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中古マンション購入失敗の「取り返しのつかなさ」をレベルごとにまとめました。
マンションの専有部分、つまり住居部分については、たとえ失敗したとしてもお金で解決できる部分を多く含みます。
逆に、個人のお金でどうにもできない部分で失敗すると、どうすることもできません。物件を探し始める前に必ずチェックしておきましょう。
目次
【1】レベル5:予算オーバーの失敗は自己破産ルート
気に入った物件があっても価格が予算をオーバーしていたとしたら、最も危険な失敗につながります。
無理をして購入した結果として住宅ローンの支払いが滞るようなことがあると、せっかく購入した物件を売り払わなければならないからです。
最悪の場合はローンを組んだ金融機関によって物件が差し押さえられ、相場以下の安価で競売にかけられてしまいます。そして、家を手放してもなおローン残債があると、自己破産の可能性が高くなります。
不動産競売流通協会では上記のように競売数を確認できます。
人間「自分は大丈夫だろう」と思いがちですが、会社が倒産したり、病気や怪我で働けなくなったり、子供の進学で思わぬ出費をしたりと、人生は何が起こるかわかりません。
そもそもローンの滞納をするような事態を防ぐためには、まずローンを組む際に「借りられる額」ではなく、「返せる額」を設定することが何より重要です。
収入に対する返済額の割合を「返済比率」と言いますが、この返済比率が20%以内になることを目安として予算を組みましょう。
上記の表の詳しい解説は下記記事をご確認ください。
【年収別】住宅ローン目安表!その予算で住めるエリアは?広さは?
【2】レベル5:エリアの失敗、自然災害への強さの把握
地震大国日本では、自然災害に対する対策も考えておく必要があります。地震発生時の揺れの大きさを左右するのは地盤の強さです。
耐震基準を満たした丈夫な物件でも、地盤によっては大きな揺れを感じたり、地すべり、液状化現象などを引き起こす可能性があるので油断できません。地盤の強いエリアを選ぶに越したことはないでしょう。
「揺れやすい地盤 災害大国 迫る危機:朝日新聞デジタル」では、住所を入力するとエリアの揺れやすさを確認できます。
気に入った物件があったら確認することをおすすめします。あるいは物件が豊富な中古マンションなら、あらかじめ地盤の強いエリアから選ぶことも可能です。
地震以外の自然災害についても考慮が必要ですが、そこで役立つのが「ハザードマップ」です。
自然災害が起こった際の被害を予想した地図で、避難場所や避難経路なども確認できます。各自治体で無料配布しているほか、「国土交通省ハザードマップポータルサイト」からも見ることができます。
【3】レベル5:マンションの住民の質と管理状態の失敗は一生の問題
国土交通省では、RC造マンションの物理的な寿命は117年と言われていますが、この寿命を全うできるかどうかを左右するのは管理状況です。定期的に修繕されていないマンションは、寿命を縮めていると言えます。
安心して長く暮らせるマンションかは、長期修繕計画に沿って適切な修繕が行われているかどうか、将来的に修繕を行うための十分な積立金があるかどうかなどで判断できます。
また、いくら長寿命なマンションであっても居心地が良いとは限りません。集合住宅である以上は、どんな住民が暮らしているかによっても多かれ少なかれ生活が左右されるからです。
そこで、購入前には駐車場・駐輪場・掲示板・ゴミ捨て場・エレベーターなどの共有部分もチェックしてみてください。これらによって住民の「質」を見ることができます。管理会社が機能しているかどうかの基準にもなるでしょう。
さらに正確にマンションの管理状況や住民の質を知りたいのなら、実際に上下左右の部屋を訪ねてみるのが一番手っ取り早い方法です。
思い切ってマンションやその周辺環境に関して聞いてみましょう。話した印象が良ければ、購入に際してもかなり安心できるはずです。住民の質とマンションの管理状態は一生の問題です。自分なりの基準を持ってジャッジできるようにしておきましょう。
【4】レベル4:周辺環境の失敗、朝・昼・夜の状態
