2023.04.12 更新

中古マンションの恐るべき3デメリットと宅建士推薦の回避術

新築は高いし、中古マンションも検討しているけれど、実際のところ、中古マンションってどうなの…?耐震面とか設備とか、一度きりの買い物だし、失敗できない。金額が金額なだけに、住宅購入は慎重になるものです。

それをふまえた上で、「デメリットなんてほとんどない」ということと、家に使っていいお金の考え方についてお伝えしていきます。

Advisor

元銀行員 アドバイザー 鰭沼悟

[監修]宅地建物取引士/元銀行員

鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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中古マンションのコスパは最高

相場と金利はセットで考える

まずはおさらいとして、中古マンションのメリットをまとめて確認しましょう。新築マンションと比べてみると、中古マンションのコストパフォーマンスの良さがはっきりします。

デメリットを補って余りあるほど実利があるのが中古マンションです。ここではまず、中古マンションがどう自分たちにとって都合がいいのかをお伝えしていきます。

金額的コスパ

首都圏マンション新築と中古の価格推移

上のグラフは首都圏の新築マンションと築21~25年の中古マンションの価格推移です。2016年の価格差を見ると、約2.5倍の差があります。家が2つ手に入るほどの価格差が、新築と中古で存在しています。このグラフだけを見ても、中古マンションのコストパフォーマンスの良さが明確にわかります。

立地的コスパ

中古マンションの数は新築マンションの比ではありません。ちょっと駅前を見るだけでもそれはあきらかです。もしあなたが、立地や周辺環境、駅からの距離や住みたい街にこだわりがあったとしても、そこに新築マンションの建設予定がなければ、購入することはできません。

しかし、中古マンションの場合なら、ほとんどどの街にも存在しています。人気の街だったり、交通の便がいい街であるほど、中古マンションは存在しています。そういった意味で、自分たちが気に入る周辺環境を選びやすいのが中古マンションです。

資産的コスパ

中古マンション築年別平均価格上のグラフは、新築時からどのようにマンションの価格が下がっていくかの価格推移です。見てわかる通り、20年程度かけて価格は下がっていきます。つまり、新築で買って、途中で売る場合、よほどそのエリアの価値が高まっていない限りは損をすることになります。

逆に、築20年前後の中古マンションを購入する場合は、不動産の相場で上り下がりがあるのみで、新築マンションと比べれば、もし何かがあって手放すことになっても大きな損をしにくいと言えます。

これらの、お金や利便性を見る限り、中古マンションはどの住宅よりもコスパが良いと言えます。その上で、どんなデメリットがあるのか見ていきましょう。

耐震面の中古マンションのデメリット

地震

まず上がってくる懸念点としてはこれではないでしょうか。やはり、新築マンションの方が、耐震性に優れているし、古い=崩れやすい、とイメージしてしまいます。しかしそれは、半分しか正解ではありません。

マンションを支えているのは鉄筋コンクリートです。地盤などの影響をなしにすると、鉄筋コンクリートが脆くなる=耐震性が弱くなる、と考えて問題ありません。

脆くなるプロセスは、コンクリート(アルカリ性)が雨風(酸性)を受けて中性化、それを受けて中心にある鉄筋がサビて膨らみ弱くなるというものです。

そうならないために、多くのマンションはタイルでコンクリートを覆っています。この外壁の補修や防水処理をするのが、10年〜15年スパンで行われる大規模修繕です。国土交通省がまとめた資料「RC造(コンクリート造)の寿命に係る既往の研究例」では、一般建物の耐用年数は100年、外装仕上げにより延命した場合、耐用年数は150年(大蔵省主税局)とされています。

このことからも、大規模修繕工事をちゃんと行っているマンションであれば、しっかりとした耐用性があると言えます。逆に、新築マンションであろうと大規模修繕工事の計画や資金集めなどの管理ができなければ、10年〜15年が経った時点で、危ない中古マンションに成り下がってしまいます。

“まとめ”

  • ちゃんと管理されてきた中古マンションと管理されていない中古マンションで、耐用性が大きく変わるので、どのように管理されてきたかを見れば、耐震性のリスクはかなり防げる。

また、現時点の新築マンションは確かに安全と言えますが、それもこれからどのように管理されていくかで未来は大幅に変わります。そういった意味では、築20年前後でちゃんと管理されているマンションは3.11などの大きな地震に耐えていることからも実績のあるマンションと言えます。

中古マンションを選ぶときは管理状態をしっかりとチェックしましょう。また、どうしても不安な場合は、新耐震基準となった、1981年以降の物件から選びましょう。

マンションの耐震や建替えについてより詳しく知りたい方は、中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイントをご確認ください。

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外見についての中古マンションのデメリット

ビンテージなマンション

古いマンションは見た目がかっこ悪い。そういったイメージがあるかと思います。しかし、築20年前後のマンションは2000年前後に建てられたマンションです。

この条件で実際に物件検索をしてみると、汚いマンションというものの方が少ないことがわかります。もちろん、人によって、どんな外見のマンションなら許せるかというのも変わりますが、一度実際に検索して見てみることをオススメします。

