マンション売却の流れを契約後の確定申告まで全解説!

マンション売却の流れ

マンションを売りたいと思ったらどんなことに注意しながら、どのようなステップを踏んで作業を進めていけばいいのでしょうか。

これまで不動産を売却した経験がなければ、「マンション売却の流れ」がわからないのも当然のことです。

そこでこの記事では、マンション売却に要する期間を把握することから始まり、不動産業者に依頼して「売り出し」を行い、買主と売買契約を結び、さらには確定申告するまでのプロセスを見ていくことにします。

マンション売却を考えているなら、まずここで説明する流れをしっかりと把握しておきましょう。


1.マンション売却の期間

マンションを売ろうと決めてから、売却の仲介をする不動産業者を決めるまでは通常1ヶ月ほどかかります。次にマンションの「売り出し」をして、買い手が見つかるまでは3~5ヶ月程です。

そして買い手が見つかってから売買契約を結び、引き渡しが完了するまでは1.5ヶ月ほどかかるのが一般的です。

つまり全体の期間としては、マンションを売ることを決めてから半年前後で売れるのが理想的と言えます。

もちろん、7ヶ月、8ヶ月経ってもなかなか買い手が現れないこともあります。その場合は価格を下げる、不動産業者を変えるなど何らかの対策が必要になってきます。ひとまずマンション売却における期間の目安は半年くらいと考えて計画を立てましょう。


2.住んでいるマンションの相場を調べる

マンションを売ると決めたら、まず相場を調べてみましょう。

相場を把握すれば、住宅ローンの残債がある場合の差引残高なども見当がつきます。また、この後に行う不動産業者による査定が妥当なものかどうかを判断する基準にもなります。

相場を知るには、インターネットを使って近隣の類似した物件の取引価格を調べるのが便利です。「レインズマーケットインフォメーション」「土地総合情報システム」で検索してみましょう。

また不動産業者のWebサイトを見て、近隣の物件が実際に今いくらで売りに出ているのかを調べるのも参考になります。


3.不動産業者に査定を依頼する

次は不動産業者を選ぶステップへと進みます。

業者選びは複数の不動産業者にマンションの価格査定を依頼し、その結果を比較検討して決めるのが一般的です。査定依頼は不動産業者のWebサイトから問い合わせる他、直接不動産業者に足を運ぶ方法もあります。

全国に支店を持つような大手の不動産業者はその会社のネットワークを駆使した販売活動が期待でき、買い手に関する情報も多く所有しています。

一方、地域密着型の地元の不動産業者はそのエリアの事情に詳しく、地元ならではの販売ノウハウを蓄積しています。

どちらを選ぶべきかは立地を含めた物件の条件によって異なりますから、迷ったら両者に査定を依頼し、販売戦略などについて話を聞いてみるのがいいでしょう。

また、最近はネットから複数の不動産業者に査定を依頼できる「一括査定」サービスもよく目にします。しかし、一括査定は一度個人情報を送信すると10社近くもの業者から一斉に営業電話がかかってきます。提示される査定価格は必ずしも正確ではないという利用者の声もあり、あまりおすすめできません。


不動産業者と媒介契約を結ぶ

マンションの売却活動を不動産業者に依頼するには、その不動産業者と「媒介契約」を結ばなくてはなりません。媒介契約には以下の3種類があります。

4-1.一般媒介契約

同時に複数の不動産業者へ売却の依頼をすることができ、レインズ(指定流通機構)への登録義務や契約期間の制限がない、最も緩やかな契約です。

4-2.専任媒介契約

最長3ヶ月は他の不動産業者へ売却の依頼をすることができず、レインズへの登録義務があり、代わりに14日に1回以上業者が販売状況報告をすることが定められている契約です。

4-3.専属専任媒介契約

最長3ヶ月は他の不動産業者へ売却の依頼をすることができず、売主が自分で買主を探すこと(自己発見取引)も不可とされ、レインズへの登録義務があり、代わりに7日に1回以上業者が販売状況報告をすることが定められています。

最も縛りが強いのですが、その分、1社が責任を持って販売活動を行うという性格の契約です。

不動産業者と媒介契約を結ぶ際は、実態と異なる査定価格を提示されていないか、上記の契約の種類と内容について十分な説明があるか、「専属専任媒介契約」を強要されていないか…といった点に注意を払う必要があります。売主に不利益をもたらすような業者、曖昧な説明を繰り返すような業者と契約することは避けましょう。

