住宅ローン諸費用は物件価格の5~10%!内訳・組込む注意点も解説

住宅ローンの諸費用

ご訪問ありがとうございます。いえろは編集部です。

住宅の購入には通常諸費用が必要です。その金額は住宅の種類によって異なりますが、物件の購入価格の5~10%とされています。また、この諸費用分を住宅ローンに組み込むことも可能です。この記事では、諸費用の内訳や諸費用込みのローンについてまとめています。


住宅ローン諸費用の内訳

さて、気になる諸費用ですが、物件の購入価格の5~10%となると、あなどれない金額ですよね。もし3,000万円の物件を購入するなら、150万~300万円が必要になります。では、諸費用は具体的にどのような項目に支払わなければならないのでしょうか。内訳をチェックしてみましょう。

住宅ローン諸費用の主な内訳

項目

価格帯 内容

印紙税

1万~3万円

契約書に貼る印紙にかかる費用

融資事務手数料

3万円~70万円

住宅ローンを組む金融機関に支払う手数料

ローン保証料

070万円

信用保証会社に支払う費用

火災保険料

15万円~40万円

住宅ローン契約時に必要となる建物などにかける保険料

登録免許税

4万円~9万円

所有権の登記に関する税金

登記代行手数料

5万円~10万円

司法書士へ支払う報酬

不動産取得税

軽減措置になる可能性も

不動産の取得に伴って支払う税金

団体信用生命保険料

10万円~12万円

契約者が死亡した場合など、万一に備えて加入する生命保険。多くの住宅ローンで貸付の条件になっている

住宅購入においてはここからさらに不動産会社に支払う仲介手数料や、引っ越し費用、家具購入費などさまざまなお金がかかります。これらも含めると、物件価格の5~10%が必要だと言われているのです。

さて、住宅ローンの諸費用の中には、節約できる項目もあれば、そうでないものもあります。登記代行手数料は、絶対に専門家に頼まなければいけないわけではないので、手間はかかりますが自分で行うことができますし、火災保険料は必要な補償のみを選ぶようにすれば金額も変わってきます。

一方で金額が高くなりがちなのは、融資事務手数料とローン保証料です。融資事務手数料は住宅ローンを申し込む金融機関に対して支払う手数料で、3万円~5万円とされていることが多いです。しかし、「融資額の2.16%」に設定している金融機関もあります。この場合、もし融資額が3,000万円なら、その2.16%として64万8,000円が手数料となります。このように金融機関によって金額に大きな差が見られるのが特徴です。

ローン保証料は、住宅ローンの返済が困難になった際、保証会社から金融機関に代わりに支払ってもらう(代位弁済)ために支払う費用です。とはいえローンを支払えなくなった時に保証してくれるのではなく、借り入れた側からすると返済する相手が金融機関から保証会社に代わるだけということになります。

つまり、完全に金融機関側が貸し倒れリスクを回避するために存在するのがローン保証なのです。契約者が死亡したり高度障害状態になった際、ローンの残債を支払ってくれる団体信用生命保険のシステムとは異なります。勘違いしている人も多いので注意が必要です。

>>おすすめ記事:団信の告知内容の解説と告知義務違反の具体的リスク

ネット銀行の場合保証料不要のことが多いのですが、ローン保証料が必要な金融機関の多くはこの支払い(契約)を融資の条件に設定しています。

では、金融機関ごとにそれぞれどのくらい融資手数料、ローン保証料がかかるか比較してみましょう。

みずほ銀行

住信SBIネット銀行

ソニー銀行

融資手数料

32,400

648,000円(借入金額の2.16%

一律43,200

ローン保証料

618,330円~

0

0

都市銀行の融資手数料はどこも3万円台ですが、保証料に関しては一括前払いか、利息組み込み型かなど条件によって金額に幅が出ます。

また、ネット銀行の場合はローン保証料を0円に設定していても、住信SBIネット銀行のように融資手数料を借入金額の2.16%としていて実質的には都市銀行並みの費用がかかる金融機関があります。しかしソニー銀行のように融資手数料が都市銀行並みで、さらにローン保証料が0円という金融機関も存在します。

