DIY好き?コスト重視?目的別に叶えるセルフリノベーション

セルフリノベーションも取り入れた事例

近年、ブームとなっているDIY。住まいのちょっとした塗装、部品の交換ならDIYでやってしまう、という方も多いでしょう。自分で工夫をして住まいにぴったりのモノを作り上げるのは楽しいものです。

そんなDIYの延長で、セルフリノベーションに挑戦する方も増えています。普通ならプロにお願いする住まいの改修を、自分で行うというものです。

このセルフリノベーション、そもそもどんな範囲のリノベーションを指すのでしょうか。また、自分で住まいに手を加える際の注意点や上手く仕上げるコツも気になる点です。

本記事では、DIYが好きなのか、それともコストを重視したいのか、そんな目的別のセルフリノベーションの方法も含め、セルフリノベーションの概要をご紹介します。

【1】セルフリノベーションとは

はじめに、セルフリノベーションは一体どんな工程を指すのかを定義してみましょう。通常、大工さんや工務店など、プロの業者にリノベーションをお任せすると、その工程は3つの段階に分かれます。

  • 設計
  • 施工
  • 仕上げ

まずはどんな間取りやデザインにするのかを設計し、実際に建材など素材を準備して施工が行われます。さらに該当部位に塗装をしたり、壁紙、タイルなどを張り仕上げが施されて完成です。

セルフリノベーションは、これらの工程すべてを自分で行うものと言えます。

【2】セルフリノベーションの良い点、悪い点

例えば自分で床を張り替えるとしたら、まず「手間暇がかかりそう」と想像できます。その一方で、自分の好きな床材を選べたり、業者にお願いするよりリーズナブルかも、と期待もするはずです。

では実際のところ、セルフリノベーションのメリットとデメリットはどんな部分なのでしょうか。一つずつ詳しく見ていきましょう。

<メリット>

施工の技術や知識が身につく

DIYを行うには相応の知識と技術が必要です。素材の特性、工具の扱い方、そして施工をどう計画したらいいのか。試行錯誤を繰り返すことで、自分自身の成長を感じられるでしょう。

必要な費用は材料費のみ

業者にお願いした場合は、人件費が必要です。大掛かりな工事であれば、設計費などもかかってくるでしょう。セルフリノベーションなら必要なのは材料費だけなので、数十万円単位で節約できることもあります。

自分好みの空間ができる

なんと言っても、自分が思い描いた空間をそのまま反映できるのがセルフリノベーションの利点です。技術と知識が伴っている必要はありますが、間取りも建材も、自分の自由に設計できます。

<デメリット>

想像以上に時間がかかり、体力も必要

プロに任せれば、工事期間中は朝から夕方までずっと作業をしてくれますが、自分で行うとなればそうもいきません。日々の仕事をこなしながら、空いた時間や休日を利用してリノベーションをするのは思った以上に時間が必要です。施工内容にもよりますが、半年以上かかることも少なくありません。

重い建材を運び入れたり、ずっと屈んで作業をすることも想定されますから、体力も不可欠です。

一人ではこなせない作業もある

それなりに大規模な施工の場合は、一人では手が足りないかもしれません。何かを運んでもらう、建材を固定してもらといった部分で誰かの協力が必要になることがあります。

難易度が高い施工は不具合が出る可能性が高い

プロの業者は、住み続けても不具合がないように工事部位を完璧に仕上げてくれます。セルフリノベーションの場合、技術が稚拙だとうまく施工できない可能性があります。キッチンが水漏れしてしまった、床がきしんでしまった、壁紙にシワが寄ってしまったなど、思わぬ不具合が発生するかもしれません。

【3】セルフリノベーションするときの注意点

住まいの種類や施工内容によっては、セルフリノベーションできない部分も出てくるので注意が必要です。

3-1.賃貸の注意点

賃貸の場合、大前提として退去時に原状回復をしなければならないということを頭に入れておきましょう。壁や床はもちろん設備についても、必ず元に戻せる形でリノベーションしなければなりません。大家さんにも必ずリノベーションすることを報告しましょう。

3-2.古民家の注意点

古民家の場合は柱や床が腐食しているケースがあるため、耐震性が心配です。見た目をキレイにするリノベーションならDIYでも問題ありませんが、耐震補強は素人にはかなり難易度が高くなります。プロに協力してもらった方が無難でしょう。

3-3.戸建とマンションの違い

戸建とマンションの違いは管理規約と、共有部分・専有部分の区別の有無です。マンションは管理規約によってリノベーションできる内容が決まっていることがあります。また、共有部分にあたる玄関ドアやバルコニーなどは変更できません。

その点戸建は自分の自由に変更できますが、構造上壊せない壁や抜けない柱が存在します。セルフリノベーションで間取りを変更するのは耐震性の面で危険ですから、必ずプロに相談しましょう。

3-4.資格の注意点

電気工事、ガス工事、水道工事はそれぞれ資格を持っていないと施工できません。「自分でできそうだから」とうかつに工事をすると違法になります。

【4】DIYで床・壁・天井・キッチンを自分好みにできる?

