2022.11.28 更新

人気の土間リフォーム!費用やポイントを解説|おすすめ事例10選

「リフォームでおしゃれな土間を作りたいけど費用はいくらかかる?」
「土間ってメンテナンスが大変じゃないの?」
「土間リフォームのデメリットはある?」

古民家や昔ながらの住宅で多く取り入れられてきた土間。実は今、リフォームで土間を取り入れる人が増えてきています。その人気の理由は、間がおしゃれで多目的に使えるポテンシャルの高い空間であること。暮らし方に合わせて取り入れれば、子育てや暮らしが今よりも楽しくなること間違いなしです!

一方で費用やメンテナンスが気になる方も多いはず。そこで、これまで数多くの土間リノベーションを手掛けてきた会社だからこそ分かる、土間リフォームの全知識を伝授します。

この記事では、

  • 土間リフォームのメリットとデメリット
  • 土間リフォームに向いている人の特徴
  • 土間リフォームにかかる費用
  • 土間に使われる素材の種類とメンテナンス方法
  • 土間リフォームをする際の注意点

について分かりやすく解説していきます。

最後には工夫を凝らした土間リノベーション事例10選を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください!

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール



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土間とは?

土間とは昔の日本家屋によく見られた、玄関と居室の間に作られた土足で歩けるスペースのことです。昔の土間は基本的に地面とほぼ同じ高さで、床は土のままであることが多く、一段高い場所に作られた居室と区別される場所でした。

多くの場合、土間には炊事場があり、農機具や漁具の手入れを行うような作業場としても利用されていました。三和土(たたき)と呼ばれることもあって、その名前は土に消石灰やにがりなど3種類の材料を混ぜ合わせ、叩き固めて仕上げることから来ています。

現在では、日本家屋だけでなく、戸建てやマンションなど様々な住まいで土間が取り入れられています。また、屋内と屋外の中間的存在として玄関だけでなくリビングやバルコニーに併設するケースも。ライフスタイルに合わせてさまざまな用途で使えるため、昔よりもフレキシブルな空間として取り入れられており、またゾーニングとしての効果も期待できます。

戸建住宅だけでなくマンションにも作ることが可能です。

関連:リノベーション用語集<土間>

土間のメリット

では現在、リフォームやリノベーションによって土間を作るメリットとは何なのでしょう。メリットは主に以下の3つが挙げられます。

  • 空間のメリハリが出ておしゃれに見える
  • 屋外で使うアイテムを置く玄関収納に最適
  • 室内アウトドアスペースとして活用できる

また、DIYなど土足で作業する場所や、ペットがくつろぐスペースとしても土間は活用可能です。ベランダと違って屋根も壁もあるので、鉄製の脚立や灯油タンクなど、風雨にさらされると困る物の収納スペースとしても活躍します。汚れたその場で洗い流せるのも土間の魅力です。

2-1.空間のメリハリが出ておしゃれに見える

一般的な室内の床材と異なりコンクリートやタイルを用いることが多いため、ゾーニングの効果があります。そのため、空間にメリハリが出ておしゃれな雰囲気を演出できます。

また段差をつけることによって天井との高さを確保でき開放感が生まれるというメリットも。

関連:【2022年版】今どき!プロが選ぶおしゃれリノベーション20選

2-2.​​屋外で使うアイテムを置く玄関収納に最適

土間を設けることで必然的に玄関スペースが広くなるため、靴はもちろん、自転車やベビーカー、スーツケースやアウトドア用品などの大きめのアイテムの収納に困らなくなります

また屋外で使って汚れたものを室内にもちこみたくない時にも土間は大活躍。汚れた物をそのまま置けるのも土間の魅力と言えるでしょう。ベランダと違い屋根があるため、スペアタイヤや脚立など、風雨にさらされると困る物の収納スペースとしても最適です

2-3.室内アウトドアスペースとして活用できる

土足で入れるためDIYや自転車の整備などで使う作業場や、ペットがくつろぐスペースとしても土間は活躍します。

さらに室内でありながら汚れに強く掃除がしやすいため、趣味の観葉植物を置く場所としても重宝します。室内のアウトドアスペースとしてマルチに使える土間は、天候に左右されることのない子どもの遊び場としても一役買ってくれるでしょう。

