2023.05.15 更新

【一級建築士のお墨付き】マンション間取りの7アイデアと注意点

マンションは一般的な間取りが決まっていることが多く、戸建住宅と違って自由度の少ない「家に合わせた」暮らしをするイメージが多いかもしれません。

しかしリノベーションをすると、マンションであってもワクワクするユニークさや、充実した収納などさまざまなアイディアを取り入れることができます。

おしゃれで快適に暮らせる間取りのアイディアを、設計士の視点からご紹介します。

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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わかりづらい間取り図の記号

物件を選ぶ際、間取りを見ると普段見慣れない表記や記号に戸惑うこともあります。主に間取り図では略称が使われることがあり、部屋などはアルファベット表記で示されています。

  • L:リビングルーム
  • D:ダイニングルーム
  • K:キッチン
  • CL:クローゼット
  • WCL:ウォークインクローゼット(歩いて入れるくらいの広さ)
  • N:納戸
  • DEN:デン (書斎)
  • S:サービスルーム
  • UT:ユーティリティ(洗面脱衣所など)
  • UB:ユニットバス

LDKがそれぞれ独立していない場合や、「納戸」や「サービスルーム」「書斎」の用途が曖昧な場合もあります。建築基準法では、寝室や洋室など居住する部屋に最低限採光を確保できる窓を設けなければいけないため、部屋の広さは十分にあっても窓がなかったり、その他の基準を満たさないものは書斎や収納として設定されている場合が多くあります。

人気のマンション間取り3パターン

2-1.田の字型

「田」の字のような間取りで、廊下と水回りで「十」の配置となり、4隅に部屋があるような間取りです。

2-2.センターイン型

玄関が中央にあり、左右に居室とLDKが別れている間取りです。プライベートゾーンとコミュニケーションを取れるLDKがそれぞれ確保しやすいため、ゲストが多い家族におすすめです。

2-3.ワイドスパン型

各居室がバルコニーや窓に面し、どこの部屋も日当たりの良いのがワイドスパン型の間取りです。共用廊下が屋内にあるような、タワーマンションなどに多くみられます。

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ライフスタイルや家族構成で間取りを変えよう

どんな間取りがおすすめか、理想の間取りはどんなものかという議論はよくありますが、実際は家族ごとにライフスタイルが異なるため、正しいのはどれというのは決められないもの。自分たち家族にとっての優先事項や、大切にするポイントは何かを話し合いながら、理想の間取りをプランニングしていきましょう。

3-1.ここはチェック!間取り選びのポイント

快適で理想的な暮らしを実現するため、まず「自分たちが暮らしに求めるものは何か」を考えてみましょう。例えば、現在住んでいる家にストレスを抱えているのであれば、それが選ぶ基準になります。

■ストレス:収納が足りない、ものがたくさんある
現在の家と比べ、どのくらいの収納量があるかをチェック。足りないようであればリノベーションの際間取りに反映させましょう。

■ストレス:キッチンが狭い
レイアウトや配置計画から見直して、対面か、壁付けか、収納を備えた造作キッチンなど、空間を効率良く使えるプランを選びましょう。

■ストレス:日当たりが悪い
物件選びの際に、窓がある部屋やバルコニーの位置などをチェック。できれば晴れた日にどのくらいの光が部屋に入るかを見に行くと安心です。

3-2.家族の成長と共に間取りも自然と変わるもの

たくさんの間取り資料やウェブサイトを見ていると、理想ばかりが膨らんでしまいます。しかし初めは「完璧!」と思っていても、考えやライフスタイルは変わるもの。がちがちに間取りを固めてしまうよりは、将来的にフレキシブルに変えられる余裕のある間取りの方が満足度の高いものになります。

いずれリフォームやリノベーションをすることを視野に間取りを考えるのがオススメです。

マンション間取りのアイディア7選

画一的で無難な間取りが多いマンションも、リノベーションをすると住み心地が良くなるアイディアを実現できます。素敵な事例を参考に、自分だけの家のイメージを膨らませてみてください。

4-1.子ども部屋(秘密基地)

空間効率の良い個室

家族のコミュニケーションを考えた場合は、リビングにワークスペースを確保するのがおすすめです。広い子ども部屋はこもってしまうようになるので、プライベートを保てる最小限とし、リビングをその分広くすると開放感も得られます。

