耐用年数を過ぎたら危険?安心して住める長寿命マンションの探し方

マンションの耐用年数

一般的にマンションの耐用年数は47年、あるいは60年とも言われています。

現在築30年、40年の中古マンションを購入したらあと10数年しか住めないのでは、と不安になりますよね。

でも、実は耐用年数は物理的なマンションの寿命を表しているわけではありません

マンションの本当の寿命はもっと長いのです。この記事では、耐用年数の意味や日本のマンション建て替え事情、さらに長寿命マンションの探し方についてお伝えします。

1.鉄筋コンクリートの寿命は117年

国土交通省が発表した資料「RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例」によると、「鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定」飯塚裕(1979)「建築の維持管理」鹿島出版会)とされています。

この時点で、一般的に言われる耐用年数47年をゆうに超えていますが、さらに、「鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数は120年、外装仕上により延命し耐用年数は150年」(大蔵省主税局(1951)「固定資産の耐用年数の算定方式」)との発表もあります。

つまり、マンションは100年以上保つ建造物であり、メンテナンスによっては150年の寿命も決して非現実的な話ではないということです。

33歳の男性が築33年のマンションを購入したとしたら、単純計算でマンションの残りの寿命は84年です。自分が長く住まうための年数としては十分すぎるほどと考えられます。

「でも築100年のマンションなんて日本には無い」…と思われるかもしれませんが、そもそも日本にマンションが普及しはじめた歴史がまだ60年弱なので、それは当然の話です。

2.耐用年数の47年は何を表している?

では、冒頭でご紹介した「マンションの耐用年数は47年」とは、一体どういうことなのでしょうか?

これを理解するには、そもそも「耐用年数」の意味から知る必要があります。

耐用年数とは、国税庁によって減価償却資産に対して定められたもの

減価償却資産は毎年資産価値が減っていきますが、所有者は、耐用年数に応じて減価償却した分を経費として計上することで、所得税の課税額を減らすことができます。

つまり、償却率を算出するために「マンションの価値は47年でゼロになりますよ」と定められているということです。

法的に示されている耐用年数と実際のマンション寿命は全く関係無いのです。

3.実はマンションの建て替えはほぼ起きない

耐用年数を過ぎても、マンション自体の寿命に即座関わるわけではないということがわかりました。

とはいえ、寿命がやってこないわけではありません。マンションが住めない状態になったら何らかの措置を取る必要がありますが、建て替えはその選択肢の一つです。中古マンションを購入して、建て替えになったらどうしよう…と不安に思う方もいるかもしれませんが、実は日本ではマンションの建て替えはほとんど実施されていません。

国土交通省の調査によると、平成29年時点で建て替え工事が完了している件数は全国で232件です。旧耐震基準に基づいて建設されたマンション戸数だけでも106万戸あることを考えると、この件数が非常に少ないものだとわかります。

建て替えの必要があったとしてもなかなか工事が実施されないのは、以下のような理由があります。

3-1.一戸あたり2000万円の費用がかかる

マンションの建て替えは、建物の解体、建築に加え住民自身の引越し費用などを累計すると一戸あたり総額で2000万円程度必要と言われており、住民の反対原因の大きな要素となっています。

一方、2000万円以下の費用や、住民負担ゼロで建て替えが行われた事例が存在するのも事実です。これはマンションの敷地面積が余っており、現在より戸数や階数を増やすことで利益を出すことができるため、住民負担は少額で済んだという事例です。負担が無かったからこそ住民の賛成も得られたというわけですが、これは非常に希少なケースです。

3-2.住民の4/5以上の賛成が必要

建て替えにおいての最難関は、住民の合意を得ることです。いくら建て替え計画を立てても、住民の4/5以上の賛成が無いと実現できないのです。

建て替えは費用面での負担はもちろん、今ある暮らしを変えなければならない、数年間の仮住まいが必要で生活の負担になるなどのマイナス要素が多いもの。特に高齢者が多い場合は合意を得るのは非常に難しく、賛成を得るまでに何十年もかかったというケースも存在します。

3-3.これからの延命技術に期待できる

現在は老朽化したマンションの寿命を延ばすための技術も非常に進歩しています。三井不動産によるリファニング工事などもその一例です。

建て替えのハードルが非常に高くなっている時勢の中、老朽化したマンションを長く使用するための手法は今後もさらに増えていくでしょう。

4.長寿命マンションの探し方

建て替えはほぼ起こらないとはいえ、もちろんゼロではありません。建て替え問題に直面しないためには、できるだけ安心して住める長寿命のマンションを選ぶのが一番です。

4-1.マンションの寿命は管理状態が全て

鉄筋コンクリートの寿命は117年と言っても、何の管理もせずに放置していれば当然寿命は短くなります。最終的に100年以上住まえるマンションかどうかを決めるのは、管理状態が全てです。

マンションに必要とされている大規模修繕は、10~15年に一度の周期で行われます。適切に大規模修繕が行われてきたかどうかマンションの修繕記録を見て、最低でも1度以上大規模修繕されているマンションを選びましょう。

築浅で大規模修繕が行われていない場合は、修繕計画があるかどうか、修繕積立金は適切に徴収されているかどうかが目安になります。そういう意味では、新築マンションはその後の管理状態を読みづらいのでリスクがあると言えるでしょう。

4-2.価格の安定は築20年以降

大規模修繕が行われたかどうかを判断するにはある程度の築年数が必要ということになりますが、これと合わせて考えると購入は築20年以降の物件がおすすめです。マンションの資産価値は新築時が最も高く、あとは下がり続け、築20年前後で安定するからです。

4-3.建て替えや老朽化を想定するなら利便性重視

万が一の時は建て替えも覚悟しなければなりませんし、老朽化は防げるものではありません。特に大規模修繕は必須ですから、いざ修繕の段階になって「費用が徴収できていないので修繕できない」という事態に陥るのは避けたいものです。

そのために重視したいのが、マンションの利便性です。駅から徒歩10分以内の人気エリアの物件であれば、空室リスクは低くなり、修繕費や管理費もきちんと貯めることができ、問題なく大規模修繕できるでしょう。

また、築20年でマンションの建物としての価値は下がりきるため、資産価値を支えてくれるのは立地条件ということになります。便利な土地なら、もし建て替えになっても法人に売却する選択肢が生まれますから、あらゆる視点から考えても中古マンションはやはり利便性を優先して選ぶことをおすすめします。

まとめ

マンションの実際の寿命と、できるだけその寿命かそれ以上の年数で住まえるマンションを選ぶためのポイントをお伝えしてきました。

中古マンションの利点として管理状態を事前に調べられるという点がありますから、しっかりご紹介したポイントを抑えて、安心して暮らせる長寿命マンションを探してみてください。

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