マンションの建替え問題、これから買う人はどう選べば安心できる?

マンションの建替え問題

マンションの建替え問題が世間では騒がれています。これから購入する人たちも、建替えの問題に巻き込まれてしまうのでしょうか。実は、そうなりにくいマンションもあります。建替えの今後や、建替えられない築古マンションの最後、そしてマンションの選び方についてご説明します。

1.マンションの最後はパターンが4つ

マンションの建替え実施状況

中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイントでも触れていますが、マンションの最後には、大きく分けて、4つの終わり方があります。

1:建替
2:更地後に売却して残ったお金を分配
3:企業などに売却して企業が別の用途として再利用
4:放置

ただし、1〜3の選択肢を選ぶには、所有者の4/5以上の賛成が必要になります。上の図は、平成25年に国土交通省が発表しているマンションの建替え実施状況の資料です。建替え準備中も含め、230件程度となっており、平成29年現在、築50年超のマンションが全国で5万戸に達しているとも言われています。また、震度7の大地震にも耐えると考えられている現在の耐震基準が定められる前に建築された、いわゆる「旧耐震」のマンションは全国に106万戸存在します。

これらのことから、現状だと、建替えが実施される可能性がほとんどのマンションに存在しないことがわかります。次項は、なぜここまで建替えのハードルが高いのかについてご説明します。

2.マンションの建替え費用負担と4/5以上の賛成という大きな問題

建物の最後

マンションの建替え費用が重い

マンションの建替えに必要な費用は、一戸あたり、およそ2000万円程度かかると言われています。

RC造の建物を解体するのにかかる費用は坪あたり5~8万円(1.5~2.4万円/㎡)が目安なので、60㎡で90~216万円必要です。また、建築費用はどこまでハイクオリティにするかによって大きく変わりますが、坪あたり100万円(30万円/㎡)とすると、60㎡で1,800万円です。これとは別に、引っ越し費用などを入れて、総額で2,000万円程度は考えておく必要があります。

マンションの建替え費用無料は奇跡

建替えられたマンションの事例を見ると、一戸あたり2000万円どころか、所有者の負担ゼロで行われているものも存在します。こういったマンションは、敷地面積が余っていて、今のマンションより戸数を増やして販売し、その利益でもって、建替えを行った例です。実際に建替え負担がゼロか、かなり小額に納められたからこそ、所有者の4/5の賛成が得られたとも言えます。

4/5以上の賛成の難易度

確かに4/5以上は難易度が高いと思われるかもしれません。実際に数字だけを見ても高いと言えます。しかし、マンション住人の中には、老人も暮らしています。今の暮らしを変えたくないというのが本音と言えます。今のままでも住めるし、建替える間の費用もかかること、そして自分の寿命など、あらゆる面で賛成しにくい立場にあります。

これらの理由から、多くのマンションは合意を得られず、建替えまで20年以上かかったケースも存在します。
その上で、建替えの可能性が高いマンションの特徴を次項でお伝えします。
 

3.建替えられないマンションはどうなる?

鉄筋コンクリート

現在でも、入居者の高齢化、空き家、スラム化など、築古のマンションは問題とされていますが、その最後はどうなっていくか。これに関しての答えはありません。しかし、予測はあります。

築古のマンションの場合、いずれは、住人が減っていきます。すると、管理費や修繕積立金を貯めるのも難しくなっていきます。最後には事実上管理自体がされなくなっていくでしょう。

そうなると、マンションは老朽化の一途をたどります。
周りが開けた土地でもない限り、ある日突然、倒壊する恐れのあるマンションは、行政としては見過ごせません。近隣住民への危険も考えると、マンション住民の強制退去、そしてマンションの解体となる可能性がとても高いと思われます。

その場合の金銭面に関してどうなるかはこれからの行政次第となりますが、退去者の負担にならないように、補助金等の措置が取られる可能性が高いと予測されます。しかし、どちらにしろ、建替えが行われようと、行われなかろうと、そのマンションから、最後は出ることになる可能性が高いでしょう。

4.建替えしやすいマンションの特徴は?

