誰も言わないリノベーションのデメリットまとめ

見落としチェック用、リノベーションのデメリットまとめ

世間でも注目されている住まいの購入方法として、中古マンションを買ってリノベーションをするというものがあります。この住まいの購入方法は雑誌やTVなど、様々なメディアで取り上げられていますが、はたしてメリットばかりなのでしょうか?

この記事では、中古マンション、設計、工事、お金、という4つの項目からリノベーションのデメリットについてまとめています。


1中古マンションから見るリノベーションのデメリット

中古マンションここではまず、中古マンションという切り口からリノベーションのデメリットを見て行きたいと思います。デメリットをしっかり認識し、こんなはずでは!?を回避しましょう。

1-1中古物件を探さないといけない

今賃貸に住んでいる方にとっては、リノベーションをしようと思ったら、中古マンションを探さなくてはいけません。物件を探すにしても、エリアや路線、広さや立地、築年数など、いろいろと検討すべきポイントがあります。

これらの条件を細かく検討していくことは、自分たちの理想の住まいを見つけるにあたって、とても効果的なものですが、手間であることは間違いありません。このあたりを深く検討するのが嫌だと感じる方にとっては、中古マンションのリノベーションというのは、労力のかかるものになってしまうかもしれません。

詳しい中古マンションの探し方は、中古マンションの選び方「この7ポイントだけ守れば絶対に大丈夫!」をご確認ください。

1-2新築と比べて外観が古い

中古マンションを探すため、物件情報サイトを見ていると、どうしても外観の古さが気になって、探すのが嫌になってしまう方がいます。これも、中古マンションを買ってリノベーションをする場合のデメリットと呼べます。

家の中身よりも外観にこだわりが強いと自分で判断できる場合は、新築マンションを選ぶか、築浅の中古マンションを買って内装はいじらない、などの方法を取るほうが幸せかもしれません。

1-3耐震に不安があるマンションがある

中古マンションの中には、耐震面に問題のあるマンションもあります。

そんな物件を選んでしまったらどうしよう、という不安を抱えるのは、中古マンションでリノベーションをする場合のリスクの1つと言えます。耐震面での判断方法としては、そのマンションの管理状態を見ることです。

多くのマンションの構造は鉄筋コンクリートです。コンクリートのひび割れから中の鉄に水分が入ると鉄が錆びて膨らみ、中からコンクリートを破壊してしまいます。そのため、多くのマンションは水気が入らないように、タイルでコンクリートを覆っています。

そのタイルの破損や、ひび割れを10年から15年の周期で大規模修繕といわれる工事でメンテナンスを行います。この工事がちゃんと行われ、管理されてきたかどうか修繕履歴から確認できます。

より詳しく知りたい方は、中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイントでご確認ください。

1-4マンションの寿命が気になる

今建っているマンションは一体何年もつものなのか、中古を買って途中で住めなくなるのは困る。これも中古マンションを購入するデメリットの1つです。国土交通省の発表では、鉄筋コンクリートのマンションの寿命は117年とされています。築20年、30年のマンションを購入したとしても、実はかなり長くもつことがわかります。

ただし、耐震面のリスクと同じで、すべてのマンションの寿命を決めるのは、管理状態です。こちらをしっかりとチェックしましょう。

より詳しくマンションの寿命について知りたい方は、中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイントをご確認ください。

1-5新築マンションと比べてサッシやドアが古い

これも人によっては気になるデメリットではないでしょうか。

実は、ドアやサッシは共用部と判断され、勝手に取り換えることはできません

ただし、ドアに関しては、内側、つまり専有部側は、シートを張ったり、塗装をしたりと、自分たちの自由にすることができます。

また、サッシに関しては、2重サッシを取り入れることで、普段は古いサッシを見ずに生活することができます。それでも我慢できない場合は、築浅の物件を選ぶなど、数百万単位で予算を変更する必要が出てくるかもしれません。

