「オリンピック・子供の学区」より重要!マンション購入タイミング

子育て世帯の住宅購入

東京オリンピックを2020年に控え、2019年10月は消費税の引き上げも予定されています。社会情勢が大きく動くと、マンションをいつ買えば得なのか損なのか気になるところです。

とはいえ、何人子供を産み育てるかのか家族計画が確定していなかったり、子供の保育園・幼稚園が決まっていない、転勤族だからどうしよう…など、なかなか購入に踏み切るきっかけが掴めない方も多いでしょう。

しかし、実はマンション購入を決めるタイミングはたった1つなのです。


【1】忘れてはならない、購入タイミングの大切な基準

1-1.住宅ローンを組むための必須条件は「健康」

よほど潤沢な資金の準備が無い限り、マンションを購入する方の大半は住宅ローンを組むことになるでしょう。このとき忘れてはならないのが、その際の条件。ほとんどの場合、「団体信用生命保険」への加入が必須となります。

団体信用生命保険は、債務者が住宅ローンの返済途中で死亡、または高度障害になった場合、ローン残債を全額返済してくれる住宅ローン専用の保険です。

生命保険ですから、健康状態が悪いと加入できない場合があります。加入できない=ローンを組めない=住宅を購入できない、ということです。

「フラット35」など、団体信用生命保険の加入が任意のローンも存在しますが、利用できる建物が限られている上、契約者に万が一のことがあった場合のリスクを考えるとやはり不安が残ります。

つまり、購入の第一の基準とすべきなのは、「あなたが健康であるかどうか」なのです。

「なんだそんなこと…」と思われるかもしれませんが、いつまで自分が健康でいられるかはわかりません。仮に1年先なら大丈夫でも、5年先、10年先はどうでしょうか?健康を理由に購入を諦めなければならない事態だけは避けたいものです。


【2】「東京オリンピック後に買うべき」は本当か?

2-1.シミュレーションで見えてくる事実

オリンピック開催を前にして、現在首都圏のマンション価格は高騰し続けています。2020年問題とも言われ、不動産業界ではその反動を受けオリンピック後にマンション価格が大きく下落するのではという予想があります。

どうせ下がるなら、2020年以降に買った方がお得なのでは?と考えたくなりますよね。簡単なシミュレーションをしてみましょう。

例えばオリンピック後の2021年に物件を購入するとしたら、2018年現在から考えると3年後です。その間の家賃や更新料を計算してみてください。

家賃が10万円だとしたら、賃料だけでも1年で120万円。3年で360万円です。3000万円の物件を購入するとしたら、頭金程度なら賄えてしまう金額です。

つまり、オリンピック後に家賃支払いにかかる費用以上にマンション価格が下落すれば得だと言えますが、そうでなければ、たとえ価格が下落しても損をしてしまうのです。しかも、下落する物件が自分の理想の住まいとは限りませんよね。

2-2 プロでも外す未来予想

そもそも、オリンピック後に本当にマンション価格は下落するのでしょうか?

答えはわかりません。「確実に下がる」といえる人はどこにもいないのです。プロですら、人によって「下がる」「上がる」「いや、このままだ」と様々な予想をしています。

それは株価予想にも似ています。プロのトレーダーでも株で損をすることがあるように、未来はどう変動するか誰にも予想がつきません。


【3】消費税増税前に購入すべきか?

では、2019年に予定されている消費税率の引き上げの場合はどうでしょうか。判断すべきなのは、消費税増税が住宅購入時の費用にどれくらい影響するのかどうかという点ですが、実はこれについてはきちんと国が消費税増税による家計負担を軽減するための措置を用意しています。

住宅ローン減税
住宅ローンを組んでマイホームを購入した際、ローン残高に応じた金額が所得税から控除されます。10年間継続して控除を受けられます。

すまい給付金
消費税増税に伴う負担額をかなりの程度緩和するために設けられた制度で、消費税率10%時は年収の目安が775万円以下の方を対象に、最大50万円が給付されます。

これらの制度をうまく利用することができれば、増税前でも後でも、損得は変わりません。しかしながら、そもそも、住宅ローン減税を使うことができる物件を狙うというのは、逆に高くつく可能性があります。

本末転倒にならないように、住宅ローン減税ではなく、無理のない住宅予算を基準に探す感覚の方がよいでしょう。

また、中古物件の購入で売り主が個人の場合は、そもそも消費税がかからないということも覚えておきましょう。

*おすすめ記事:家の購入タイミングはこのとき!【相場・金利・消費税編】


【4】保育園に縛られる、子供はもう一人ほしい…そんな時は?

