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マンションを頭金なしで購入することは可能です。
住宅ローンに不利になるという話もネットにはありますが、現在の住宅ローンの審査は頭金のあるなしよりも、収入に対する返済比率や社会的信用、購入物件の条件などの比重が高いため一概に言えるものではありません。
結論から言えば、自分にとって適切なローンの借入金額を把握しているならば、頭金ゼロで購入しても構わないでしょう。一番問題なのは、使っていい予算を超えてしまっている場合です。
この記事では、頭金なしの適切なローン金額や借入額が予算を超えたときに起こり得る最悪のケース、貯金か即購入どちらがおすすめかなどについてお伝えしていきます。
目次
【1】 頭金なしのマンション購入で安心な金額を年収別で確認
そもそもマイホームを購入する際には物件価格の2~3割程度の頭金が必要というのが定説ですが、頭金がなければ銀行が融資してくれなかったのは金利が今よりずっと高かった20年ほど前の話です。現在は頭金がなくても住宅ローンを組むことが可能です。
しかし、頭金なしでもローンを組めてしまうからこそ、返済比率をしっかりと考えておく必要があります。
返済比率とは、額面年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合です。返済比率=年間返済額÷額面年収×100で求めることができます。無理のない返済を計画するなら、返済比率を20%以内に収めるようにしたいところです。
額面年収700万円の人が年間返済額140万円で住宅ローンを組んだ場合、返済比率は20%です。
この人の手取り年収はボーナスを除いて480万円ほどだとします。年間返済額の140万円を実際の手取り年収で割ると約30%になるので、大雑把ですが月々の手取りの約3分の1を住宅ローンの返済に充てているということになります。
一般的に住居費(家賃)の目安は給与の手取り3分の1程度が適正と言われているので、無理のない返済額に収まっていると言えるでしょう。
ただし、人によって無理なく返せる額は異なります。自分たちで判断できない場合はファイナンシャルプランナーへ相談することをおすすめします。
1-1. 頭金なしのマンション購入で不利な点は?
頭金なしで住宅ローンを組む場合、審査の際に印象が若干悪くなり、審査に通りにくくなる可能性はゼロではありません。ただし、冒頭でも述べたとおり審査は社会的信用や購入物件にも大きく左右されるので、一概に不利になるとは言えません。
確実なのは、頭金がない分返済額が多くなるということです。
今は無理なく返済できたとしても、今後金利が上昇すれば、借入額が多い分影響も大きくなることは想定しておかなければなりません。
フラット35に関しては頭金を1割用意することで金利が優遇されますが、頭金なしだとその優遇を受けることができない明確なデメリットも存在します。
【2】 無理な住宅ローンで審査に通ってしまったら最悪どうなる?
では仮に、予算をオーバーしたローンを組むとどうなるのか考えてみましょう。なんとか返済していけるなら良いのですが、最悪の場合に起こり得るのは自己破産という末路です。
流れとしてはまず住宅ローンの支払いが滞り、銀行と提携している保証会社によって物件が差し押さえられます。
その後、競売にかけられた物件は安く売却され、債務者はそれでも残った住宅ローンの返済に追われます。その返済すら不可能になると、自己破産という最悪の展開が待ち受けているというわけです。
不動産競売流通協会では、上記のようにして競売にかけられた年間の物件数を確認できますが、もしかしたら思っているよりもずっと多い数の物件が競売にかけられていると感じるかもしれません。
ローンの支払いが難しくなったら自分で売却する方法もあるのではと思う人もいるかもしれませんが、住宅ローンが残っていると普通のルートで売ることができません。
さらに支払いが滞ると信用情報に記載され、ほかの金融機関からの借り入れができなくなったりクレジットカードを作れなくなる可能性もあります。
この時点でとれる手続きとしては、任意売却という方法があります。
競売は抵当権を持っている貸主側が裁判所を通して行うのに対し、債務者が自主的に行うのが任意売却です。債権者と交渉することで、ローンが残っていても物件を売却することができます。
任意売却の場合は物件の明け渡しの時期などを自分のタイミング決められたり、ある程度の価格交渉も可能であったりと競売に比べるとメリットが多くあります。
ただ、いずれにせよ残債があれば支払いは続けなければなりませんし、ブラックリストに載ってしまうことに変わりありません。
家は幸せな人生を送るための手段のはずですから、このような事態を避けるべきなのは言うまでもありません。
【3】 貯金をすべきか頭金なしで購入かどっち?