また、どのような方法でマンションを販売するつもりか、どこがその物件のアピールポイントと考えているかといった販売戦略についてもヒアリングし、具体的内容を確認することが重要です。


5.売り出し、レインズやポータルサイトの活用

不動産業者と媒介契約を結び、売却を依頼すると、いよいよマンションの「売り出し」がスタートします。

売り出し価格は、すぐに売却して現金化したいといった事情がなければ、不動産業者が提示した査定価格よりやや高めに設定するのが一般的です。とはいえあまり強気の価格設定をするとなかなか買い手がつかず、その状態が続けば売れ残っているイメージがつきます。相場より5%程度高く設定するといいでしょう。

なお、売り出し後に買い手からの反響が薄かった場合、細かく売り出し価格を値下げしていくのは得策とは言えません。購入希望者に「もっと値下がりするのでは?」と思われてしまうためです。価格改定時は思いきって大幅値下げする方が売れる確率が高くなると言われます。

売り出しに際しては、不動産業界内のコンピュータネットワークであるレインズに登録すると多くの不動産業者へ情報が行き渡ります。また不動産情報のポータルサイトへの情報掲載、新聞折込やポスティング用のチラシによる広告活動も積極的に行いたいところです。


6.内覧者にいい印象を持ってもらうために

購入希望者が現れると、次に内覧の依頼を受けます。内覧は購入の決め手ともなるものなので非常に重要です。

いつ内覧者が訪れてもいいように、事前に室内の整理整頓や掃除を済ませておきましょう。特に玄関、キッチン、リビング、トイレ・バスなどはチェックされるポイントです。内覧当日はスリッパなどを用意する、質問に誠意を持って答える、笑顔を心がけるなど、気持ち良く見てもらうための丁寧な応対を心がけてください。


7.購入申込

内覧者が購入する決断をすれば、後日、購入申込書(買付証明書)が提出されます。この申込書には買う側の希望価格が記されています。多くの場合、売り出し価格より安い金額が書かれており、それをもとに価格交渉に入ることになります。そのため売り出し価格には最初からその分を見越した金額を上乗せしておくケースもあります。

ただし、購入申込書は買う側の意思を示すもので、法的拘束力などはありません。必ず契約に至るわけではないので、キャンセルされる前に素早くスムーズに交渉に入ることを意識しましょう。


8.売買契約

価格交渉を経て売主と買主の双方が合意に至り、引渡し日などの条件がまとまると、両者による売買契約を交わす段階へと進みます。

売買契約は売主、買主、不動産業者の担当者が集まり、売買契約書にサインをすることで行われます。売買契約書には手付金の金額やキャンセルについてなど重要な情報が記載されています。当日その場で全てをチェックするのは難しいので、事前に書面を確認しておきましょう。


9.決済と引き渡し

売買契約を結んだあと、買主の住宅ローンの審査結果が出るには2週間~1ヶ月程度かかります。審査が通れば決済を行い、その後、引き渡しとなります。

決済は通常、売主、買主、不動産業者担当者のほか、司法書士なども立ち会って、銀行で執り行います。売却するマンションに売主の住宅ローンの残債があれば、その場で売却代金から残債の一括返済を行います。

引き渡しも多くの場合、決済と同日に行われます。決済後、司法書士が法務局に向かい、不動産登記をします。そして鍵を渡すと、引き渡し完了です。


10.確定申告

マンション売却後は、翌年の2月16日~3月15日の申告期間中に確定申告を行います。

売却益を得た場合は譲渡所得税を納めるための申告が義務づけられています。ただ、居住用マンションを売ったのであれば特別控除などの優遇措置があるので、多くのケースで無税となります。

逆に、売却損が出た場合は税法上、確定申告する義務は生じません。しかし、要件を満たしていれば確定申告をすることで給与などの所得と損益通算し、税金を安く抑えることができます。通常は確定申告をした方がいいでしょう。


まとめ

約半年をかけてマンションを売却するためのプロセスは以上のようになります。特に不動産業者への査定依頼から媒介契約、売り出し、内覧への流れは、売却をスムーズに進める上でしっかり押さえておきたいポイントです。

また、売買契約を結んだあとでトラブルに巻き込まれることがないよう、売買契約書の内容は熟読して確認してください。またその後の決済と引き渡し、確定申告も確実にこなしましょう。

単に不動産業者の指示に従うだけでなく、売主自身がこうした流れを知っておけば、明確なビジョンを持ちながら、計画的にマンションを売却することができるでしょう。

リノベ体験記:間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。

リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。