中古マンションの配管寿命は?築38年の物件を買っても大丈夫?

配管穴を利用したインテリア

自分好みにリノベーションができることから、中古マンションを購入する方も増えています。ところが、実際にリノベーションのプランをするにあたり、よく耳にするのは「もっと事前に見えない部分を確認しておけばよかった」という声。

中でも生活に欠かせない配管は、経年とともにダメージを受けやすい部分です。スケルトン・リノベーション(リフォーム)の場合は配管等も交換しますが、表層リノベーションの中には、見た目は綺麗ですが配管等が古いままの物件も少なくありません。

>>おすすめ記事:「スケルトンリフォームの費用はいくら?」

なかなか目に見えない部分だからこそ、事前にしっかりとチェックしておきたい寿命や交換方法などについて、詳しく解説をしていきます。

【1】配管といっても様々。まずは配管種類をチェックしよう!

配管種類とさびやすさの関係

「水道用亜鉛めっき鋼管」は、15年~20年ほどで配管内面が激しく腐食し、赤水や漏水などが発生し問題になったため、1997年のJIS改正により、現在では上水道配管に使用できなくなっています。

次に登場したのが「硬質塩化ビニルライニング鋼管」です。現在最も多く使用されています。この管材により配管内面の腐食問題を解消されましたが、管と管をつなぐときに使用する材料にいくつか欠点がありました。

それをうけて共用部では、より耐久性の高い「ステンレス管」を採用するマンションが増えました。専有部では、さびない樹脂製の管種が使われることが多くなりました。もし、リフォーム・リノベーションで専有部の配管を交換する際は、さびない非金属管がおすすめです。

さて、あなたが気になっている建物(もしくはご自宅マンション)は、どの種類でしょうか。

【2】配管の寿命は何年なのか

配管寿命の目安

住宅設備に寿命があるように配管にも寿命があります。一般的な目安は上の表ですが、劣化の具合は、実際に確認する必要があります。

しっかりと施工がなされた鉄筋コンクリートのマンション建物自体は、物理的には100年を超える寿命があると言われています。一方で毎日使われる配管設備は建物よりも寿命が短いことになりますから、適切な時期に必ず修繕をする必要があります。

【3】配管交換は誰がどのように行うのか

責任は売主?それとも買主?

配管に不具合があって交換が必要になった場合、瑕疵担保責任によって責任の所在が左右されます。瑕疵担保責任とは、購入者が引き渡し後住んでから重大な欠陥があることが発覚した場合、売主に損害賠償を請求できるという制度です。

売買契約の際に、売り主が瑕疵担保責任を負うかどうか、またその対象期間はどの程度なのかを事前にしっかり確認しておくことが重要です。

専有部分は自己負担が基本

マンションの配管には以下のような種類があります。

  • 給水に関わるもの…給水管・給湯管
  • 排水に関わるもの…雑排水管・汚水管
  • ガス管

このうち専有部分にあるのは給湯管で、その他は共有部分と専有部分両方に通っています。共有部分にある配管は一般的な寿命を考慮し、マンションで計画された長期修繕計画によって補修・交換が行われます。

専有部分に関しては、上記の瑕疵担保責任の範囲でなければ自己負担になるのが基本です。

配管の交換方法

では、配管を交換をするにはどのような方法があるのでしょうか。

専有部分

専有部分に関しては、マンションの配管構造が大きく関わります。床スラブ(構造躯体コンクリート)を貫いている「床スラブ貫通配管」タイプ、床スラブの上に配管が通っている「床スラブ上配管」タイプに大きく分かれ、交換の工事が大変なのは「床スラブ貫通配管」の構造です。

配管と床スラブの構造

出典:REPCO

配管が通っているのが共用部分にあたるので、原則として勝手に交換することができないのです。また、工事をするとしてもかなり大掛かりなものとなります。そのため交換をせずに高圧洗浄のみでメンテナンスを行うケースも多く見られます。

「床スラブ上配管」は共用部分の躯体にかからないため、自由に交換可能です。床下にあるために床は剥がさなければいけませんが、必ず寿命が来ることを考えると、リフォームやリノベーションの際に一緒に交換してしまうのが効率的です。

共用部分

マンションの共用部分の配管が通っているのは、「PS(パイプスペース)」と表記された配管スペースが該当します。寿命がきた配管は

  • PS部分の配管を交換する
  • 新しく配管ルートを作る

のいずれかで対応するケースがほとんどです。

【4】配管交換の工事費用の目安

リノベーション仕上げのダクト
専有部分の給排水管を交換するときにかかる費用は?

配管交換の目安(専有部分)

一般的に、配管の交換費用は30万円程度が目安と言われます。しかし交換工事に伴って床や壁を解体し、直すためにも大工工事や内装工事が必要です。そのためトータルでの工事費用は50万円から100万円が目安となります。

配管交換はリフォーム・リノベーションと同時に

寿命の近い配管を交換した方が良いのはわかっていても、床や壁を壊して配管工事だけをするのは効率が悪く、工事費がかさんでしまいます。

そこで、中古マンションの場合は特に、他の部分のリフォームやリノベーションを行う際に同時に配管交換するケースも多く見られます。効率的なのはもちろん、せっかくリフォームやリノベーションをしたのに、配管工事のために再び床や壁を壊すことになった…という事態も防げるからです。

>>おすすめ記事:「中古マンションを買ってリノベーションの解説」

【5】配管が安心なマンションを見分けるには?

築浅のマンションだからといって、将来にわたり安心な配管なわけではありません。今は良くても、今後配管の状態が悪くなったときに交換しないマンションもあります。

一方で、古いマンションだからといってダメなわけでもありません。結局のところ、各マンションの意識レベル次第と言えます。それらを見分けるには次の3つを意識することがポイントです。

1.点検口があると好ましい

物件を購入する際に、点検口があるかどうかをチェックしてみましょう。点検口があれば、寿命が来る前でも、何かトラブルがあった際に素早く適切な処置が可能です。点検口があるかどうかで長持ちする家を作ろうとする意識が作り手にあるかどうかもチェックできます。

一方、最初から「リノベーションで配管交換する」と最初から計画している場合は、点検口の有無はそれほど気にしなくても良いでしょう。

2.しっかりとした修繕履歴と修繕計画がある

配管の状態を含め、長く住み続けても安心な住宅であることを見極めるポイントは、長期・短期の修繕計画とそれが適切に行われた修繕履歴があるかどうかです。修繕計画自体が無かったり、適切なメンテナンスが行われていない建物もありますので、必ずチェックしましょう。

>>参考資料:【国土交通省】長期修繕計画標準様式(PDF)

3.築年数よりも管理状況がポイント

どんなに立派なマンションでも、適切なメンテナンスがなされていないとマンションの寿命を縮めてしまう原因となります。また新しいマンションでも、このような管理では将来的にダメになるだろうと思われる建物も少なくありません。一方で、古いマンションでも住人の意識が高く、長寿命になり得る建物はたくさんあります。

>>おすすめ記事:「中古マンションは何年住める?」

物件選びの際にはぜひこれらにも注目して、確認をしておくことをおすすめします。

まとめ

躯体よりも寿命が短い配管は、体でいう血管のようなもの。暮らしには欠かせない重要なパーツです。構造によって適切な交換工事ができない場合もあるため、中古マンションを購入する際には工事ができるかどうかも確認しておくといいでしょう。

気に入った住まいに長く安心して住み続けることができるよう、見えない部分や共用部分の修繕計画をしっかりとチェックしておくのが大切です。

住宅購入「7つの不安」を解消するなら

ゼロリノベ事例