位置します。

比較的給与が高く、生活に余裕も出てくるため、今までの賃貸から持ち家を考え始める方が多くなる年収帯とも言えます。
実際、総務省の調査によれば年収
500550万の勤労世帯の持ち家率は76.3%で、年収250300万円の世帯の持ち家率58.9%に比べるとかなり高い数値です。

では、年収500万円の方がいざ住宅ローンを組もうとした場合、どれくらいのローン借入額が適正なのでしょうか。

読者のみなさんは、年収500万円あれば、3,500万円~4,000万円の住宅ローン審査に通るという記事を見かけたことがあるのではないでしょうか。

しかし、仮に3,500万円で固定金利1.5%、35年ローンの住宅ローンを組んだ場合、月々の支払額は11万円程度となります。
年収500万円の場合、月々の手取りは32万円程です。この金額で、果たして毎月11万円を35年間支払い続けることができるのでしょうか。

個人の不動産仲介を行ってきたプロとして、私は年収500万円前後の方の住宅ローン負担額は、月々の支払額は8万円程度が適正であると考えています。これは、ローン借入額にすると固定金利1.5%、35年返済で2,600万円程度です。

8万円はかなり少ない見積もりだと思ったでしょうか?

しかし、私は「年収500万で住宅ローンを借り入れるなら月8万円の支払い」が最もみなさんの人生を幸せにできると根拠を持って主張しています。

当記事では、その論拠を順にご説明しています。

また、実際に月々8万円の住宅ローン負担の場合は、どのような住宅を購入できるのかも気になるポイントのはず。ぜひチェックしてください。


【1】年収500万の家計で、住宅ローン負担額を8万円までが適正である理由。

冒頭に述べたとおり、年収500万円の場合の手取り収入は毎月約32万円です。さらに総務省の家計調査によれば、この世帯の住居費を除いた平均家計支出は2022万円ほどです。

この場合、毎月残るのは10万円前後です。月々の住宅ローンの返済額を10万円(住宅ローン借入額3,200万円程度)とすると、貯蓄はほとんどできない計算になります。しかも、マンションの場合はここからさらに管理費や修繕費がかかるため、プラス23万円必要です。

この生活で毎月一定額の貯蓄をしようと思うと、食費や教育費などを削ることになります。ただ、一般的な住宅ローンの返済期間である35年もの間、切り詰めた生活を続けることが本当にできるのでしょうか。いざというときのリスクに備えづらいのも不安点です。

一方、月々78万円程度の返済であれば、数万円の余裕が生まれます。毎月計画的な貯蓄も可能になりますし、時折旅行をしたりといった贅沢をすることもさほど難しくないはずです。

考えてみてほしいのは、高い住宅を購入して35年という長い年月を身を削りながら生活するのと、住宅費を抑えてその分日々の生活を豊かにするのとでは、どちらが良いのかということです。

ただ、ここでご紹介しているのはあくまで一例です。

8万円が適正である」とはっきり述べましたが、車のローンなど別の借り入れがあったり、家族の人数、単身かどうかなどによって、家計支出が異なる場合はまた別の計算が必要です。

ですから、必要なのはまず自分たちのお金を見つめ直すことです。住宅ローンを組む前に、信頼できるファイナンシャルプランナーに相談することを強くおすすめします。

というのも自分だけで考えると、例えば「毎年給料は上がっているから将来はもっと年収があるだろう」といったように、楽観的な判断をしてしまうことがあるからです。「客観的な目」で判断してもらうことが重要なのです。


【2】年収500万で無理なく住宅を購入する場合、どのような物件に住めるか?

さて、ここでは引き続き月8万円の支払い、住宅ローン金額2,600万円(固定金利1.5%、35年返済)とした場合で話を進めます。この条件ではどのような住宅を購入できるのでしょうか。

頭金の額にもよりますが、結論から言えば首都圏での新築購入は難しいでしょう。

不動産流通推進センターの不動産業統計集を見ると、首都圏の新築・中古の戸建て・マンションの平均価格は以下のように見ることができます。

● 首都圏・関東の新築及び中古の戸建て・マンション平均価格
新築・中古マンションは、70㎡として計算

地域

新築戸建

新築マンション

中古戸建

中古マンション

首都圏

6,948

6,083

3,376

3,727.5

東京

3,790.7

6,590.5
(都区群)7,966
(都下)5,215

4,559

4,907

埼玉

4,214.3

4,333

2,399

2,237.9

千葉

5,948

4,095

2,377

1,996.4

神奈川

4,435.1

5,383

3,345

3,049.2

不動産流通推進センター 2019不動産業統計集をもとに作成

新築を選ぼうとすると、首都圏では軒並み予算を大幅にオーバーしてしまいます。選択肢として上がるのは埼玉・千葉の中古戸建またはマンションです。

中古は選びたくないという方も多いかもしれません。よくある意見としては、やはり古かったり汚いイメージがあるからというものです。

しかし、リノベーション済みの物件を選んだり、中古を買ってリフォーム・リノベーションをすれば、中古でも綺麗な家に住むことはできます。新築を選ぶと金額的に無理が生じてしまうけれど、綺麗な家に住みたい。そんな年収500万円の方にこそおすすめしたい方法です。

リノベーションにあまり馴染みのない方は、ぜひ以下の記事でリフォームとの違いを見てみてください。リノベーションでどのように中古住宅が変わるのかがわかります。

>>リノベーションとは?リフォームとの違いを事例や特徴で比較

リノベーションで素敵に生まれ変わったお家もご紹介します。
月々の支払額目安も掲載しますので、あわせてご参考ください。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事をまとめると、以下のようになります。

・年収500万円の場合、住宅ローンの月々返済額は月8万円がベスト。
ただし、住宅ローン以外の借り入れや世帯人数などによって条件は異なるため、信頼できるファイナンシャルプランナーに客観的意見を求めるのが重要。

・住宅ローン2,600万円(月々返済8万円)の借り入れの場合、首都圏の新築は難しい。
→リフォーム済み物件を選ぶか、中古を買ってリノベーションをするのがおすすめ。

少し無理をした借り入れになってしまったとしても希望の立地で新築がいいと思ったり、将来的により高額な収入が見込めるからと楽観してしまう方も少なくないはずです。

長く住む我が家のことですから、理想があるのは当然です。ただし、それは家族みんなが豊かに暮らすことが前提のはず。「きちんと払いきれるだろうか」という不安を抱え続けたり、万が一のときの貯蓄ができないような状態になってしまったとしたら、どんなに綺麗な住まいも意味がなくなってしまいます。

また、先入観でより安く購入できる中古の選択肢を外してしまうのももったいないことです。中古は数が豊富で、好立地の物件も多いのが特徴です。さらに購入費で浮いた資金を利用してリノベーションすれば、自分の望むエリアで新築以上に自分らしい快適な住まいを手に入れることも可能になります。

これまで中古を買ってリフォーム・リノベーションが選択肢になかったという場合は、ぜひ広い視野で検討してみてください。

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