もしそうであるなら、思い切って築浅物件を購入し、リノベーションをせず、そのまま住むことも検討したほうがよいかもしれません。

1-6ローン手続きが2つになることも

物件購入とリノベーションのローンが別々に組まれる場合もあります。ただし、1つにまとめることもできます。みずほ銀行などは1つにまとめることができる銀行の1つです。

ただし、メインバンクなど、何かしらの優遇などがある場合もあるので、金利や融資額などを見て、検討していきましょう。詳しくは、リノベーションのローンを迷わず選ぶ方法とオススメ銀行5選で確認してみてください。


2設計から見るリノベーションのデメリット

設計 

2-1設計士との相性問題

設計士にも得意不得意があります。また、大きな会社などは、新人から熟練者まで、さまざまな設計士が働いています。もし、自分が気に入った事例に設計担当者の名前があれば、その人を指名できないか、確認してみましょう。

また、もうひとつの方法としては、その会社の創業期の設計士が現役で活動している状態の会社を選ぶことです。当然、創業期からリノベーションに携わっているため、多くの要望に応えてきたノウハウがあります。

美容室のトップスタイリストみたなものをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
 

2-2設計に時間がかかる

多くの場合、物件購入後、設計期間は2か月半から3か月程度が必要になります。間取りの話に始まり、空間のテイストや、子供部屋の有無など、検討していくことは少なくありません。

この期間を取りたくないという場合は、リノベーション済みや、リフォーム済みのマンションを購入したほうがいいかもしれません。

2-3設備を見に行かなくてはいけない

リノベーションをする場合、キッチンやお風呂、トイレなどの設備は、予算が許す限りどのメーカーのものも取り入れることができます。何を入れるかは自分たち次第です。

そのため、各設備を決めるためにショールームへ行く必要があります。そこで、細かなオプションを決め、メーカーの見積もりを作成するためです。こちらも、キッチンやお風呂設備にこだわりのない方にとっては、ときめかないただの用事のように感じられてしまうかもしれません。
 

2-4完成するまでのイメージがつかみづらい

リノベーションである以上、これは避けられない問題です。特に間取りなどはイメージしづらいかもしれません。

これを避ける方法としては、ショールームやオープンハウスなどに参加して、間取りを体感して、その間取りのいいところを覚えておくことです。

また、事例などを見て気に入ったものを設計士に見せるのも、自分たちの好きなテイストを伝えるために役立ちます。事例やリノベーションの費用にかかわることは、「リノベーション事例を価格順で比較!月々の支払額も大公開」で確認してみてください。
  


3工事期間から見るリノベーションのデメリット

工事現場

3-1工事に時間がかかる

物件探し、設計に加え、工事期間も必要となります。こちらも、早く住みたい、早く引っ越したいと思っている方にとっては、デメリットと言えます。工事期間はおよそ、3か月程度必要になります。(物件や条件によって多少前後します)

この期間にも今住んでいる家の家賃と、ローンの支払いが必要になります。ただし、会社や銀行によっては、ローンの支払いは、抑えてくれるように掛け合ってくれるケースもあります。
 

3-2工事開始前に近隣挨拶が必要

工事の期間が長く、騒音などで近隣住民へ迷惑をかけるため、挨拶をしておく必要があります。

もちろん施工会社の担当者も挨拶をしに行くとは思いますが、これから住む人たちが挨拶に来ているかどうかで、近隣の方の心象も大きく変わります。ご近所との付き合いを避けたいという方は、物件を買ってそのまま住むという選択肢をとるのも手です。

しかし、住み始めて、子供が騒いだりしたとき、知っている家族だとまだ許せたりすることもあります。また、自分も、隣の子供さんを知っていて話したことがあったりすると、声が多少聞こえても、許せることもあります。
  

3-3何度か工事進捗を見に行く必要がある

実際に工事は、まずは解体工事からはじまります。

そして、解体してみて、マンションの図面と細かな寸法がズレていることも多々あります。そういった場合には、現場に行って確認する必要があったりします。

また、棚の高さや、トイレのぺ-パーホルダーの位置など、実際に住んで使う人に合わせて取り付けることも多く、その場合も、現場に行って、「この位置にお願いします」と、やりとりをする必要があります。

着々と自分たちの住まいが完成していく様子を見られて楽しいと思われる方もいれば、興味を示せない方もいるかと思いますが、工事期間にもいろいろな理由から、現場に行く必要が生まれることを知っておくとよいでしょう。
 