つまり、諸費用だけで考えると、ローン保証料0円、融資手数料を一律としているネット銀行が圧倒的に安いというということになるでしょう。しかし、融資手数料やローン保証料が安くても、金利が高ければ同等か総合的に見て損をするケースもあります。一部の金額だけで判断しないよう注意しましょう。


住宅ローンに諸費用を組み込む場合の注意点

諸費用は現金で用意するのが一般的ですが、まとまった自己資金をすぐに準備できない場合の手段として、金融機関によっては住宅ローンに組み込むことも可能です。

ただし、住宅ローンに組み込む際に気をつけたいのが、諸費用を住宅ローンに含めることで金利が上がってしまったり、借入可能額が少なくなってしまうケースです。また、借入金額がギリギリだと、住宅ローンの審査を受ける際に諸費用を含めることによって返済能力に不安があるとみなされ、審査自体に通らなくなってしまう可能性も出てきます。

また、住宅ローンとは別契約で、諸費用ローンという諸費用のためのローンもあります。こちらは住宅ローンよりも金利が高いのが一般的で、住宅ローンと同様に審査や手続きを行うことになる点に注意が必要です。


諸費用を住宅ローンに含めると得なのか

諸費用を住宅ローンに含めるのか、それとも現金で支払うか、選択肢があるのならできればお得な方を選びたいという人も多いのではないでしょうか。改めて、諸費用を現金で用意する場合、住宅ローンに組み込んだ場合、さらに諸費用ローンを組んだ場合とでとメリットとデメリットを比較してみましょう。

現金で払う

住宅ローンに組み込む

諸費用ローンを組む

住宅ローンの審査

有利

不利になる場合がある

不利になる場合がある

金利

低い

高くなる場合がある

住宅ローンより高い

借入可能額

増える

減る可能性がある

減る可能性がある

手元資金

減る

増える

増える

返済負担

減る

増える

増える

住宅ローンに組み込む場合も諸費用ローンを組む場合も、金利がありますから最終的な費用負担は増えてしまいます。ただ、超低金利の昨今では、諸費用を住宅ローンに含めたとしても利息が少なくて済むため、住宅の購入ハードルも下がるという点ではお得といえばお得です。

現金を手元に残しておける安心感もあります。諸費用を無理に現金で払ったがために家計や返済のやりくりがしづらくなってしまうのなら、諸費用をローンに含むのは充分有り得る選択肢です。

ただ、身の丈以上に借入額が増えるのは大きなリスクだということは頭に入れておきましょう。現在は年収が年功序列で確実に増えるとは限りませんし、リストラや転職をする可能性も大いにあるでしょう。

おすすめ記事>>【年収別】住宅ローン目安表!その予算で住めるエリアは?広さは?

現金かローン、いずれの選択肢を選ぶにせよ、ある程度の手元資金を残せて、今後の返済負担も生活を圧迫しない程度に留められる方法を選ぶのがベストだと言えます。


まとめ

物件購入金額の5~10%とされる諸費用は、決して小さな金額ではありません。金融機関によっては事務手数料やローン保証料などの金額に差がありますし、中には節約できる項目もありますから、費用を抑えられる部分を見逃さないようにしましょう。

諸費用を現金で支払うのかそれとも住宅ローンに組み込むのかも迷うところです。現時点ではローンに組み込んだ方がお得に感じられても、将来的なリスクを考えると現金で支払っておいた方が無難という考え方もできます。

また、諸費用を含めた住宅ローンを組むことで今後の生活に余裕がなくなってしまっては本末転倒です。手元資金に余裕がないから諸費用をローンにしようという場合は、予算自体を見直すことも視野に入れましょう。

いずれにせよ即決せずに様々な観点から検討して、返済可能な方法で支払うことが大切です。

リノベ体験記:間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。

リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。