【図解】スケルトンリノベーションの費用・相場・期間

骨組以外のすべてを一度取り壊して、まっさらな状態から工事をスタートさせるスケルトンリノベーション。間取りも一新されるため、全く異なる空間を作り上げることが可能です。自分好みの住まいを作りやすい点がメリットですが、大規模な工事なだけに、費用も時間もかかるのではないかと気になりますよね。

この記事では、スケルトンリノベーションの費用相場や工事期間、ローンの組み方など、気になる情報をまとめてみました。


1.スケルトンリノベーションとは?

そもそもスケルトンリノベーションとは、マンションの専有部分を骨組の状態まで戻し、水回りを含めた間取りを住む人に合わせてゼロから作っていく大掛かりな工事を指します。

解体

スケルトンが「骨組」という意味であることから、スケルトンリノベーションと呼ばれるようになりました。目に見える部分はもちろん、配管や配線などの普段は目に見えない部分もすべて一新することが可能です。

一方、間取りを大きく変更しない場合は表層リフォームといい、現状復帰の意味合いがあります。例えば和室とリビングを一つの部屋にする、フローリングや壁紙を新しくする、キッチンやお風呂を交換するといった工事はリフォームにあたります。

表層リフォームでは配管を交換しないことがあるため、マンションが築20〜30年であれば、スケルトンリノベーションがおすすめです。

なぜなら、配管は年月とともにダメージを受けやすく、経年劣化も進みます。配管の種類にもよりますが、一般的な配管の寿命は20~30年です。マンションの躯体は100年以上の寿命があると言われていますが、配管設備はそれよりも短いため、適切なタイミングで修繕をする必要があるのです。

そのため、マンションが建設されてから20~30年経っているのなら、配管まで交換するスケルトンリノベーションをした方が、配管の寿命が訪れてからリフォームするよりも効率的です。詳しくは中古マンションの配管寿命は?築38年の物件を買っても大丈夫?の記事も参考にしてみてください。


2.中古マンションのスケルトンリノベーションの費用と相場

マンションのスケルトンリノベーションの費用はどれくらいかかるのでしょうか。相場としては1㎡あたり10~15万円程度、60㎡のマンションなら600~900万円ほどです。

あくまで相場なので、キッチンや風呂場にこだわりがあったり、フローリングや壁紙にグレードの高い素材を使ったりした場合は、それに応じた価格になります。もし、予算内にきっちり収めたい場合は、平米単価を出している業者に頼むと安心です。

上記の相場からかけ離れた安い価格の場合、前述した表層リフォームのことをリノベーションとしている可能性があります。事前にその会社が手がけている事例を見て、工事内容をしっかりと確認しておきましょう。


3.中古マンションのスケルトンリノベーションの設計期間と工事期間

スケルトンリノベーションを行う場合、工事期間についてもしっかりと把握しておかないと、後々不便な思いをしてしまうこともあります。

例えば、今住んでいるマンションをリノベーションする場合、設備交換だけのリフォームに比べると長い期間を要するスケルトンリノベーションは、既に賃貸などに住んでいる場合でなければ、工事期間中は仮住まいが必要です。

きちんと段取りを考えておかないと、場合によっては希望の仮住まいの部屋が取れず、通勤や通学に不便な場所に住むことになってしまうということも起こり得ます。

大きく分けると、リノベーションには設計期間と工事期間の2つの期間があります。設計期間に3カ月、工事期間に3~4カ月程度かかると考えておきましょう。

工事内容によっては目安よりも早く終わることもありますが、遅れが生じることも想定しておきましょう。余裕のないスケジュールを組んで、その上でプライベートの予定を考えていると思いがけず大変な思いをしてしまいます。

子どもの進学と合わせて工事スケジュールを組んだのに、工事が長引いて新学期までに学校の近くの新居に引っ越せず、通学に時間がかかってしまうといったことがその一例です。

このような予定がある場合は、あらかじめこの日までに引越しを完了させたい日を定めて、その1~2カ月間には工事が完了するようにスケジュールを組んでおきましょう。また、工事が遅延した際の補償などはあるのか、あらかじめ業者と確認しておくと安心です。

また、気をつけておきたいのが、マンションへの工事申請手続きです。マンションごとに規約は異なりますが、通常工事前の2~3週間前には図面や工程表、仕様書、専有部分工事申請書などを提出する必要があります。


4.中古マンションのスケルトンリノベーションのローンの組み方

中古マンション購入とスケルトンリノベーションをするためには、まとまった額のお金が必要です。そのため、リノベーション分も含めてローンの利用を考えている人も多いはずです。
スケルトンリノベーションをする際に利用できるローンには、リフォームローンと住宅ローンがあります。

4-1.リフォームローン

リノベーションにおいて利用できるのがリフォームローン。自宅などを担保に入れる必要がないため、住宅ローンと比べると利率が高く設定されているのが特徴です。金利の相場は2.5~4.5%で、借入れ限度額は500万円か1,000万円に設定されていることが多く、期限は最長で5年もしくは10年が一般的です。審査は当日~2日程度と短く、手続きも住宅ローンと比べると簡単です。

4-2.住宅ローン

一方、住宅ローンは担保が必要ですが、その分金利が0.5~2.5%とリフォームローンに比べると低く設定されています。借入れ限度は1億円であることが多く、期限は最長で35年が一般的です。ただ、手続きは煩雑で、審査にもある程度の時間を要します。また、事務手数料や保証料などの初期費用として20万円程度が必要です。

4-3.物件購入+リノベーションの一括ローン

中古マンションを購入前なら、現在は物件費用とリノベーション費用を一括して借りることができる中古・リフォーム一体型ローンという選択肢もあります。手続きや審査も一度で済むだけでなく、金利が住宅ローン並みで、返済期間も最長35年のため、毎月の返済負担も軽くなります。物件とリノベーションで別々にローンを組むよりも経済的にお得になるため、かなり便利に利用できます。

家はすでに購入済みで住宅ローンが残っている場合は、残りのローンとリノベーション費用をまとめて借り換えを検討してみましょう。


まとめ

スケルトンリノベーションを行う際の、気になる費用、工事期間、ローンについてご紹介しました。空間をゼロから作り上げるため、時間も要しますし、費用も安くはありません。準備しておくことや、把握しておくことをしっかり確認して、余裕を持って取り組みたいところですね。ローンを組む際は、自分に適したものを選んで、金銭面で少しでもお得になるように計画を立てましょう。

自分好みの空間を実現するためには、業者選びも重要です。リノベーション業者の選び方は自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順を、中古マンションの購入から検討している方は全体像を把握できる【重要度順】プロがまとめた中古マンション購入の注意点5つもチェックしてみてください。

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リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。