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土間のデメリット

次に、リフォームやリノベーションによって土間を作るデメリットを見ていきましょう。デメリットは主に以下の3点が挙げられます。

  • 底冷えがしやすい
  • メインの居住スペースが狭くなってしまうことも
  • 強度が高く場所によっては不向き

 

3-1.底冷えがしやすい

土間素材の特性上、冬場は底冷えがしやすく、部屋の中にも冷気が伝わりやすいという点が挙げられます。収納として使用する場合には、居室空間との間に間仕切りを設けることで対策できますが、書斎や趣味部屋として長時間使用する想定がある場合には床暖房や暖房器具の導入も検討してみましょう。

3-2.メインの居住スペースが狭くなってしまうことも

土間を作る場合には、そのスペース分だけ他の居室スペースが狭くなってしまうこともあります。収納スペースとして利用するのか、インナーテラスのようにリビングの一部として利用するのか、それともアウトドアの作業スペースとして使うのかなど、目的やシーンに合わせて必要な広さを確保し、検討してみると良いでしょう。

3-3.強度が高く場所によっては不向き

汚れや水に強い土間ですが、割れ物などデリケートなアイテムとの相性はよくありませんかつては炊事場に使われていた土間ですが、現代ではキッチンに土間を採用するケースは珍しく、理由としては食器やガラスなどの割れ物をよく扱う場所であり、落としてしまった場合に土間床だと壊れやすいという点が挙げられます。場所によっては土間の強度が不向きの場合もあるため、施工事例などを参考に検討してみると良いでしょう。

土間リフォームはこんな人におすすめ!

ここまで土間のメリットとデメリットを見てきましたが、それらを踏まえて土間リフォームに向いている人の特徴を整理してみました。

主に以下の3つが挙げられるでしょう。

  • 育ち盛りの子どもがいる子育てファミリー
  • アウトドア派な暮らしを志向する方
  • 植物に囲まれて暮らしたい方

4-1.育ち盛りの子どもがいる子育てファミリー

家事に育児に忙しい子育てファミリーには、玄関に広めの土間や土間収納を設けると効果的です。広めの土間空間があると家族全員分の靴がおさめられて散らからないだけでなく、来客が来た時にも置き場に困ることがありません。また間口を広めに取っておけば忙しい朝などのお出かけ時でも玄関が混み合うことなく子どもの身支度を手伝ってあげられます。ベビーカーや子どもの外遊びグッズ、ペットのお散歩グッズを置いておく場所としても重宝します。

4-2.アウトドア派な暮らしを志向する方

アウトドアが趣味の人は、アイテム収納を兼ねた作業場としての土間空間があると使い勝手がグッと上がりおすすめです。土間はもともとエクステリアで使われる素材でできているため、空間に取り入れるだけでアウトドアの雰囲気を楽しめますし、キャンプや登山、釣りやサーフィンなどの趣味用品の収納にも最適。さらにギアのお手入れや作業場としても活用でき、汚れに強く掃除がしやすいため、泥のついた登山靴などをその場で水洗いすることが可能です。

また薪ストーブやペレットストーブとも相性がよく、熱がよく伝わり空間が温まりやすい上に、ストーブで調理をしたり、炎のゆらぎを眺めたりすることでおうちキャンプの雰囲気を味わうことができます。

4-3.植物に囲まれて暮らしたい方

土間は植物がお好きな方にもおすすめです。植物が好む日当たりの良い窓辺やバルコニー側に土間仕様のインナーテラスを設ければ、水やりや鉢の植え替えなど、汚れや床が傷んでしまうことを気にせずお手入れがはかどります。広い庭を作ることが難しいマンションの場合でも土間を活用した坪庭や縁側など半野外スペースを作ることで緑を楽しむ暮らしが実現できるでしょう。

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土間リフォームの費用はどのくらい?

リノベーションして土間を新しく作るには、目安として、3畳程度なら30万円前後からリフォーム可能です。もともとの床材や壁紙・壁材の撤去費用、新しい床材の費用、工事費用などが費用に含まれるため、使用する床材の種類によって変動します。また床暖房や収納が必要な場合にはその分の費用が加算されます。

素材の種類は何がある?