3-4引き渡し時に細かく工事クオリティを確認する必要がある

こちらは、デメリットとは少し違うかもしれませんが、必要なことの1つです。

もちろん新築マンションなどでも、不具合がないかなどをしっかりと見る必要がありますが、リノベーション工事後もチェックする必要があります。必要な設備がちゃんと動くか、壁の汚れや傷などはないか、図面通りになっているかなど、引き渡し前にしっかりとチェックしておきましょう。

会社によって、工事の保証期間は異なりますが、住み始めてから工事のために土日の予定が崩れるのも気持ちのいいものではありません。引っ越す前に、すべてをチェックするつもりでしっかり見ておきましょう。
 


4金額から見るリノベーションのデメリット

お金

4-1中古を買って住むよりはお金がかかる

リノベーションをする分、ただ中古マンションを購入するよりも費用がかかります。もちろん、リノベーションをしたとしても、新築マンションを購入するよりは、2000万円程度は安くできます。(リノベーション費用を1000万円と想定した場合)首都圏マンション新築と中古の価格推移

リノベーションで手に入るものはとても多くあります。また、自分たちでドアノブや各種設備を選ぶ楽しみもあります。ただしそういったことに価値を感じないのであれば、他にもっと価値を感じる部分がある人は、ほかの住まいの選び方を取るほうが幸せかもしれません。

新築マンションと中古マンションどちらにしようか迷っている方は、マンションは新築と中古どっち?データで検証し迷いがなくなる!を参考にしてみてください。
  

4-2こだわるほど金額は増える

リノベーション費用は実は青天井です。こだわればこだわる分だけ、予算は必要になります。

例えば、キッチンひとつ取ってみても、30万円程度のものから、しっかりした車が買える程度の金額のものまで、他種多様です。お風呂も同じことが言えます。

また、タイルを張ったり、キッチンを造作で作ったり、希少な木を使った無垢フローリングなどを取り入れたりと、要望が増えるほど、予算は必要になります。リノベーション会社によっては、いろいろな提案をして金額を上げようとしてくるかもしれません。それを抑えるには、自分たちが家に使っていい予算をしっかり把握しておく必要があります。

リノベーション費用については、【事例付き】リノベーション費用の算出方法と予算の抑え方を参考にしてみてください。

4-3買う前に家に使っていい金額を把握する必要あり

先ほどお伝えしたとおり、住まいに使っていい予算を知ることは、これから住まいの購入をしようとしている人にとってはとても大切なことです。

今よりも幸せになるための1つの方法、道具として住まいの購入を検討しているのに、その道具にお金を注ぎすぎて生活が圧迫されるのでは、本末転倒です。

そういった予算の相談は、ファイナンシャルプランナーという職業の方が算出してくれます。「ファイナンシャルプラン 家」などで検索すれば、すぐに出てきます。また、いまお世話になっている保険屋さんなどが出してくれるケースもあるので、一度相談してみてもよいでしょう。

自分たちの住まいに使っていい予算を把握したい方は、【年収別】住宅ローン目安表!その予算で住めるエリアは?広さは?を参考にしてみてください。
  


5多くのリノベーション会社から自分で選ばないといけない

これも、手間のかかる作業で、どんな基準で選べばいいかもわからない方が多いかもしれません。

新築マンションや、物件を購入するだけであれば、こういった苦労はあまりないかもしれません。ただし、中古マンションのリノベーションをする場合は、やはり、多くの会社から選んでいく必要があります。

どういったリノベーション会社を選べばいいか、調べ方などは、「自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順」を見てみてください。


まとめ

中古マンションを買ってリノベーションをするデメリットを各工程で書いてきましたが、いかがだったでしょうか。

少なくとも、これらの項目について、拒絶感がなければ、リノベーションとの相性はかなりいいと言えます。あとは、実際にショールームやオープンハウスに行ってリノベーションされた住まいを体感してみたり、自分たちと相性のよさそうなリノベーション会社を探すステップになります。

楽しみながら色々と情報収集をしてみましょう。

事例や価格について知りたい方は「リノベーション事例を価格順で比較!月々の支払額も大公開」

会社選びについて知りたい方は「自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順」

リノベ体験記:間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。

リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。