ビンテージなマンション

実際問題として、建替えがしやすいマンションというのはどういったマンションなのか、見ていきます。しかし、今までお伝えした内容から、多くの方もわかっているかと思います。それは、敷地面積が余っていて、人が住みたいと思える好立地に建っているマンションです。

敷地面積は、建替えをする場合の資金面を助けてくれます。今よりも戸数の多いマンションを建てれば、負担が少なくなります。そして、好立地に建っていること。これは、駅からの距離、また、その駅近辺の人気度にも関わりますが、いくら敷地が余っていても、買う人のいないエリアである場合、建替えのメリットはありません。

逆に、建替えではなく、土地の売却を分配する場合は、好立地であることが、そのまま土地の価値になるので、はずせないポイントとなります。マンションの解体費用を所有者で捻出し、更地にして土地を売り、新しい場所に移り住むということも考えられます。

この2つのポイントを備えているマンションは、建替え問題のトラブルは少ないと言えます。

そんなマンションは限られているのではないか?価格的に手がでないのではないか?そんな不安もあるかと思います。その不安はおそらく的中していて、実際問題として、好立地の場合、建ぺい率ギリギリのケースも多く見られます。そして、今の日本の法律が変更されない限り、建替えが可能になることもかなり時間と労力を費やすことになります。

では他に選択肢はないのかというと、もちろんあります。

5.長寿命マンションを選ぶことがベター

リノベとリフォーム

ここまでのお話の通り、建替えはかなりハードルが高い。そもそも、自分が暮らしているマンションの建替えについて、20年も協議していくのはストレスかと思います。そこで、選択肢として上がってくるのが、長寿命マンションです。

マンション寿命を延ばそう作戦

こういったマンションを選ぶ理由は、建替え問題に関わらないためです。建替えではなく、マンションの延命技術が伸びてきているため、多くのマンションは延命措置を取っていくと思われます。その中でも、長寿命となるマンションを選ぶことで、建替え問題と深く関わる可能性を抑えることができます。

中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイントでも触れていますが、鉄筋コンクリートの寿命というのはしっかりとした管理をされれば117年以上もつと言われています。そして、現在は、老朽化したマンションも世間で問題視されています。そういった状況下の中、マンションの寿命を延ばす技術が発展してきています。

例えば、三井不動産が老朽化したマンションオーナーに提案した工事として、リファニング工事というものがあります。これは、既存の間取りを解体して、新しい構造を入れたり、鉄筋を保護することで、マンションの寿命を50年ほど延ばせる技術と言われています。

この場合、例えば30歳男性が築30年のマンションを購入し、30年後にこういった工事をすることを考えると、
60歳の男性に対し、50年寿命が延びたマンションとなります。

もちろん、購入したマンションの寿命をなるべく伸ばすために、大規模修繕工事などをしっかりと行うことが前提となりますが、建替えのハードルが高いことを考えると、マンションの延命技術の発展が今後も考えられます。

6.長寿命マンションの見極め方

物件探し

先ほど出てきた通り、マンションの寿命を決めるのは管理状態です。そして、管理状態とは、しっかりと大規模修繕が行われてきたかどうかの、修繕履歴を見ることで確認することができます。

通常、大規模修繕は10年〜15年に一度行われます。既に建てられたマンションが布のようなもので囲われているのを見たことがあるでしょうか?あのように、マンションの外壁の修繕や防水処理を行います。

これらをおろそかにすると、タイルの隙間や屋上からコンクリートに水気が触れ、アルカリ性のコンクリートが中性に近づいて、中にある鉄筋が酸化、つまりサビてしまいます。サビは膨らむので、中からコンクリートを破壊してしまい、マンションの強度が落ちていきます。

こういったことがないように、大規模修繕を行うのですが、修繕積立金を最初に低く設定しすぎてお金が貯まっていなかったり、空き部屋が目立つような不便な場所に建てられたマンションなどは、単純な資金不足になっている所もあります。

大規模修繕は新築マンションであろうといつかは行われるものです。15年経てば、築15年の中古マンションです。管理が必要です。そういった意味で、逆説的ですが、新築マンションはどのように管理されていくか、これから決まるためリスクがあります。

反対に、築15年を経過したマンションは、一度は大規模修繕を行っているはずです。これをしっかり計画して実施したマンションはその後も同様にしっかり実施される可能性が高く長寿命になります。このようにしっかりと管理されてきたマンションは将来を見通すことができるので安心感があります。

物件価格の推移

また、経済的には築20年以降をおすすめします。なぜならマンションの資産価値は、新築時から急降下して20年前後は横ばいになるからです。つまり、20年以降は価値が下がりにくいと言えます。

よって、長寿命マンション(耐用)と資産価値の両面から見ると、一番おいしい中古マンションは築20年以降(築30年・築40年も含む)マンションです。

 

まとめ

マンションの建替えについてお伝えしてきましたが、まとめると、

マンション建替え実施実績は準備中も含め230件

建替え予算は敷地が余っていない場合、相場は2000万円
所有者の4/5が賛成しないと実施されないためハードルが高い
建替えなくても最後は強制退去の可能性あり

長寿命のマンションで安心して暮らす
これからはマンションの延命技術が伸びてくる
管理実績のある築20年以降(築30年・築40年を含む)マンションを選ぶ

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