住宅ローンの年齢制限と年齢の目安。老後とのバランスは?

住宅ローンは長期にわたる支払いが必要なので、借入時の年齢に一定の制限が設けられています。

通常は65~69歳程度が住宅ローンを借りられる上限年齢で、完済時期は75~80歳程度です。

貸す側である銀行が、審査の項目に年齢制限を組み込んでいます。ただ、こうした年齢制限は絶対的なものではなく、資産を多く保有している人なら70歳以上でも住宅ローンを組める可能性があります。

となれば、40代半ばくらいの年齢ならまだまだ余裕を持って住宅ローンを借りられそうです。35年ローンを組んだとしても完済年齢は75歳です。ただ、定年後も住宅ローン返済が続くとなれば、年金だけで支払っていくのは難しいと考える人が多いでしょう。

そこで今回の記事では、住宅ローンの年齢制限、借入時と完済時年齢の目安、そして定年後も住宅ローンの返済をしていくときの注意点などをまとめて解説します。


住宅ローンを借りる年齢の目安は

まず、世の中の人々は何歳くらいで住宅ローンを借りているのかを見てみます。

住宅の取得年齢のグラフ

国土交通省の「平成28年度住宅市場動向調査報告書」によれば、初めて住宅を購入した「一次取得者」は30代が最も多く、40代がそれに続いています

平均年齢は住宅の種類によって異なりますが39.4~43.4歳となっており、こちらは40歳前後が平均的な年齢ということになります。

このデータはあくまで初めて住宅を購入した年齢の統計データですが、住宅購入者の多くが住宅ローンを利用するので、初めて住宅ローンを借りた年齢ともほぼ一致していると考えていいでしょう

ちなみに厚生省の人口動態調査(平成29年)を見ると、日本の平均初婚年齢は夫が31.1歳、妻が29.4歳、妻の出産平均年齢は第1子が30.7歳、第2子が32.6歳、第3子が33.6歳となっています。

つまり、住宅ローンを借りるタイミングは、結婚して子供が生まれて少し大きくなり、小学校に通っているくらい、というケースが最も多いと推測できます。


住宅ローンの借り入れ・完済時の年齢上限は上がっている?

銀行が提供している住宅ローン借入時の上限年齢、完済時の上限年齢は、ここ数年緩和が進んで高くなっています。かつて借入時の上限は65歳というのが主流、完済時の上限年齢は70歳程度というのが一般的でした。

しかし現在では、借入時の上限年齢は70歳という銀行が増え、完済時の上限年齢も80歳(最高で81歳未満)が当たり前になってきています。

社会の高齢化が進むにつれ、住宅ローンの借入時の年齢上限も高齢化しているわけですが、一般的に気になるのは完済時の上限年齢の方ではないでしょうか。

例えば40歳で住宅ローンを借り、30年ローンにすれば完済時の年齢は70歳、35年ローンにすれば75歳です。70歳と75歳のどちらも選べる、選択肢が用意されているというのはありがたいことです。

ちなみに借入金額3000万円、固定金利1.5%の住宅ローンを借りるとすると、、

70歳完済の30年ローンなら毎月支払額は10.4万円、総支払額は3727万円になります。

75歳完済の35年ローンなら毎月支払額は9.2万円、総支払額は3858万円です。

その場合、60歳で定年退職するなら、定年後に10.4万円を10年間支払い続けるのか(70歳完済の場合)、それとも9.2万円を15年間支払い続けるのか(75歳完済の場合)というのが比較検討のポイントになるでしょう。

また、公的年金の支給開始年齢は原則65歳からなので、60歳からの5年間をどうするかというのも問題になってきます。

ただ覚えておきたいのは、一般的に理想とされている完済年齢は65歳だということです。年金が月20~30万円だとすれば、65歳以降、月10万円の住宅ローンを支払っていくのは避けたいと考える人が多いのもうなずけます。

65歳までは働くという人も増えており、完済年齢が65歳だと銀行の審査にも通りやすいと言われている点も見逃せません。

40歳で住宅ローンを借りるなら、65歳で完済するには25年ローンを組むことになります。それで毎月支払額が多くなるなら物件の購入価格を下げるという選択も視野に入れるべきでしょう。