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4-2.お掃除ロボット空間

家事からの自由

共働きのご家庭や、小さな子どもがいる家ではとにかく家事の負担が減るのは嬉しいことです。フラットで遮るものがない間取りであれば、お仕事から帰宅する間にお掃除ロボットが全て掃除を終わらせてくれます。

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4-3.ロフト-1

ロフト事例その1

各部屋の面積を充分に取りにくい場合は、ロフトなどのアイデアを取り入れて見てはいかがでしょうか。空間を有効的に利用できます。

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4-4.ロフト-2(子ども部屋)

秘密基地のようなロフト

広めのロフト空間は子ども部屋としても使うことができます。秘密基地のようなワクワクする空間はお子様も喜ぶはず。

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4-5.壁付けキッチン

空間効率の良い壁付けキッチン

最近は対面キッチンが主流となっていますが、壁付キッチンの利便性も見直されています。ひと昔まえのようにキッチンだけが部屋として分けるのではなく、リビングと一体化した空間であれば壁付けでも孤立することもありません。また、通路が必要ないためLDを広く確保でき、動線もスムーズ。家具のようなおしゃれなキッチンにすればインテリア性も抜群です。

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4-6.土間玄関

人気の土間事例

マンションの玄関はコンパクトですが、リノベーションすれば広々とした土間を実現できます。自転車やベビーカーが置けたり、部活道具やアウトドア用品など外で使う汚れやすいものも気にせず収納できます。

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4-7.寝室

寝るだけのスペースはコンパクト

家族が集うLDKを広々と居心地の良い空間にするため、寝室を最小限に確保した例がこちら。解放的でカフェのようなおしゃれなLDKを見ると、もとの間取りよりも寝室を小さくしたメリットが充分伝わります。

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リノベで叶えた!間取り変更の事例

「1LDK」を2人暮らしのくつろぎ空間に

リノベーションで浴室も自由自在

こちらは共働き夫婦のための家。1LDKの間取りを大胆にチェンジしました。バスタイムをゆったりと楽しむため、外の景色を見られるようにしたバスルームが印象的です。リビングは広い壁面を活かしシアタールームにもなります。

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「2LDK」を3人暮らしの光と風が循環する空間に

3人暮らしの光と風が循環する空間に

マンション特有の間仕切りが多い空間から、「回遊性」のある間取りへと変更しました。光と風を導き循環する、快適で広々とした間取りが実現されています。家族の気配も近くに感じられます。

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「3LDK」を4人暮らしの遊び心がある家に

リノベーションで遊びもアイデア次第

「ワンパクで遊び心が詰まった家に」という思いが実現したこちらの住まいは、家の中心にあるボルダリングウォールがインパクト抜群。育ち盛りのお子さんが家の中でものびのびと遊ぶことができ、インテリア性も抜群です。トイレもくつろぎの空間として、壁面いっぱいに本棚を造作しました。

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マンション間取りの変更の費用

間取りを変更するにあたって、気になるのは予算や費用面でのことですよね。大きくリノベーションするほど高額になるのでは…と心配になるでしょう。希望する内容や物件の特徴により金額は異なりますが、参考価格は以下になります。

6-1.部分的なリフォームの場合

改装部分が一部のみ、たとえば2部屋の間仕切りを撤去して一部屋にする場合、16畳程度で55-70万円、和室を洋室にする場合は40-60万円ほどと言われています。素材にこだわった場合はさらにプラスになる場合があります。

6-2.リノベーション

部分的な改修は、既存部分を傷つけない繊細な作業や、その部分がとってつけたような印象にならないよう、規模が小さくても作業自体が簡単にはなりません。トータルすると、一度全体を解体してゼロから仕上げるスケルトンリノベーションのほうが割安になることもあります。

なかなか予測がつきにくいリノベーション費用ですが、㎡あたりの単価を出している会社ならおおまかな計算ができ安心感にもつながります。

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まとめ

様々な要素を想定しながら間取りを決めても、将来は予測し難いものです。家族の成長やライフスタイルの変化とともに、家の好みや使い方は変化していくと考えましょう。

たとえば、生まれた赤ちゃんのために20歳までの洋服を全て揃えることはできません。なぜなら、将来の体型も趣味もわからないからです。でも、家となると将来の洋服(間取りや空間)まで決めようとしてしまいます。

目まぐるしい時代の流れですから、10年経てば、現在とは違う家具・家電が登場し、トレンドも変化しています。満足度の高い間取りを実現するには、ある程度の柔軟性や余裕を持たせ、変化に対応しやすいようにするのがおすすめですよ。

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