2020.03.03 更新

中古マンションのリノベーションで後悔しない5大原則

理想の住まいを実現するためのリノベーション。できることなら後悔のないようにしたいですよね。実は、リノベーションで後悔する原因はいくつかに大別できます。そこで今回は、リノベーションする前に頭に入れおくべき後悔しないための5大原則をご紹介します。

Advisor

元銀行員 アドバイザー 鰭沼悟

[監修]宅地建物取引士/元銀行員

鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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リノベーションに使っていい予算

「リノベーションに費用をかけすぎてローンが苦しい」あるいは「中古マンションを買ってから業者を探してプランしたら、予算を超えてしまった」など、予算に関する後悔はよく耳にします。

本当に満足できる生活を実現するためにお金をかけるべきは、何も住まいだけではありません。理想の住まいを実現するためだからとお金をかけすぎてしまうと、「こんなはずではなかった」ということになりかねません。経済状態をきちんと把握し、自分に見合った予算を立てることはリノベーションにおける生命線とも言えるでしょう。

特に中古マンションを購入してリノベーションする場合は、信頼できるファイナンシャルプランナーにライフプランを作成してもらうと良いでしょう。

リノベーションやリフォーム会社によっては、予算をオーバーしていても費用を上げようとしてくる場合があります。自分たちで予算のハンドリングをしっかりとするためにも、「使える金額」を明確にすることが重要なのです。詳しくは自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順を参考にしてみてください。

また、予算を超過しないコツとしては、まずリノベーションやリフォームの見積もりをしてから物件探しをするという手順が有効です。平米あたりのリノベーション費用が提示されている会社を参考にて費用を計算したり、仲介とリノベーションのどちらも請け負っているワンストップ型の会社に予算を伝えて進めていく方法などもあります。

中古マンションのリノベーションでは住宅ローンとリフォームローンを利用することになりますが、これらをまとめて借りるローンを利用するのも予算を抑えるための一つの手段です。ローンを検討する場合はリノベーションのローンを迷わず選ぶ方法とオススメ銀行5選をご確認ください。

寒・暖・音の快適性

実際に暮らしてみないとわからない部分もあります。「暮らしてみたら夏は暑くて冬は寒い」「結露やカビがひどい」など家の寒暖に関わることや、「近隣の音や道路がうるさい」「子供のはしゃぐ音で隣人に迷惑をかけていないか心配」などの騒音に関わる部分です。いずれも見過ごすと、暮らしの快適性を大きく損なうことになります。

2-1.寒暖の後悔

実はマンションの場合は部屋の位置によって、寒暖の影響に大きく差が出ます。1階や角部屋、最上階など、外気に面する壁面積が大きい部屋ほど、外の気温の影響を受けやすいのです。

これらを解決する方法の一つとして、断熱リフォームがあります。特に窓のリフォームは効果的で、費用も他の箇所の断熱リフォームに比べてリーズナブル。おまけに窓断熱は結露などを防ぐ効果もあるのでおすすめです。

また、部屋を完全に仕切らずゆるやかにつなげておくことで、空気が循環し結露やカビを防ぐ効果が期待できます。特にカビが生えやすい部屋は、漆喰や珪藻土など調湿効果のある素材を壁などに使うことで、その影響を抑えることができるでしょう。

詳しくは、断熱リノベーションのコツ!床暖房より窓断熱を優先すべき2つの理由をご確認ください。

2-2.音の後悔

「音」に関する問題は、ご近所とのトラブルにもなりかねないため、これからマンションを購入予定の人にとっては大きな懸念要因の一つではないでしょうか。

実際に住んでみて音の問題に気づいた場合は、防音リフォームをすることによって、ある程度解決できます。防音リフォームは気になる音の種類によって、壁、床・天井、窓に分けられます。

壁の防音リフォームに適しているのは、人の話し声やテレビなどの音が気になる場合です。隣の部屋との間の壁に遮音シートや吸音材を挟めば、生活音を聞こえにくくすることが可能です。

上の階の足音が気になっているのなら、天井のクロスの下地に防音性の高いボードや防音シートを施します。逆に自分の部屋の足音が階下の部屋に影響しているようなら、床材を遮音性能の高いものに変えることを検討すると良いでしょう。

自動車や電車、喧騒などの外の音が気になる場合は、内窓を設置して二重窓にするのが効果的です。マンションの場合、備え付けの窓ガラスやサッシは勝手に変えることができませんが、二重窓にすることは可能です。