セルフリノベーションを取り入れた事例

部位ごとにDIYのポイントは異なりますから、ここでは簡単に概要をご紹介します。詳しい内容は部位別の記事で確認してみてください。

4-1.床

床のリノベーションに必要な材料は基本的にホームセンターですべて揃います。現状の床の上から簡単に重ね張りできるものなら、賃貸でも問題なく使えるでしょう。

ただし、元の床材を剥がして新しい床材を張る場合は難易度が高くなります。シロアリの被害がひどい、下地の傷みがひどいといった場合はプロに任せてしまった方が安心です。

>>参考:DIYで実現する床の張替えリノベーション!【リビング・浴室・キッチン編】
>>参考:【5分で読める】床の簡単リノベーション!種類と費用をシンプル解説

4-2.壁

壁は床と違い建材を剥がす必要はないため、DIYでリノベーションする方も多い部位です。珪藻土や漆喰など左官素材を使うのは難易度が高くなりますが、壁紙として使用できるインテリア用のマスキングテープなどなら、かなり手軽にリノベーションを楽しめます。

>>参考:壁紙リノベーションの値段相場とおすすめクロス5種類をご紹介!

4-3 天井

天井も基本的に壁と同じくクロスの張り替えができる部分ではありますが、高さがあるのでしっかりとした足場を組む必要があり、人手も必要です。どちらかといえば中級者以上向けの施工になるでしょう。

>>参考:天井リノベーション!こんなときどうする?5つの病状別で相場もスッキリ

4-4.キッチン

キッチンでDIYできるのは、装飾や収納、塗装、カウンターの取り付けなどインテリア回りの部分が主になります。本体そのものは配管や電気工事が必要なため、前述の通り資格が無いとセルフリノベーションはできません。

>>参考:【保存版】キッチンリノベーション完全マニュアル!費用も特徴も大公開

【5】セルフリノベーションのちょっとしたコツ

セルフリノベーションの様子

自分でリノベーションし始めてはみたものの、思ったより大変で挫折。途中からプロに依頼することになった…というケースがあります。せっかくリノベーションを始めるなら、最後まで自分でやりきって、満足のいく仕上がりにしたいものですよね。

そのためのコツはずばり、「準備を徹底すること」。

まずはどんな作業が必要なのか、どんな設計なら無理なく美しく仕上げられるのかを綿密に計画します。さらに必要な道具や材料、作業着、作業場の確保など、準備しておかなければならないものをすべて洗い出しましょう。

また、DIY初心者でも美しく施工するためには、多少面倒でも養生の手間は省かないこともポイントになります。

【6】セルフリノベーションのおすすめ情報

近年はDIYやセルフリノベーションがブームになっていることもあり、施工のアイデアや実際の作業動画をアップしているメディア、参考になる書籍がたくさんあります。

<DIYのアイデアや施工方法が見つかるメディア>

DIY FACTORY COLUMN

DIYの方法だけでなく、便利な工具や注目の素材、道具の使い方まで細かく知ることができます。

DIY RECIPE

カインズによる動画サイト。DIYの様子を動画で見ることができます。

DIY協会

一般社団法人DIY協会では、建材メーカーなどが発信しているさまざまなDIY情報を紹介しています。

RESTA DIY SHOP

壁、床、窓などをメインとしたDIYに必要な素材や道具を通販できるショップです。DIYに使える素材は数多くありますから、まずはどんな素材があるのかをチェックする際もおすすめです。

<参考書籍>

リノベーションでつくるカッコよくて心地いい家 (私のカントリー別冊 Come Home!HOUSING)

リノベーションの事例が抱負に掲載されています。施工はプロが行ったものですが、自分の理想の住まいのイメージが膨らむはずです。

暮らしの実用シリーズ 決定版 基本の日曜大工 (暮らしの実用シリーズ DIY)

のこぎりの使い方など、基礎の基礎から学ぶことができる初心者の方におすすめの一冊です。リビングやキッチン、洗面所など部位別にメンテナンス方法やDIY方法を知ることができます。

壁・床・天井がかっこよく変わる! DIYで部屋リノベーションする本 (Gakken Mook)

こちらはまさしくセルフリノベーションの書籍です。リノベーションプランの立て方、DIYのテクニックを学べます。

【7】DIYが好き?それともコストを抑えたい?

実際にセルフリノベーションを実行すると決めたのなら、一度目的を考えてみると、どんなふうにプランを練ったらいいのかが見えてきます。

一つは、DIYが好きだから、自分で作ること自体を目的とするパターン。

その場合は、自分でできるところはとことん作り込んで、どうしてもできない箇所はプロに任せるのがおすすめです。どんな空間にしようかプランを考えている時間はワクワクしますし、完成した空間はプロに任せただけでは得られない愛着が生まれて、一層暮らしが楽しくなるはずです。

一方、とにかくセルフリノベーションをすることでコストを抑えたいというのも立派な目的です。その場合は、セルフリノベーションにかかる手間と時間と、プロに任せたときの費用を天秤にかけて、どこまで自分でやるのか、そしてどこまでプロに任せるのかを検討しましょう。

自分でリノベーションすると、どうしても失敗のリスクがあります。後からやり直しになると最初からプロに頼んでおいたほうが安かった、ということもありえますから、妥協点を探るのがポイントになります。

まとめ

セルフリノベーションのメリットは、自分好みの空間を作れることや、費用を抑えられることです。一方で、手間暇と時間がかかり、技術が及ばずうまくいかないこともある点がデメリットです。

ただ、せっかくDIYするのであれば、できるだけ楽しみながら行いたいものです。本記事でご紹介した注意点に留意しながら、一度じっくりとプランを練ってみてはいかがでしょうか。

リノベ体験記:間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。

リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。