住宅ローンで10年固定金利型を選ぶべき人と落とし穴まとめ2019

住宅ローンの10年固定

ご訪問ありがとうございます。いえろは編集部です。

住宅ローンの金利にはいくつかのタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。10年固定型は、固定と変動それぞれの要素を持っていますが、大きなポイントとして、固定期間後の金利上昇リスクがあげられます。

固定型、変動型と比べた場合の違いやメリットデメリットについてまとめましたので、自分が向いているかどうか、チェックしてみてください。


【1】10年固定金利型とは?変動金利や固定金利との違い

住宅ローンの金利は大きく分けると、変動金利型、固定期間選択型、全期間固定金利型の3つに分類されます。

変動金利型は一般的に3タイプの中で最も金利が低いのが特徴ですが、半年ごとに金利は見直され、金融情勢の変化に伴って金利額も変動していきます。

つまり金利が急上昇すればそれだけ返済額もアップするのですが、一般的に返済額が見直されるのは5年間ごとという「5年ルール」と、たとえ金利が急激に上がっても返済額は最大125%までという「125%ルール」が設けられています。

これは急激な金利上昇時に返済者の負担がかかりすぎないようにするためですが、返済額の免除ではなくあくまで繰り越されるだけという点は注意が必要です。(返済しているのにローン残高がなかなか減らないということもありえます)

おすすめ記事>>視野が狭くなると変動金利で住宅ローンを組みたくなる話

一方で、全期間固定金利型はローン返済期間の初めから終わりまで金利が一定なので、返済額が最初から確定しています。3つの金利タイプの中では一番高金利ですが、返済計画を立てやすいのが特徴です。

おすすめ記事>>住宅ローンは固定金利一択?性格によって金利タイプを選ぶべき理由

10年固定金利型は、その名のとおり固定期間選択型に属し、最初の10年は金利が変わりません。10年が過ぎると原則として変動金利型に移行します。引き続き固定期間型を選択して次の10年も金利を固定する場合は、その時点での金利が適用されます。


【2】10年固定金利型のメリット・デメリット

どの金利を選ぶにしても、タイプごとにそれぞれメリットとデメリットがあります。変動金利は借りた当初は金利が安くても、今後市場が変化して返済額が増える可能性がありますし、総返済額がわからないのでいざというときに対応できるか不安が残ります。

全期間固定の場合は変動金利よりも高金利になり、市場で低金利が続いた場合は変動金利に比べて総返済額が増えてしまうのですが、最初の額から総返済額が決して増えないので安心感があります。

10年固定金利型は固定金利と変動金利両方の要素を併せ持っています。どのようなメリットとデメリットがあるのかチェックしていきしょう。

2-1.メリット

・10年間は返済額が増えない
・金融機関によっては金利優遇を受けられ、借り入れ時のコストを抑えられる
・固定期間後に市場の金利が下がれば返済額も下げることが可能

10年固定金利は、10年間は市場の金利が上昇しても影響を受けないため、返済額が増える心配はありません。手厚い金利優遇をおこなっている金融機関もあるため、借り入れ時のコストをかなり抑えられる可能性もあります。
また、固定期間終了時に市場金利が下がっていればそれが適用されるため、全期間固定型に比べて総返済額を少なくすることも可能です。

2-2.デメリット

・固定期間終了後に市場の金利が上昇していると、返済額が増える
・金利見直し時に変動金利のような金利制限が適用されない
・固定期間終了後の返済額が不確定なので、返済計画が立てにくい

デメリットはメリットの裏返しで、10年の固定期間が終了した時に市場の金利が上昇していれば、返済額が増えてしまうことです。注意しなければならないのは、その際に変動金利などで適用される「金利見直し時は前回値の125%が上限」といった制限が無いことです。
また、借り入れ時点で固定期間が終了した後の返済額がわからないため、長期の返済計画が立てにくい点もデメリットとして挙げられます。


