住宅ローンの審査には事前審査と本審査の2段階があります。それぞれの審査期間は何日かかるのでしょうか。ここでは主要銀行の審査期間について調べるとともに、審査期間の平均や傾向についても説明していきます。
1.主要銀行の住宅ローン審査期間の早見表
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住宅ローンの本審査の期間は、最も早い場合で1日、長ければ2週間程度と、銀行によってかなりばらつきがあります。
主要銀行の事前審査と本審査それぞれの審査期間については、下記に表としてまとめました。事前審査はほとんどの銀行で、本審査より短くなっています。
ただし、大手都市銀行では本審査の期間は不明、つまり公開していないところが大半を占めています。これは、大手都市銀行は全国展開している分、ネット銀行ほど対応方法や審査フローの統一化がなされていないためと考えられます。
上のグラフは、住宅金融支援機構の「2016年民間住宅ローンの貸出動向調査」から引用した本審査における各銀行の回答結果です。
本審査にかかる期間不明の大手都市銀行を除いた本審査の審査期間の平均値は、3.0営業日です。また75%以上の銀行が3営業日以内の審査期間となっています。
1-1.事前審査の審査期間の傾向
事前審査(仮審査)は申込者がWebの申し込みフォームから入力した個人情報と、信用情報機関が収集し管理している信用情報、申込者と銀行との取引情報をスコアリングシステムに通し、得られた結果を示す簡易的な審査です。
システムへの入力作業さえ行えば結果は一瞬で出るので、最短で即日回答が可能です。
それでも銀行によっては1週間程度の審査期間を設けていることがあります。これは何らかのトラブルがあった場合を想定して、長めに設定されているためです。
実際には早い銀行なら即日回答、通常の銀行で翌日か2日後、遅い銀行でも3営業日くらいで回答が来るでしょう。
なお、大手都市銀行の窓口での申し込みの場合は、来店時に銀行担当者による面談が行われるため、通常、事前審査はありません。
1-2.本審査の審査期間の傾向
本審査の審査期間は1~2週間かかるのが一般的とされています。
しかし本審査の審査期間の平均値は3.0営業日となっており、期間不明の大手都市銀行があることを差し引いたとしても、ネット銀行などの台頭によって期間が短縮されている傾向にあると思われます。
本審査では申込者に対する詳細な審査の他、担保対象となる不動産物件、勤務先企業に関する審査などが行われます。また保証会社や団体信用生命保険の保険会社による審査も加わります。
1-3.フラット35は少し期間が必要
フラット35は住宅金融支援機構が審査を行います。そのため自行で審査する住宅ローンよりも期間は長くなり、7~14営業日かかります。
2.各銀行の住宅ローンの審査期間についての説明
ここからは銀行別の審査期間について見ていきましょう。いずれも各銀行のWebサイトに記載されている情報をもとにしています。
2-1.りそな銀行住宅ローン
期間についての記載はありません。
2-2.三井住友銀行住宅ローン
期間についての詳しい記載はありません。ただし、「お申込からお借り入れまでは、1ヵ月程度お時間をいただきます。」と記載されています。
2-3.三菱UFJ銀行住宅ローン
本審査の期間についての記載はありません。
事前審査については、「お申し込み確認後、当行の担当者より4平日窓口営業日を目処にご連絡させていただきます。」と記載されています。なお、「お申し込みの状況により、ご連絡が遅れる場合もございますのであらかじめご了承ください。」との注意事項も添えられています。
2-4.みずほ銀行住宅ローン
本審査の期間についての記載はありません。
事前審査については「お申し込みから5営業日を目処に、申込ボードにてかんたん事前審査の結果をご連絡いたします。」と記載されています。なお、「お申し込みの状況等により、ご連絡が遅れることもございますので、あらかじめご了承ください。」との注意事項も添えられています。
2-5.新生銀行住宅ローン
本審査について、申し込みをしてから審査に必要な書類の案内(郵送)は約5営業日で届き、審査に必要な書類を提出してからは約7営業日で審査結果を連絡すると記載されています。
2-6.東京スター銀行住宅ローン
期間についての記載はありません。
2-7.楽天銀行住宅ローン
事前審査については「最短、翌日スピード回答!」と記載があります。
本審査については、「ご提出いただいた申込書類一式から楽天銀行にて審査を行います。」とあり、「審査には最短で3~4日間程度お時間をいただきます。」と記載されています。