昔の土間は土に石灰などを混ぜて固めて仕上げる方法が一般的でしたが、現在の土間に使われている素材で代表的なものは次のとおりです。

  • モルタル
  • タイル
  • 天然石

モルタル

モルタルはセメントと砂を練り混ぜて作る素材です。落ち着いたシンプルな見た目で、今どきのおしゃれな土間とは相性が良く、コンクリート打ちっぱなしなどのテイストがお好きな方にはおすすめです。

タイルや天然石と違って目地のない仕上がりのため工事費用が比較的安価で、コストを抑えられます。仕上げの方法によっても多少の雰囲気の違いを出せるため、リノベーション(リフォーム)会社に相談してみると良いでしょう。ヒビ割れができやすいという面もありますが、経年による味わいの一部として愛着を感じられるかもしれません。

タイル

タイルは色や形が豊富で、なめらかですべすべしているものから自然石風でざらついたものまで、手触りや雰囲気も異なるさまざまな種類から選べます。色や柄のバリエーションが豊富なので、個性を反映したい方におすすめです。ワンポイントでアクセントに使うのも良いでしょう。

主流は吸水性がほとんどなく掃除や手入れがしやすい磁器タイルです。より安価なPタイルも最近ではよく採用されています。素焼きのテラコッタタイルは吸水性が高くシミになりやすいものの、素朴で優しい雰囲気が楽しめるため人気があります。

天然石

天然石は大理石や御影石を使うのが一般的です。空間に高級感が出るため、天然の素材にこだわりたい本物志向の方におすすめです。また強度や耐久性も抜群です。ただし、自然素材なので小さな孔が空いていたり、シミができやすかったりといった一面もあります。またモルタルやタイルに比べると高価な素材です。

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【素材別】メンテナンス方法

使用する素材によってお手入れの方法が異なるため、以下を参考にしてみてください。

モルタル

モルタルの床の場合は、ある程度強度があるためデッキブラシやたわしで汚れを落とせます土間はホコリが溜まりやすいため、こまめにほうきや掃除機をかけておくとさらに良いでしょう。ホコリを取り除いたら、水をまいてデッキブラシやたわしを使って汚れを落とし、最後に水で洗いながしたらしっかりと乾燥させましょう。

タイル

タイルは材質によってお手入れの方法が異なります。表面がざらついているものはモルタルと同じようにブラシやたわしを使用して汚れを落としましょう。

一方、表面がすべすべしているタイルについては、傷がつかないよう水拭きをします。はじめにホコリを取り除き、その後は水にぬらしたぞうきんやメラミンスポンジを使ってタイルや目地に付着した汚れを落としていけば、ほとんどの汚れは取れるでしょう。

天然石

最後に天然石はデリケートな素材のため少し注意が必要です。天然石はシミができやすく、残りやすいため水や洗剤は使わずにこまめにぞうきんやクロスを使ってホコリを取り除きましょう。

また石によっては酸性の洗剤が使えないなどがあるため、もし天然石にシミができてしまった場合には石材の専門店への相談をおすすめします。

土間リフォームする際の注意点

では実際に土間リフォームをする場合に注意しておきたいポイントを解説します。

  • 室温対策
  • 湿度対策

これさえ押さえておけば、快適で便利な土間リフォームが実現できるでしょう。

8-1.室温対策

夏場は涼しく快適な土間ですが、前述の通り冬場は冷え込むため寒さ対策をしましょう。土間を作業スペースとして使う場合には暖房設備の導入を検討することをおすすめします。

8-2.湿度対策

土間は湿気がたまりやすく寒気の影響を受けやすいため、結露やカビへの対策が必要です。換気の良い場所に土間を設ける、あるいは珪藻土や漆喰など調湿機能のある素材を使うのも効果的です。珪藻土などの自然素材は消臭機能もあるため、玄関やペットの臭い対策にも有効でしょう。

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厳選!アイデアが光る土間リノベーション事例10選

ここからは実際のリノベーション事例を見ていきます。真似してみたいアイデアや理想の住まいのインスピレーションが得られるはずです。

[事例1]太陽が差し込む土間ダイナー

バルコニー側にL字のベンチを設けた土間のダイニングは明るく開放的なだけでなく、耐水性のある土間だからこそ飲み物や食べ物をこぼしてしまってもさっと掃除できてが機能的。

グリーンが映えるオアシスのようなダイニングは食事の時間を彩ってくれています。

[事例2]帰宅後に速攻オフできる土間の寝室

土間で玄関とベッドルームを繋げたこちらは壁ではなく、造作の本棚がゆるやかな間仕切りの役割を果たしており、光を取り込みつつ寝室のプライベート性を保ってくれています。視線が抜けるため圧迫感のない半個室の空間になっています。