周辺環境も自分の力ではどうにもなりません。
特に平日と休日、朝・昼・夜によって、物件の周辺状況はかなり変わります。平日の昼間に内見したときは問題がなかったからと購入して、実際に住みだしてから休日や時間帯などの条件による思わぬ不満が出てくることもありえます。
特に以下のようなポイントについては、何度も足を運んで不安を解消しておきましょう。
4-1.安全性
安全性を考える上で、エリアにおける犯罪率は知っておきたいところです。特に小さな子供がいる家庭なら、犯罪件数の少ないエリアを選ぶことで不安も軽減されます。
警視庁が提供している犯罪情報マップでは、過去の犯罪情報を見ることができますし、各都道府県のサイトでも犯罪件数などの情報を得ることができます。
また、昼間は人通りがあっても、夜になると一人で歩くのが怖く感じるエリアなどもあります。時間を変えて足を運び、しっかりとチェックしておきましょう。
4-2.騒音
騒音に関する許容範囲は人によって異なるので、現地に行って自分で判断するのが一番です。週末は静かでも平日の昼間が騒がしいということもあります。
近くに工場があって日によってトラックが頻繁に通る、病院に向かう救急車の音がよく聞こえるといったこともあるでしょう。
線路沿いは電車が通る際の音が気になると考える人が多いと思いますが、実際に部屋に行ってみると窓が二重サッシになっていたり、音を遮る建物があったりしてあまり気にならないということもあります。
4-3.特徴的な周辺環境
「海辺の街に住む」という響きは魅力的ですし、海が見える立地の眺望は素晴らしいものです。ただ、実際に海の近くに住んでみると、潮風によって発生する塩害や洗濯物のベトつきがあったりして、不便に感じる面も出てきます。
ほかにも、大道路に面している物件だと想像以上に排気ガスが多かったり、ゴミ処理場の近くだと臭いが気になったりするかもしれません。特徴的な周辺環境にある物件は、マイナス面が無いか考えておきましょう。
【5】レベル3:専有部分の設備やインフラの失敗
住んでから室内の壁や床、天井などの専有部分の設備や、電気などのインフラ設備に不満が出ることもあります。お金を出せば不満を解消できるものとそうでないものがあるので、あらかじめ確認しておくことが重要です。
5-1.水回りの移動や間取りの変更
中古マンションを買った後でリノベーションを考えているなら、間取りを変えることができるか、水回りが移動できるかどうか確認しておきましょう。リノベーションを考えていない場合でも、後々で間取りに不満が出てきたときのために選択肢があるに越したことはありません。
5-2.日当たり、風通し
日当たりが悪いと洗濯物が乾きにくい、部屋の奥まで光が届かないなどの問題が起こります。
南向きの部屋でも例えばバルコニーが広いと室内の日当たりが悪くなることもあるので、やはり現地での確認が必要です。
また、風通しが悪いと洗濯物が生乾きになりやすく、結露やカビの発生につながります。家全体の風の流れを確認しておくことも忘れないようにしましょう。
5-3.電気、テレビ、ネット環境
家族の人数が多い場合、電気の容量が小さいとブレーカーが落ちる可能性があります。後から容量を増やせないマンションもあるため、どのくらいの容量を使えるか、前もって知っておくようにしましょう。
また、インターネット環境がきちんと整備されているかどうかも重要です。光回線を使えるか、住居部分にまで回線が届いているかどうか、通信速度は遅くないかなど、業者や管理組合、もしくは各社のホームページなどで確認しておきましょう。
テレビをよく観る人なら、電波障害によってテレビの映りが悪くなっていないか、BSやCSチャンネルを観たいならきちんとアンテナが引かれているかもチェックしておくと、あとでがっかりせずに済みます。
まとめ
物件購入における失敗をレベルごとに紹介しました。
お金で解決できる失敗らまだ救いようがありますが、どうにもならない失敗もあります。あらかじめ陥りやすい失敗を知っていれば回避できることなので、物件を購入する前に本記事の事項をしっかりとチェックし、納得してから購入を決めましょう。
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