【3】10年固定金利型に向いているケース・向いていないケース

上記のメリット・デメリットを踏まえ、10年固定金利型を選ぶべきケースとそうではないケースについて考えてみましょう。ポイントは、一定期間は低金利で借りられるという最大の特徴を活かせるかどうかです。

3-1.向いているケース

・今後10年は、子供の教育費などを考えて返済による家計支出を増やしたくない人
・固定期間終了時には貯蓄や給与、賞与も増えることが予測され、金利の上昇リスクにも耐えられる見通しがある人
・借り入れ時は長期でローンを組むが、繰り上げ返済や借り換えを予定している人

10年固定金利を選ぶなら、固定期間終了時の金利上昇リスクに耐えられる見通しのあることが大前提となります。一番わかりやすいのは、10年後に向けて自己資金に余裕を持っておくことです。10年後に資産を相続する予定がある場合も当てはまるでしょう。

あるいは、金利が上がる前に別のローンに借り換える、繰り上げ返済によって低金利のうちに極力返済し、返済期間を短くするなどの方法でもリスクヘッジを図れます。低金利である10年間のうちに教育費など大きな出費を乗り切り、10年後のリスクにも備えておくのが10年固定金利型の定形パターンと言えるでしょう。

3-2.向いていないケース

・教育費など、支出が多い時期が固定期間終了後に予想される人
・金利上昇リスクを負わずに安定した返済を希望する人

一方で向いていないのは、固定期間終了後に支出が多い時期が集中すると考えられる人です。10年間は低金利で返済できる=そのほかの支出に資金を回せるということですから、固定期間終了後の金利状況が予想できない以上、固定期間中に何かとお金のかかる時期をやり過ごしてしまった方が良いでしょう。

また、そもそもの話からすれば、10年固定金利は「10年後に金利が下がるかもしれないし、上がるかもしれない」というリスクを背負い続けることになります。変動金利のように金利上昇時の制限もないため、金利が上がれば大きな支出に備えておかなければなりません。
そういった金利の変化に振り回されたくないというタイプであれば、選ばない方が無難です。


【4】10年固定金利型を選ぶ場合の注意点

固定金利終了後の金利が不確定であることが10年固定金利型のメリットにもデメリットにもなりうることはお伝えしてきたとおりです。

注意しなければならないのは、固定期間終了後に金利が上昇した結果、最終的に変動金利型や全期間固定金利型を選ぶよりも金利水準が高くなってしまう可能性があることです。ですから、固定期間終了後の金利割引などがある場合は、その割引幅もきちんと考慮する必要があります。

現在は超低金利時代で、今後は上昇の可能性もあります。とはいえ、それが一体どれくらいの上昇幅になるのかは予測できません。10年固定金利型を選んだとしても最終的に低金利のまま返済を終えられるという可能性ももちろんあります。

大切なのは、10年固定金利型に適したケースでご紹介したように、10年後に金利が1%、2%と上昇した場合でもそれに耐えうる家計状況にあるという見通しができるかどうかです。

もし少しでも不安があるのであれば、繰り上げ返済や借り換えの検討をする、あるいは最初から全期間固定金利にするといった選択をするのが安心と言えるでしょう。


まとめ

10年固定金利型は、10年間は金利が変わらないため市場の影響を受けませんが、固定期間終了後は金利上昇のリスクを負う必要があります。そのため、10年固定金利型は固定期間中に家計の支出がピークを迎え、将来的に給与が上昇する見込みがある人が向いている金利タイプと言えます。

安定的な返済を望んでいたり、固定期間終了後のリスクを負えない人は避けた方が良いでしょう。

住宅ローンは高額ですから、金利は1%変わるだけでも返済額が大きく変化します。目先の金利の低さだけではなくリスクもしっかりと理解しながら、どのタイプが一番自分に適しているかしっかりと考えてから選択しましょう。

リノベ体験記:間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。

リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。