「今は頭金を出す余裕がないが、何年か貯金をして頭金を出して買った方がいいのかも」と思っている人も多いかもしれません。
頭金なしですぐに購入するのとではどちらがより賢い判断と言えるのでしょうか。
現在賃貸で暮らしているなら、頭金に充てるお金が貯まるまでの家賃がもったいないので頭金なしで購入するのがおすすめです。
しかし、実家暮らしや社宅に住んでいるなど、住居にかかる支払いが限られているなら、頭金を貯めた方が、より金額の高いローンに通る可能性があります。
ただし、健康リスクも考慮しておく必要があります。住宅ローンを組む際、ほとんどの金融機関が団体信用生命保険の加入を条件に掲げています。
例えば5年間賃貸に住んだまま頭金の貯金をしたのに、いざ購入となった時に病気にかかり、団体信用生命保険に加入できなくなってしまうという事態もあり得ます。
「家は、あなたが健康な時が買い時」というのも真実です。年齢が上がるにつれ、健康のリスクは高まっていくからです。
いずれにしても、現在の住居費や自分の年齢などを考慮し、無理のない購入をしましょう。
【4】 マンションを頭金なし諸費用なしで購入できるのか
頭金以外にも、家の購入にはお金がかかります。
仲介手数料や登記費用、ローン保証料などを諸費用と呼びますが、それらすべてを合わせると、物件価格の約8~10%になります。もし4,000万円の物件を購入予定なら、320~400万円程度です。
大きな出費になりますが、この諸費用をローンに含めて借り入れできる住宅ローンもあります。ネット銀行は諸費用も借り入れ可能なところが多いので、どうしても初期費用を抑えて物件を購入したい場合は選択肢として検討すると良いでしょう。
ただし、この場合も無理なローンを組むのは厳禁です。特に全く貯金がない人は、いったん立ち止まってください。
諸費用のほかにも、住宅を購入すると引っ越し費用や家具・家電代、引っ越しの挨拶周りの粗品代などさまざまなことにお金がかかりますし、住宅購入後も生活は続きます。
住宅購入に必要な金額の全容をきちんと把握しておき、生活に無理が出ないとわかった段階で購入に踏み切るべきです。
【5】 同じエリアでも中古+リノベなら3分の2の予算で住める
新築マンションの購入を考えた結果、無理のあるローン計画になってしまい悩んでいるのなら、中古マンションを検討してみてはどうでしょうか。新築マンションに比べて物件価格は半額程度になります。
中古物件の間取りや内装が理想とかけ離れているのなら、リノベーションをして間取りやキッチン、お風呂などを、自分の好きなようにアレンジもできます。リノベーションすることによって、物件の雰囲気はかなり変わります。興味がある方はぜひリノベーションでここまで変わる!ビフォーアフター10選の記事をチェックしてみてください。
リノベーションをしても同じエリアなら新築マンションよりも価格は安く抑えられます。好きなメーカーの設備やライフスタイルに合わせた間取りを取り入れて、自分好みの家に住むという選択肢もあることを覚えておきましょう。
まとめ
頭金がなくても住宅ローンを組むことは可能です。
しかしその際には、金利の優遇が受けられないのなどデメリットがあることも把握しておく必要があります。頭金なしですぐに購入するか、貯金をして頭金を出して購入するか迷っているのなら健康リスクも考慮してみましょう。
また、同じエリアでも中古マンションなら新築マンションよりもお得な価格で購入できるので、中古マンションをリノベーションするという選択も視野に入れてみてください。
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