簡単計算!中古マンションの減価償却をまるっと解説

賃貸経営における節税の大きなポイントである減価償却。

耐用年数や償却率など難しい単語ばかりが出てきてややこしく感じてしまいがちですが、実はポイントとなる情報、数字だけ理解しておけばさほど難しくはありません。

本記事では計算のステップごとに解説しているので、ひとつひとつ数字を出して進めていきましょう。

1.さっそく計算!減価償却でおさえるべきポイント

家のような大きな資産を購入した場合、納税する際に注意が必要です。

購入金額の全額を経費として計上すると、その年は大赤字、翌年以降は経費計上できず所得が大幅にアップしてしまいます。それでは収支がアンバランスなので、納税する際に、家の購入金額を利用可能期間で按分し、経費を分けて申告できます。これを減価償却と呼びます。

マンションの減価償却方法は「定額法」と「定率法」の2つですが、平成28年4月1日以降に取得したマンションの場合は、「定額法」の一択です。どちらの方法を利用しても、最終的に計上する金額は同じです。

定額法
減価償却の対象額を利用可能期間(耐用年数)、毎年同じ金額を配分していく方法です。そのため1年目から最後の年まで減価償却額は変わりません。

定率法
定率は、利用可能期間(耐用年数)の初めの方に多額の減価償却費を計上して、耐用年数の後期になるほどその金額が減少していく方法です。

減価償却費は下記の式で求めることができます。

減価償却費=建物の購入価額×償却率

償却率は物件の耐用年数別に国税庁によって定められています。

ただし、中古マンションの場合は購入した時点ですでに経年劣化が始まっているので、残りの耐用年数から計算する必要があります。築年数が法定耐用年数を超えている場合と超えない場合で、耐用年数を算出する計算方法も異なります。

築年数が法定耐用年数を超えない場合
中古マンションの耐用年数=47年−(築年数×0.8)

築年数が法定耐用年数を超える場合
中古マンションの耐用年数=47年×0.2

1-1.まずは建物の購入価格

実際に計算するために、始めに建物の購入価格を確認しましょう。

減価償却の対象は劣化が生じるものである必要があります。そのため、マンションの減価償却の対象は建物のみで、土地の値段は含めることができません。

土地の値段を減価償却に計上しないように気をつけましょう。

しかし中古マンションの場合、建物と土地の内訳が表示されておらず、建物の値段がわからないケースがあります。

そんな時は、契約書をまず確認してください。土地には消費税がかからないため、消費税額から価格を割り出すことができます。

もしくは、毎年4~5月に住まいの市町村から届く「固定資産税納税通知書・課税明細書」に記載されている固定資産税評価額から建物の割合を按分することで、建物価格を求めることもできます。

また、建物は躯体と設備によって成り立っていますが、耐用年数がそれぞれ異なります。建物の耐用年数は47年ですが、設備の耐用年数は15年、蓄電池電源設備にいたっては6年です。

新築マンションの場合、躯体価格と設備価格の内訳が契約書に記載されているためそれぞれの耐用年数で減価償却費を割り出すことができますが、中古マンションの場合は内訳がきちんと明記されていないケースがほとんどです。

そのため、中古マンションの場合は躯体も設備も建物の耐用年数に含んで減価償却するのが一般的です。

1-2.耐用年数を把握

耐用年数は、建物の構造によって法律で定められています。鉄筋コンクリートでできたマンションの耐用年数は新築の場合47年です。他の構造でできた建物の場合は下記のようになります。

減価償却と耐用年数

1-3.最後に減価償却費を調べて計算する

国税庁のホームページで、物件の償却率を確認し、計算してみましょう。自分の物件に該当する部分は耐用年数ごとの「定額法償却率」の欄を参照してください。

例えば、2,400万円(建物50%土地50%)の築20年ちょうどのマンションを賃貸として運用していると想定します。

(1)建物の価格は2,400万円×50%=1,200万円
(2)耐用年数は564ヶ月(47年)-(240ヶ月×0.8)=372ヶ月(31年)
(3)償却率は上記表の31年の欄から確認すると、0.033
(4)1,200万円(建物価格)×0.033(償却率)=39.6万円

賃貸に出しはじめた年の運用期間を8ヶ月間とすると、その年の減価償却費は39.6万円×8/12=26.4万円となります。

2.自分が住んでいたマンションを賃貸に出した場合はどうなる?

もともと自分が住んでいたマンションを賃貸に出した場合はどうなるのでしょうか。

例えば、中古マンションを購入し、5年間住んだ後に転勤が決まって賃貸に出したとします。その場合、自分が住んでいた期間に経年劣化して減少してしまった価値を始めに調整します。これは下記の式に当てはめて求めることができます。

マンションの購入価格×0.9×0.015×居住年数

2400万円(建物50%土地50%)の築20年ちょうどのマンションに5年間住んだ後、賃貸として運用していると想定した場合は、下記のようになります。

(1)建物の価格は先ほど出したものと同じです。
2,400万円×50%=1,200万円

(2)自分が住んでいた間に減少した価値を求めましょう。
1,200万円×0.9×0.015×5年=162万円

(3)賃貸を開始した時点の建物価格を求めます。
1,200万円—162万円=1,038万円

(4)耐用年数は下記で求められます。
564ヶ月(47年)-(240ヶ月×0.8)=372ヶ月、ちょうど31年

耐用年数31年の償却率は0.033なので、減価償却費は下記になります。
1,038万円×0.033=34万2,540円

3.減価償却費が高いと売却で損をする?

減価償却費は経費として認められるため、節税になります。

しかし減価償却費が高いと、売却時にかかる税金で損をしてしまうこともあります。マンションを売却すると「課税譲渡所得」を計算することになり、譲渡益が出ればそこに課税されます。

課税譲渡所得=譲渡価格(売却価格)—取得費—譲渡費用

上記の式で課税譲渡所得が求められますが、「取得費」は減価償却後の価格となります。

つまり減価償却費が高ければ高いほど、取得費は小さくなるため、譲渡所得、すなわち売却による利益が大きくなり、税金を多く払わなくてはならないということになるのです。

このように、減価償却費が高ければ節税になりお得ということではなく、将来の税率や物件の出口戦略によっては損をすることもあることを頭に入れておきましょう。

まとめ

耐用年数、償却率、定額法など、不動産に詳しくないとなかなかなじみのない言葉も多く出てきましたが、減価償却について理解できたでしょうか。

必要な情報を集めて式に当てはめて考えてしまえば、意外とスムーズに求めることができると思います。確定申告に備えて、余裕を持って取り組んでみてください。

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