中古マンションの配管寿命はどのくらい?交換責任は誰にある?

配管穴を利用したインテリア

自分好みにリノベーションができることから、中古マンションを購入する方も増えています。ところが、実際にリノベーションのプランをするにあたり、よく耳にするのは「もっと事前に見えない部分を確認しておけばよかった」という声。

中でも生活に欠かせない配管は、経年とともにダメージを受けやすい部分です。なかなか目に見えない部分だからこそ、事前にしっかりとチェックしておきたい寿命や交換方法などについて、詳しく解説をしていきます。

【1】配管の寿命は何年なのか

住宅設備に寿命があるように配管にも寿命があり、20~30年程度と言われています。マンションによって金属製や塩ビ製など素材は異なりますが、現在一般的なマンションで使用されているものであれば、寿命の目安は変わりません。

しっかりと施工がなされた鉄筋コンクリートのマンション建物自体は、物理的には100年を超える寿命があると言われています。一方で毎日使われる配管設備は建物よりも寿命が短いことになりますから、適切な時期に必ず修繕をする必要があります。

【2】配管交換は誰がどのように行うのか

2-1.責任は売主?それとも買主?

配管に不具合があって交換が必要になった場合、瑕疵担保責任によって責任の所在が左右されます。瑕疵担保責任とは、購入者が引き渡し後住んでから重大な欠陥があることが発覚した場合、売主に損害賠償を請求できるという制度です。

売買契約の際に、売り主が瑕疵担保責任を負うかどうか、またその対象期間はどの程度なのかを事前にしっかり確認しておくことが重要です。

2-2.共有部分と専有部分

マンションの配管には以下のような種類があります。

  • 給水に関わるもの…給水管・給湯管
  • 排水に関わるもの…雑排水管・汚水管
  • ガス管

このうち専有部分にあるのは給湯管で、その他は共有部分と専有部分両方に通っています。共有部分にある配管は一般的な寿命を考慮し、マンションで計画された長期修繕計画によって補修・交換が行われます。

専有部分に関しては、上記の瑕疵担保責任の範囲でなければ自己負担になるのが基本です。

2-2.配管の交換方法

では、配管を交換をするにはどのような方法があるのでしょうか。

専有部分に関しては、マンションの配管構造が大きく関わります。床スラブ(構造躯体コンクリート)を貫いている「床スラブ貫通配管」タイプ、床スラブの上に配管が通っている「床スラブ上配管」タイプに大きく分かれ、交換の工事が大変なのは「床スラブ貫通配管」の構造です。

配管が通っているのが共用部分にあたるので、原則として勝手に交換することができないのです。また、工事をするとしてもかなり大掛かりなものとなります。そのため交換をせずに高圧洗浄のみでメンテナンスを行うケースも多く見られます。

「床スラブ上配管」は共用部分の躯体にかからないため、自由に交換可能です。床下にあるために床は剥がさなければいけませんが、必ず寿命が来ることを考えると、リフォームやリノベーションの際に一緒に交換してしまうのが効率的です。

マンションの共用部分の配管が通っているのは、「PS(パイプスペース)」と表記された配管スペースが該当します。寿命がきた配管は

  • PS部分の配管を交換する
  • 新しく配管ルートを作る

のいずれかで対応するケースがほとんどです。

【3】配管交換の工事費用の目安

3-1.専有部分

一般的に、配管の交換費用は30万円程度が目安と言われます。しかし交換工事に伴って床や壁を解体し、直すためにも大工工事や内装工事が必要です。そのためトータルでの工事費用は50万円から100万円が目安となります。

3-2.コスパのよい配管

工事をするにあたり、配管にも種類があるのを押さえておきましょう。

一般的に給水管に使用されているのは白鋼管・ライニング鋼管・塩ビ管の3種類に分かれます。特にライニング鋼管は、耐久性や耐食性が優れている上にコストも低いのが特徴です。

3-3.配管交換はリフォーム・リノベーションと同時に

寿命の近い配管を交換した方が良いのはわかっていても、床や壁を壊して配管工事だけをするのは効率が悪く、工事費がかさんでしまいます。

そこで、中古マンションの場合は特に、他の部分のリフォームやリノベーションを行う際に同時に配管交換するケースも多く見られます。効率的なのはもちろん、せっかくリフォームやリノベーションをしたのに、配管工事のために再び床や壁を壊すことになった…という事態も防げるからです。

一般的に共用部分も専有部分も配管交換は同時に行った方が良いとされているため、マンションの修繕計画に合わせたリノベーションを検討するのもオススメです。

【4】安心性のある配管を見分けるには?

4-1.点検口があると好ましい

物件を購入する際に、点検口があるかどうかをチェックしてみましょう。点検口があれば、寿命が来る前でも、何かトラブルがあった際に素早く適切な処置が可能です。点検口があるかどうかで長持ちする家を作ろうとする意識が作り手にあるかどうかもチェックできます。

一方、最初から「リノベーションで配管交換する」と最初から計画している場合は、点検口の有無はそれほど気にしなくても良いでしょう。

4-2.しっかりとした修繕履歴と修繕計画がある

配管の状態を含め、長く住み続けても安心な住宅であることを見極めるポイントは、長期・短期の修繕計画とそれが適切に行われた修繕履歴があるかどうかです。

どんなに立派なマンションでも、適切なメンテナンスがなされていないとマンションの寿命を縮めてしまう原因となります。1960年代から70年代に建築ラッシュで建てられたマンションは、修繕計画自体が無かったり、適切なメンテナンスが行われていない例もあります。

物件選びの際にはぜひこれらにも注目して、確認をしておくことをおすすめします。

まとめ

躯体よりも寿命が短い配管は、体でいう血管のようなもの。暮らしには欠かせない重要なパーツです。構造によって適切な交換工事ができない場合もあるため、中古マンションを購入する際には工事ができるかどうかも確認しておくといいでしょう。

気に入った住まいに長く安心して住み続けることができるよう、見えない部分や共用部分の修繕計画をしっかりとチェックしておくのが大切です。

毎週末開催!小さいリスクで家を買う方法

ゼロリノベ空間事例

■100年マンションの見分けかた■家の買いどき、たった1つのタイミングとは?■あなたが借りられる住宅ローンはいくらまで?■もしものときに安心な「資産性のある家」の探しかた■あなただけの掘り出し物件が見つかる魔法のシート■将来売る?貸す?ずっと住む?目的別の家の選びかた■愛せるインテリアを予算内で揃えるには?■あなたのイメージするリノベ工事、本当はいくら?…■このほかに「未公開物件」や「設計事例」のお話も盛りあがります。【主催】ゼロリノベ(株式会社grooveagent)