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間取り・テイスト

リフォームやリノベーションをする際に、水回りが動かせない、希望の床材が使えない、好みの空間を設計士にうまく伝えられないといったことが原因で、「間取りやテイストを思っていたように変更できなかった」という声も少なくありません。

3-1.間取りが変えられない

間取りを変更したいと思っているのなら、まず確認しておくべきはマンションの管理規約です。間取りの大幅な変更を許可していないマンションもあるので、リノベーションやリフォーム計画がある場合は管理規約を確認しておきましょう。

次に、マンションの構造がラーメン構造と壁式構造のどちらに当たるかも確認しましょう。ラーメン構造は、柱や梁などのフレームによって構成されています。「ラーメン」はドイツ語で「枠」を意味しており、柱や梁といった線を接合していく構造です。一方、壁式構造とは、壁・床・天井といった面から構成される構造です。

ラーメン構造は壁を必要としないため、間取りの変更をしやすい構造です。一方壁式構造は壁が建物の躯体となっている構造上、壁を取り除くなど大幅な変更ができません。よって、間取りや部屋のテイストに変更を加えたいなら、ラーメン構造のマンションを選ぶのもポイントです。

3-2.水回りの移動ができない

水回りの移動は、給水や排水の関係で大きく動かせなかったり、管理規約で制約が設けられていることもあるため、事前に確認しておく必要があります。

水回りの中でも、キッチンに変更を加えたいと思っている人は多いのではないでしょうか。人気のアイランドキッチンやペニンシュラ型キッチン、ウォール型L字キッチンなど、キッチンの間取りにはさまざまなタイプがあります、自分がどのようなキッチンを理想としているのかを明確にして、希望の変更を加えられるマンションであるかチェックしておきましょう。

3-3.フローリングが敷けない

マンションでは、やはり管理規約で床材の遮音等級を設けていることが多いです。遮音等級とは、マンションにおける上階の床で発生した音が下階にどの程度影響するかを評価した値です。設定された遮音等級の要件を満たさないフローリングは承認されないため、注意が必要です。また、フローリング自体を禁止しているマンションもあるためしっかりと確認しておきましょう。

3-4.設計士とうまくやりとりできない

自分の理想とする完成図を設計士に正確に伝えるのは意外と難しいものです。しかし今の時代、ピンタレストやインスタグラムなど、住宅イメージを探すのは素人でも簡単です。それらの画像を共有したり、雑誌で気に入ったページを打ち合わせに持参するのも効果的です。

美容院で髪を切ってもらう時と同じく、口頭で説明するよりもイメージが湧くものを持っていくことで、設計士とのやりとりもスムーズになります。

配管の問題

中古マンションを購入する際に見落としがちなのが、配管などの目に目えない部分です。配管は年月が経過するとともにダメージを受け、最悪の場合水漏れなどのトラブルが発生します。
マンションの建物自体の寿命は長くても、配管自体はもっと早く寿命を迎えることになるので、適切な時期に修繕工事をしておく必要があるのです。

配管にはいくつか種類があり、錆びやすさや寿命もそれぞれ異なります。古いマンションだから配管が老朽化しているとは一概に言えませんし、築浅のマンションでも今後適切に配管を交換してくれるとは限りません。では、どのようにして配管が安心なマンションを見分けるのでしょうか。

まず、点検口があるかチェックしましょう。点検口が設置してあるマンションは、配管に問題が見つかった際に素早く対処することができます。逆に言えば点検口をきちんと備えているマンションは、長持ちで安心して住める家を作ろうという意識があると考えられます。

次に、きちんとした修繕履歴と修繕計画があるかどうかも確認しておきましょう。短期・長期にわたる修繕計画と、その計画に基づく履歴があれば、配管状態を含め、長く住み続けられる住宅であると考えられます。また、適切なメンテナンスがなされていれば長持ちするマンションになり得ると考えられますので、定期的にメンテナンスをしていることは物件選びのチェックポイントとして挙げることができます。

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優先順位を明確にすることがポイント

ここまでご紹介した事項は、各家庭によって優先順位が異なります。また、マンションの状況も考慮する必要があるため、一度懸念事項を洗い出してみましょう。

予算によって全ての問題を完全に解決することは難しくても、懸念事項の優先順位をつけていくことで、より納得度の高いリノベーションに近づくことができます。

まとめ

リノベーション後に後悔すると言われる要因と、リノベーションを検討するためのポイントをご紹介しました。これらを頭に入れながら、快適な環境で暮らせる理想の住まいを実現してみてください。

なお、リノベーション会社の選び方については、自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順をご確認ください。

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