マンションを購入する際にまず迷うのが、新築マンションと中古マンションのどちらを選ぶかですよね。新築マンションのメリットもありますが、都内で探すなら中古マンションを選んでリノベーションをする方がおすすめです。この記事では、両者の価格差、エリアの選択肢、そして間取りや設備の観点から、その理由を解説していきます!
目次
1.新築マンションと中古マンション+リノベーションの価格差
費用面においては、新築マンションの方が高いのは想像できますが、実際の中古マンションとの差はなかなかイメージしにくいものです。いくら物件価格だけが安くても、リノベーションを加えた場合に新築より費用が高くなっては中古リノベのメリットが半減してしまいますから、リノベーション費用についても考えなければなりません。
順を追って一つずつ見ていきましょう。
1-1. まずは平均価格で比べてみよう
新築マンションを購入する場合と、中古マンションを購入してリノベーションをする場合の価格差を見てみます。
実際のデータでも価格差を確認できます。
極端な例で言えば、新宿までのアクセスが15分、小田急線の駅まで徒歩7分という立地の新築マンションで、65㎡の3LDKの場合約7000万円の物件が見つかります。同じエリアで駅まで徒歩10分、68㎡の3LDKの中古マンションは、約3000万円で購入可能です。なんと、中古は同じような条件で半額以下になるケースがあるのです。
グラフは、首都圏の新築マンションと中古マンションの価格・専有面積・坪単価の推移を表しています。では、2017年の首都圏の新築マンションと中古マンションの平均価格を比較してみましょう。新築マンション平均価格5544万円に対して、中古マンション平均価格3257万円。その価格差は2000万円以上です。
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2.リノベーション費用を足してもまだ大幅に安い
マンションをフルリノベーションする場合の相場は、1㎡あたり10~15万円です。68㎡のマンションの場合、約680~1020万円かかると考えられます。もちろんこれはあくまで目安で、設備などを充実させれば、もっと費用が高くなります。
しかし、この計算でいけば中古マンション購入費用にリノベーション費用を足しても4020万円で、7000万円の新築マンションを購入するよりも大幅に安いことがわかります。それでも新築マンションの方が良いという人はもちろんそれで良いのですが、一度立ち止まって考えてみてください。家以外にも暮らしを豊かにするお金の使い道はたくさんあります。
昨今はインターネットの普及などによって一般の方でも情報収集が容易になりました。その中で、果たして家だけにそこまでお金をかける必要はあるのかと考える顧客が増えており、高いマンションを買わせる風潮も収束しつつあると考えられます。
現在はダブルインカム(共働き世帯)が増え、「結婚したら子供を持つのが当たり前」という考えも古いものになりつつあります。だとすれば、自分のライフスタイルに合わせて一体何にどれくらいのお金をかけるのかが精査されるのも当然のことと言えます。
今後のライフプランを踏まえて、自分がどれだけ家に費用をかけるべきなのか、じっくり考えてみると良いかもしれません。
3.エリアや立地の多様な選択肢
住居の立地は、特に都内においては間違いなく優先順位が高い事項のひとつです。マンションの資産価値の決め手にもなるため、最優先事項とする人も少なくないでしょう。
まず、住宅ポータルサイトで、新築マンションの物件数と中古マンションの物件数を検索してみてください。SUUMOで2019年1月現在、世田谷区に絞って検索してみたところ、新築マンションの検索結果が48件だったのに対し、中古マンションはなんと2,379件。
世田谷区における中古マンションの数は新築マンションのおよそ50倍です。中古マンションの方が、新築マンションよりも選択肢が多いのです。
理由は簡単で、良い立地ほど昔の新築マンション、つまり現在の中古マンションに場所を取られているのです。実際に自分の住みたい駅やエリアを絞って探してみると、中古マンションの方が希望の物件が見つかる可能性が高いはずです。
また、新築マンションの供給数は2008年以降減少しており、立地条件に優れた新築マンションはさらに激減していると言えます。通勤や暮らしの便利さから選びたいエリアがあったとしても、そもそも新築マンションがあるとは限らないのが現状です。
一方、中古マンションは、人気エリアや交通の便が良い街ほど多く存在しています。もし立地やエリアにこだわるのなら、中古マンションの方が多くの選択肢から選ぶことができるでしょう。
4.リノベーションでオリジナル設備と間取りを手に入れる
新築マンションの魅力として、最新の設備や内装、今風の間取りなどを想像する方も多いのではないでしょうか。実際、家の間取りや設備は、住む人にとって重要な要素です。
しかし、新築だからといって設備が必ずしもそのときの最高グレードのものであるとは限りません。口コミサイトでは、モデルルームの設備と実際のグレードが違ったという声もあるほどです。
だからといってオプションをフルでつけると価格もその分上がってしまい、予算オーバーしてしまうケースもなくはありません。
では、中古はどうでしょうか。新築マンションの室内画像と比べると、中古マンションのそれはあまりテンションの上がるものではないでしょう。しかし、もともとの間取りや設備はリノベーションすれば全く異なる空間に仕上げることができます。
しかも、最初からできあがっている新築マンションとは違い、自分たちの好みや、どんなふうに過ごしたいのかというライフスタイルの希望に即した内容が大きく反映されるので、その分完成した際の満足度も高くなります。
この事例を見てみてください。
まるでカフェのように明るくて華やかな、今風の空間に様変わりしました。このプランでは、間仕切りを最低限にすることで光をたっぷり採り込み、中央に造作キッチンを持ってきました。フローリングは自然な風合いが楽しいアカシアです。
このプランのように、リノベーションならキッチンを部屋の中心に置くなど、とにかくキッチンにこだわることもできますし、お風呂でのくつろぎの時間を大切にしたいなら、お風呂だけはとことん作り込むといったことも可能です。
好きなフローリング材を選ぶのもわくわくしますし、あえて玄関を広くして、土間スペースを作るといったちょっと突飛なことも実現できます。
予算が許す限り、家族によってこだわる部分を決められるのが中古リノベーションの魅力といえるでしょう。
5.中古マンションのデメリットは何?
もちろん、中古マンションにもデメリットはあります。それは、主に耐震性、外見、設備面の3点です。
しかし、大規模修繕をきちんと行っているマンションであれば、耐震性のリスクはかなり防ぐことができます。逆に言えば新築マンションでも、大規模修繕工事をはじめとした管理体制がきちんとしていなければ、十数年後には、危険な中古マンションへと評価が転落してしまう危険もはらんでいるのです。
外見に関しても、中古マンションといっても見た目の状態はさまざまで、きれいな状態を保っている中古マンションもたくさんあります。中古だからといって、先入観で古くて見た目が悪いものと考えるのではなく、実際に検索したり足を運んでみると、実際は許容範囲内だったということもあります。
設備面に関しては、オートロックや宅配ボックスなど希望のものがあるかどうか、配管工事がきちんと行われているかなど気をつけるべき点があります。
しかし、これらの知識を知っておき、物件選びの際に確認しておけば、デメリットのある中古マンションは回避できます。実質的に、デメリットは存在しないことになるのです。
詳しくは、『中古マンションのデメリットは実質「存在しない?」』をチェックしてみてください。
まとめ
価格、立地、間取りや設備などの観点から、都内では新築マンションを購入するよりも中古マンションを購入してリノベーションした方が賢い選択だという理由を解説しました。
しかし、実際に希望のリノベーションを実現できるかどうかは、リノベーション会社の手腕も大きく影響します。
この記事を読んでリノベーションに興味が出てきた人は、『自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順』を読むと、リノベーション会社の選び方のポイントを押さえることができます。ぜひ、参考にしてみてください。
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