2-8.住信SBIネット銀行住宅ローン
事前審査については「仮審査申込み当日から3営業日以内」に結果をメールで知らせるとの記載があります。
さらに「Q&A-よくあるご質問」にて、「仮審査は、通常数時間から数日で終了のお知らせをします。」、「正式審査は、必要書類がすべて住信SBIネット銀行に到着後、通常1週間から10日程度で終了のお知らせをします。」と記載されています。なお、「申込内容によりさらにお時間をいただく場合があります。申込時期によっては、正式審査に更に時間を要する場合もあります。」との注意事項が添えられています。
2-9.じぶん銀行住宅ローン
期間についての記載はありません。
2-10.イオン銀行住宅ローン
本審査について、「正式申込から10日~2週間程度で審査結果」と記載されています。
2-11.ソニー銀行住宅ローン
仮審査(事前審査)については「最短60分(お申し込み内容、お申し込み時間帯によっては、お申し込み翌営業日以降のご回答となります。)」と記載されています。
本審査申し込みから結果の確認までは7~10日と記載されています。「記載の日数はソニー銀行で行う作業の標準所要日数です。」との注釈があります。他にも仮審査申し込みから契約締結まで、全9ステップそれぞれに要する日数が詳しく記されています。
2-12.楽天銀行フラット35
全体の目安として、「WEB申込からお借り入れまで最短で35日程度。」との記載があります。また、Webでの申し込みから事前審査を経て、申込書類に必要事項を記入して送付し、楽天銀行が受領するまでのステップについては「申込8~11日が目安です」と記載されています。
本審査については、「審査7~14日が目安です」と記載されています。さらに審査後、契約に至るまでは「20~30日が目安です」との記載があります。
2-13.住信SBIネット銀行フラット35
「よくあるご質問」にて、「事前審査は、WEB登録いただいた日から1~3営業日程度お時間をいただきます。」、「通過した場合、WEB登録いただいた日から1週間前後で借入申込書をお送りいたします。」との記載があります。
また、「正式審査書類到着から実行までには、1か月半から2か月程度お時間をいただきます。」と記載されています。なお、「いずれの場合も、書類等の状況や申込時期等、状況によりさらに日数を要する場合もあります。」との注意事項が添えられています。
2-14.ARUHIフラット35
事前審査について「最短当日」と記載されています。
また本審査について、「最短3営業日」と記載されています。ただし、「上記対応日数は最短のケースになります。場合によっては追加資料のご提出などが必要になり、審査日数を要するケースがあります。」などの注意事項が添えられています。
3.事前審査から本審査、融資実行までの流れ
最後に、改めて審査の流れをおさらいしておきましょう。
申し込みから融資までの流れは、大きく、「申し込み」→「事前審査」→「本審査」→「契約」の4ステップに分けられます。
すでに述べてきたように、事前審査には即日~2、3営業日、本審査も最近は3営業日程度、長くて7~14営業日程度で結果が出るようになっています。その他の手続きを含めた申し込みから契約までのトータルな期間は1~2ヶ月といったところです。
事前審査と本審査の2段階で審査が行われるのは、本審査にはコストや手間がかかるためです。また、住宅ローンが借りられなければ住宅の購入が難しくなるので、購入の手続きを進めるために事前審査で目星をつけておく必要がある、という事情もあります。
事前審査に通っても、本審査が通らなかったというケースもあります。事前審査で申し込みフォームに入力する内容はあくまで自己申告で、本審査では年収や月収、職種・勤務先・雇用形態、物件の担保価値、預貯金や資産の保有状況、住宅ローン以外の借入額などが問われます。収入確認資料、物件確認資料などの必要書類も提出することになり、より審査が厳密になるためです。
ただ、銀行や、ときには支店によっても審査基準が異なることがあるので、本審査に落ちたとしてもそちらに依頼する道も残されています。なお、フラット35は物件審査の比重が重く、比較的借りやすいローンと言えます。
まとめ
住宅ローンの審査期間の概要がおわかりいただけたでしょうか。
仮審査はネットでも簡単に申し込みができ、すぐに結果が得られるところが増えています。本審査は銀行によって期間にばらつきがあります。銀行ローンを利用するときは審査期間についても把握した上で、どの銀行のローンにするか検討してみてください。
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