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住宅ローンを利用する際に、必ずチェックしておきたいのが金利です。今回は、金利の仕組みをはじめとした、知っておきたい情報をまとめました。
目次
住宅ローンでよく聞く「金利」とはなにか
金利とは、借りたお金の額に対して支払わなければならない利息の割合のことです。利息は、お金を借りる際に対価として支払うお金を指します。借りている額を元金といい、毎月の利息額の元金に対する割合を「月利」、年間の利息額の元金に対する割合が「年利」です。
例えば「月利0.3%」で100万円借り入れた場合、1ヵ月の利息は3,000円です。「年利3%」で100万円借り入れると、1年間の利息は30,000円になります。
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金利の違いでどれくらい返済額が変わる?
金利が高くなるほど、毎月の返済額も大きくなり、返済額の総額も多くなります。では、金利が1%違うと返済額にどれほど影響を与えるのでしょうか。
4,000万円の借り入れを、ボーナス返済なしの35年返済で契約した場合の、毎月の返済額と総返済額が以下です。
毎月返済額 | 総返済額 | |
金利1% | 113,000円 | 47,430,000円 |
金利2% | 133,000円 | 55,600,000円 |
金利3% | 154,000円 | 64,660,000円 |
金利が1%から2%に上がると、毎月返済額は約2万円、総返済額は約817万円多くなります。3%と1%では、総返済額に1723万円もの違いが生まれます。住宅のように高額の借り入れが発生する場合、金利の1%が返済額に大きな影響を及ぼすことがわかるでしょう。
住宅ローン金利の種類「固定」「変動」とは?
住宅ローンの金利には大きく分けて、固定金利と変動金利があります。
固定金利には、全期間固定、段階金利型、固定金利選択型が、変動金利には変動金利型と上限金利特約付変動金利があります。
それぞれの金利タイプには特徴があり、メリット・デメリットも異なります。総返済額にも関わるものなので、違いをしっかり理解しておきましょう。
“固定金利”
- 固定金利の場合は、借入時からあらかじめ決められた期間における金利が固定されています。
固定金利の種類についてです。
1.全期間固定
全期間において金利が変わりません。低金利の時に借り入れれば、将来的に金利水準が上昇したとしても自分が借り入れているローンに関しては影響を受けず、低金利のまま返済額も変わりません。
返済額が一定なので、家計のやりくりがしやすくなるのがメリットです。しかし、変動金利よりも金利が高めに設定されているため、将来的に金利水準が低いまま推移すれば、変動金利より返済額は多くなる可能性があります。
2.段階金利型
金利が2段階以上に設定されています。例えばフラット35の場合、借入開始から10年間の金利は1.270%、11年目以降は1.419%で設定されており、実質年率は1.376%です。
このように段階的に金利が変更されるのが特徴で、基本的に11年目以降は10年目までよりも高い金利になります。変動はありますが実質的には金利が固定されているため、借入時に返済額を確定することができ、なおかつ借り入れ当初の返済負担額を軽くできるメリットがあります。
3.固定金利選択型
契約時に3年、5年、10年など、固定金利の期間を選択できるタイプです。最初に固定金利5年に決めたら、5年間は固定金利の返済額を支払い続けますが、5年経過した際、固定金利か変動金利かを選択することになります。
そのときの金利状況に応じて有利な金利を選び直すことができるのが最大のメリットではありますが、金利状況によっては借り入れ当初から全期間固定、または変動金利を選んでいた方が返済額が少なく済んでしたといったケースもありえます。また、固定期間は長くなればなるほど金利が高くなるのが通常です。
“変動金利”
- 返済期間中、定期的に金利が見直されるタイプです。金利タイプの中で金利が低く設定されていますが、半年ごとに金利が見直されるため、金利が上がれば返済額が増えるリスクがあります。
1.変動金利型
半年に一度の金利の見直しがありますが、5年間は返済額が固定されているので返済額がアップしても準備をする猶予があります。低金利期にはメリットを受けられますが、急激な金利上昇期は元金が増える場合もあります。
2.上限金利特約付変動金利
変動金利型と同じく金利の見直しが行われますが、金利に上限がつけられているタイプです。最初に設定した金利上限を超えないため、変動金利のリスクを抑えながら、低金利のメリットを受けられます。
ただし、上限設定がされている分金利は変動金利型よりも高くなるのが一般的です。
住宅ローンが借りられる金融機関の種類
金利の種類と具体的なメリット・デメリットがわかったら、どの銀行で住宅ローンを借りるのがいいのかと考える方も多いでしょう。まず思い浮かぶのがメガバンクや地方銀行などの銀行かもしれません。ですが、住宅ローンは銀行以外の金融機関でも借りることができます。
近年台頭してきているネット銀行でも住宅ローンサービスを提供していますし、流通系銀行、信用金庫、信用組合、農協、保険会社や、住宅ローンの専門会社もあります。さらに、市区町村や都道府県などの自治体が住宅ローンサービスを提供する公的融資などもあります。
住宅ローンを扱うこれらの金融機関は全国に1000社以上あるとされているので、どこに決めるのか迷うところですよね。それゆえ、低金利を売りにしているところや、有名どころを選んでしまいがちですが、一度立ち止まって考えてみましょう。
まず、住宅ローンには先程ご紹介したとおり変動金利、5年固定金利、10年固定金利、35年固定金利などの「金利タイプ」がありますが、実は銀行によって得意な金利タイプが異なります。「5年固定金利を見てみると安いけれど、35年固定金利は高くなる」ということもあるので、まず「どの銀行にしようか」ではなく、「どの住宅ローンにしようか」という商品基準で選ぶことが大切です。
返済プランは各家庭で異なるはずなので、住宅ローンを組んだ友人におすすめの金融機関についてアドバイスを求めても、あまり参考にならないかもしれません。自分の将来設計にあった返済プランを立てて、そのあとに金利タイプを選び、住宅ローンを組むという順番で選ぶと、後悔しにくい選択につながります。
住宅ローンの事前審査は保険をかけて複数の申し込みを
先程住宅ローンという商品で金融機関を選ぶことを手順として紹介しましたが、住宅ローンを申し込む際には、複数の金融機関に仮申し込みするのがおすすめです。なぜなら、住宅ローンの審査は意外と厳しいからです。
審査基準は各金融機関によって違いがあり、ホームページなどで公開している審査基準も全体の一部なので、その基準を満たしていても審査に通るとは限りません。また、ネット銀行は書類のみで審査を行うことが多く、融通が利きづらいという背景があり、最も審査が厳しい傾向にあります。一方、大手銀行や地方銀行は、対面によって相談ができるので、事情を説明すれば柔軟に対応してもらいやすいと言えるでしょう。
つまり、「これぞ」という住宅ローンを見つけても必ずしも借り入れできるとは限らないという前提で、保険をかけておくのが無難ということです。ひとつに絞って進めて審査に落ちてしまうと、またゼロから別の金融機関の住宅ローンについて調べて申し込む必要があるので、効率が悪くなってしまいます。
まとめ
金利には固定金利と変動金利があり、それぞれメリット・デメリットがあります。金利は1%上がるだけで返済額に大きな違いが出るので、安易にそのときの損得だけで決めないようにしましょう。
最近は銀行だけでなく、さまざまな金融機関が住宅ローンサービスを提供しているので、将来設計と選びたい金利タイプに基づいて、比較検討しながら選ぶのがポイントです。
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