[事例3]ロードバイク2台をディスプレイする土間玄関

玄関を以前の約2.5倍に広げて、土間としてリノベーションしています。ロードバイクを2台ディスプレイして、そのまま土間でメンテナンスもできるのが便利。大きな窓もあり、開放感溢れるスペースになっています。

[事例4]趣味の革靴づくりに没頭できる土間工房

土間を趣味の革靴づくりの作業ができるスペースとして確保。道具や機械も余裕で置ける広さで、外の光が入り心地よく作業できそうです。リビングの横に工房をレイアウトすることで家族とコミュニケーションを取りながら、家族の革靴を製作できるようになりました。

[事例5]コーナーを活かした土間の書斎スペース

玄関に横長の土間をつくり、コーナーを利用して書斎スペースを設けました。くつろぐ場所としてのリビングから離れた位置に書斎スペースを配置することでオンオフが切り替えやすく、また程よいおこもり感が集中力を生んでくれます。ちなみにすぐ横は寝室なのだそう。

[事例6]ホームシアターにもなる3wayな土間通路

玄関からテラスまでを一直線に繋ぐ土間通路は手前のリビング・ダイニングと奥の個室を緩やかに分ける中間地点となっています。また天井に取り付けたロールスクリーンをおろせば、土間通路はホームシアターに早変わり。さらに壁に設けた棚板は可動式になっており、椅子を置いてワークスペースとしても利用しており、なんともマルチユースな土間です。

[事例7]植物を愛でる特等席のインナーテラス土間

LDKと書斎の間に配置した土間仕様のインナーテラスは、フルフレックス・フルリモートという働き方で曖昧になりがちなオンとオフを切り替えるリフレッシュの場所。お気に入りの植物たちを眺めて一息ついたり、水をあげたり、鉢の植え替え作業もはかどりそうです。

[事例8]ただいま!からのすぐ手洗いで衛生的な土間洗面

玄関土間に手洗い洗面台を取り付けたことにより、外から帰宅した後にすぐに手洗いができるようになりました。小さなお子さまでも、これなら自然と手洗いの習慣が身につきそうですね。

[事例9]1秒でごちゃつきを隠せる土間収納

土間に上着やバッグを収納できるクローゼット収納を設けたことで、お出かけや帰宅時の動線がスムーズになりました。姿見を置いても余裕のあるスペース取りのおかげでお出かけ前の身だしなみチェックもラクチン。雑多になりがちなクローゼットはロールスクリーンをおろせばスッキリした玄関土間に早変わりするため急な来客でも安心ですね。

[事例10]家事効率をあげるひとふで書きの回遊土間

リビングを囲うように玄関〜キッチン〜書斎までの生活動線を土間で廻したことで様々な居場所ができました。またリビングまでの動線上に収納があるためリビングが散らからず、土間通路が一段下がっていることで開放感も生まれています。

さらに水回りをまとめキッチン〜サニタリー〜WICを回遊土間にしたことで家事効率もアップしました。

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まとめ

土間リフォーム(リノベーション)の利便性についておわかりいただけたでしょうか。最後に改めてその特徴をおさらいしておきましょう。

  • おしゃれな見た目と実用性の高さから土間を取り入れる人が増えている
  • 土間はゾーニングの効果が高く開放感のある大空間との相性が良い
  • 土間に使われる素材は水や汚れに強く掃除がしやすいという利点がある
  • 玄関収納やグリーンを置くスペース、アウトドアの作業場など多機能に使えるため、暮らし方に合わせて全体設計をすることがおすすめ

土間だけを新たに付け足すのではなく、居室とあわせてトータルな大規模リノベーションを実施すれば、より統一感のあるデザイン、全体の快適性を考えた設計が可能になります。ゼロリノベでは土間リノベーションの実績も多く、最適な物件探しから資金計画、リノベーションまでワンストップでサポートが可能です。

ご自宅から参加いただける無料オンラインセミナーでは、過去事例や資金計画の考え方などをご紹介しています。セミナー後のセールスは一切ありませんので、ぜひお気軽にご参加してみてください。

古くて新しい、おしゃれな土間のある暮らしを考えてみてはいかがでしょう。

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