いま現在健康で、オリンピックや消費税増税はさほど気にしなくても良いということがわかったら、意識すべきは自分たちの家庭状況でベストなタイミングがいつなのか、という点です。

4-1.「保育園縛り」を意識した先手必勝のタイミング

小さな子供の居る家庭であれば、一番気になるのは保育園への入園です。ポイントは入園の申請申し込み時期を知っておくこと。

4月入園を希望する場合は、前年度の10~11月が受付期間です。締め切り前には物件の引き渡しを終えて、住民票も移しておくことでスムーズに申請ができます。

つまり、入園希望の前年度の夏までがマンション購入タイミングという計算になります。

4-2.家族構成が確定していない場合は?

子供は授かりもの。「今は一人っ子だけどいずれもう一人」と考えていても、欲しいと思った時期にできるとは限りませんし、「やっぱり二人、三人と育てるのは大変」と感じるかもしれないとなると、将来の明確な家族構成はなかなか分からないものです。

それを理由になかなかマンション購入に踏み切れず、気づいたらずっと賃貸のままだった…なんてケースも珍しくありません。

「どんな住まいなら自分たちに適した広さになるのか」が決められずに購入を迷う時は、どれくらいの平米数が何人暮らしに適しているのかを見てみましょう。

例えば、3人暮らしの場合は55~65㎡、4人暮らしの場合は65~75㎡が広さの目安です。

今、子供が一人居たとして、「いずれはもう一人ほしいかもしれない」と考えているのなら、間を取って65㎡前後の広さの物件を選べば、人数が増えても増えなくても困ることは無いでしょう。


【5】転勤族はいつマンション購入をすべき?

ずっとそこに定住するつもりなら、マンション購入は終の住まいとして購入することができますが、転勤族はそうはいきません。購入してすぐに転勤が決まる可能性がある一方、気づけば10年異動がなかった、ということもあるでしょう。

将来が読めないために、マンション購入を検討しながらも「やっぱり賃貸にしておこう…」と思われる方も多いかもしれませんが、たとえ異動が決まっていても、購入する物件次第で損をする不安を払拭できます。

ポイントは、「資産性のある物件」を選ぶこと。いざという時にマンションを資産化できれば、異動が決まってしまった時でも、単身赴任をするというだけでなく、マンションを売却する、あるいは賃貸に出して移住するなどの選択肢を持つことができます。

そうなると、資産にならない賃貸生活で家賃を払い続けるよりは、自分の資金と健康状態を鑑みてマンション購入を検討した方が得だと言えるでしょう。

*おすすめ記事:【自分版】家の購入6つのタイミング!ベストな時期はいつ?


この記事のまとめ

マンション購入に関する情報を調べていくと、買い時に関する情報が膨大であることに驚くかもしれません。

それは、マンション購入に「自分たちが住むためのマイホームとしての購入」と「いずれ売却して利益を出す、投資としての購入」の2種類があるからです。

投資目的であれば、絶対に損をしてはならないのが前提ですから、この記事で紹介したオリンピック前後の相場や消費税増税は注目すべき問題です。

しかし、マイホーム購入はそうではありません。

自分が健康であること、そしてライフステージにとって最適なタイミングであるかどうかが一番重要な判断基準です。購入を先延ばししている間にいつ健康を損なってしまうとも限りません。

無理なくマンション購入ができるだけの予算計画が立てられて、住宅ローンの借入にも問題ない健康状態であるのなら、ぜひ購入を検討してみましょう。

では、自分の年収ならどの程度の予算が適切なのか?については、「【年収別】住宅ローン目安表!その予算で住めるエリアは?広さは?」も参照してください。

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