確かに、現在建設中の新築マンションと比べればエントランスや外見で古さを実感することもあります。なので、外見やエントランスのこだわりが強い場合は新築マンションの購入をオススメします。ただし、価格差の2.5倍を支払ってまでこだわるかどうかは、深く検討すべき点です。

設備面からみる中古マンションのデメリット

エントランス

実際に住む中古マンションの設備面。ここでは供用部と専有部に分けてお伝えします。

共用部

宅配ボックスやオートロック、エレベーターの数や質など、古いマンションになるほど、そういった設備がない場合があります。共用部の設備面が一番新築マンションに劣っている部分と言ってもいいかもしれません。しかし、工夫のしどころでもあります。

例えば、宅配ボックスの有無でいうと、たったこれだけで、マンションの価格には1000万程度の差が出てきます。そこまでの価格差があるならば、隣にコンビニがあるマンションを選んだほうがよほど現実的です。

このように、自分たちがゆずれない条件も、工夫次第では解決可能なものもあります。少し知恵を絞ってみましょう。

専有部

次に専有部、つまり自分たちが暮らす部屋についての設備です。中古マンションを買ってそのまま住む場合は、必ず確認してほしいことが1つあります。

それは、配水管の交換をしてある物件かどうか?です。

配水管

築浅(1年〜10年前後)の場合は水漏れのリスクは考慮しなくても良い場合がほとんどですが、築20年以上で、リフォームなどがされたことがない物件の場合、水漏れのリスクがあります。というのも、配水管の寿命は20〜30年程度と言われているからです。この場合は、配水管の取り替え工事をしておくことで、下の階への漏水リスクを抑えることができます。

また、近頃はリフォーム済み物件の取り扱いが増えてきていますが、その場合でも必ず確認をするようにしてください。表層のみキレイにしただけで、排水管は25年物なんてことにならないよう注意しましょう。

マンションの配管工事は70万円前後と言われていますが、物件の状況や間取りによっても変わってきます。築15年以上の物件を購入する場合は、工事金額も考慮しておく必要があります。

ここまでは、配水管についてでしたが、キッチン、トイレ、お風呂などもそのまま使う場合は、現地で使い勝手などをしっかり確認する必要があります。

部屋が汚ない

リノベーション後のジメージ画像

部屋の小さな傷や汚れ、痛み具合など、物件写真では見えなかった部分も現地に行くとしっかりわかります。リフォーム済みの物件なら問題もありませんが、このあたりが許せないという方は、築浅物件を探すか、フルリフォームやリノベーションを検討しましょう。

費用面は、「リノベーション事例を価格順で比較!月々の支払額も大公開」で触れていますが、全てを解体し新しくするリノベーションの場合でも800万円程度(70㎡)から依頼することが可能です。

価格的にも新築マンションや築浅物件を買うよりも安く、かつ自分たちの要望の入った間取りやテイストで暮らすことができます。

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子どもに借金を背負わせて家を買う大人たち

喧嘩

ここまで、中古マンションのデメリットを様々な面で解説してきましたが、ほとんどのデメリットは許容可能で、コスト面で見ても圧倒的にお得と言えます。

あまりお金のことばかりを言っても夢がないという気持ちになってしまいますが、それでも中古マンション、ひいては住宅にお金をかけすぎることの注意喚起をする理由があります。

それが、4年生大学の奨学金受給率です。

奨学金受給率グラフ

このグラフを見てわかるとおり、20年前に比べて、奨学金、つまり借金をして大学に通う学生が倍に増えています。学費を支払えない親が倍になったということです。奨学金の返済は遅延をすると住宅ローンの審査にひっかかることもあり、注意が必要です。そして、

首都圏マンション新築と中古の価格推移このグラフは最初に出てきた新築マンションの価格推移ですが、どんどん上がっています。

また、こちらは、国税庁が出している民間給与実態統計調査です。

平均給与推移

ピーク時に比べ、47万円下がっています。収入が下がっているのに、新築マンションの価格は上がっています。全てが住宅費の高騰によって起きている問題とは言えませんが、半分以上の親が資金計画的に狂いが生じていることは確かです。

このことから、自分たちの老後や子供の学費も含め、将来の資金計画をしっかりと作った上で家の購入をしなければ、不幸になりやすい環境に自分たちがいることがわかります。

大きな失敗を回避するためにも、まずは情報収集をしてみてくださいね。

家は幸せのための道具

幸せ

多くの方は、今よりも暮らしやすい環境、快適な暮らしを求めて、住宅の購入を考えているかと思います。しかし、色々な情報、会社の人間や親の目など、考えるほど何を選べば正しいのかわからなくなってしまうこともあります。

そんなときは、ファイナンシャルプランナーに家に使っていい予算を算出してもらいましょう。そうすれば、自分たちの日々の暮らしを圧迫しない返済金額がわかるので、考えもブレにくくなります。家は幸せのための道具です。道具を買ったせいで不幸になっては本末転倒です。迷ったときは、使っていい予算に立ち返ってみましょう。

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まとめ

中古マンションを選ぶデメリットは?

物件価格や選択肢の多さなど、魅力の多い中古マンションですが、3つのデメリットについても事前に知っておきましょう。詳しくは「耐震面、 外見、設備面の中古マンションのデメリット」をご覧ください。

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