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45歳以上が住宅ローンを借りる場合の注意点

さらに借入時の年齢を高くして、45歳以上で住宅ローンを借りる場合についても考えてみます。

45歳以上で住宅ローンを借りる場合は、完済時の年齢もギリギリのラインになることに注意しなければなりません。

借入時年齢が45歳だとすると30年ローンの完済時年齢は75歳、35年ローンの完済時年齢は80歳です。つまり、最長である35年ローンが借りられる上限年齢が45歳ということです。

45歳以上で住宅ローンを借りる際は20~25年程度の期間を短くしたローンを組むことになるため、毎月の返済金額が高くなる点にまず注意が必要です。

もう一つ、45歳以上で住宅ローンを借りるときに注意しなければならないのが、団体信用生命保険(団信)の存在です。団信は住宅ローンの債務者が死亡した場合に住宅ローンの残債を肩代わりしてくれる保険で、ほとんどの銀行が住宅ローンを利用するときの条件にしています。

しかし、団信には誰でも必ず加入できるわけではありません。健康状態によっては加入できないケースがあります。45歳以上だと「健康状態に問題があるリスク」が増えてきます。住宅ローンは健康なうちに借りる、というのは実のところ最も重要視すべきポイントです。

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定年後も住宅ローン返済が続く場合は長く働くという選択も視野に

40代半ばをすぎると年収も増えます。そのため住宅ローンを借りようとすると、意外に多額の借入が可能だとわかることがあります。

しかし、その頃には子供も高校生や大学生になり、教育資金を十分に確保しておく必要があるはずです。まずは購入する住宅にあまり多く予算を割きすぎず、教育費がピークになる時期を乗り切るためのプランを立てることを前提とすべきです。

目安となるのは返済負担率です。返済負担率は「年収に占める年間返済額の割合」のことで、これが20~25%に収まっていれば返済の負担を常識的な範囲内に押し留めておくことができると言われています。

例えば年収600万円の20%は120万円です。毎月の返済額10万円が、年収600万円の人がある程度余裕を持って返済していける金額の目安ということです。(あくまでも一般的に言われている金額です)

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そして、残る課題が老後です。ここまで何度か触れたように、40代で住宅ローンを借りることを考えていくと、どうしても定年後・老後の返済をどうクリアするのかという問題に行き当たります。

65歳までに完済できるなら理想的ですが、返済負担率を20%以内に抑えることを考えると、20年ローンで条件に合った住宅を購入するのは難しいかもしれません。年収600万円の例で言えば、65歳以降、収入が減ってからも月10万円前後の返済をしていく方法を考えておかなければなりません。

多くの人は年金をもらいつつ、老後のために貯めておいた貯金や退職金を切り崩しながら10~15年、返済を続けていきます。一方、定年退職後も長く働く方法を早くから考えている人もいます。毎月の住宅ローン返済分だけでも働いて稼ぐことができれば、生活はかなり楽になるでしょう。

基本は、老後は働かなくても節約すれば完済までたどり着ける返済計画にしておくことが大切です。そして働けるなら、そのことによって負担を減らすことも可能という状況・環境を整えておくことです。不安要素はなるべく減らしておく、というのを基本路線に、30年、35年後のことを考えてみましょう。

また、夫婦の収入を合算するなどペアローンを検討するケースも増えています。世帯年収で考えることやペアローンを組むことが必ずしも悪いとは言いません。しかしペアローンを利用するなら、夫婦どちらもマックス金額で考えるのは破綻しやすいので避けるべきです。

ペアローンは片方の収入を50%程度と想定して組むというくらいが妥当です。少なくとも、夫婦の年収をすべて合算しないと購入できないような物件は、家族を幸せにしてくれる物件とは言えないでしょう。

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まとめ

以上見てきたように、住宅ローンの年齢制限が緩やかになっている現在は、40代半ばでも長期ローンを組むことが可能です。しかし、その場合は定年退職後・老後の返済をどのようにクリアしていくかをしっかりと考えておく必要があります。

多くの人は、教育資金の確保にも気を配りつつ、老後資金を貯めることも頭に入れておかなければなりません。購入する住宅の予算も、それらを見越した上で決めてください。絶対に避けるべきなのは、「無理をすることを前提とした住宅ローン」を組むことです。

40代で住宅ローンを借りるときは、30代で住宅ローンを組む場合よりも、より一層慎重かつ綿密なライフプランを立てることが大切なのです。

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