5分でわかる!新築マンション購入の流れと「7つの注意点」

新しい生活と食卓

中古マンションを買うのは何となくリスクがありそう。そんなイメージを持つ人がいる一方で、実際にマンションを買った人たちのブログや体験記を読むと、新築マンションも良いことばかりではないという話が目に飛び込んできます。

新築マンションの何が問題なのでしょうか。この記事では、新築マンション購入の流れ、そして注意点を、中古マンションの場合と比べながらご紹介します。


【1】新築マンション購入の流れ(スケジュール)を知ろう

まずは新築マンション購入の全体的な流れを把握しておきましょう。以下、簡単に購入までのステップを説明します。

1-1 全体スケジュール

(1)モデルルーム見学
事前予約をしてモデルルーム見学へ。営業マンによる説明を受けます。

(2)購入申し込み
購入意志が固まると購入申し込みです。重要事項説明を受け、住宅ローンの仮審査も申し込みます。

(3)登録抽選
抽選方式の場合は抽選によって購入者が決定。先着順方式なら申し込み順で購入者が決まります。

(4)売買契約を結ぶ
売買契約を締結。

(5)住宅ローンを申し込む
金融機関への住宅ローンの本申し込みです。

(6)完成した物件の建物内覧会
マンション完成後、購入住戸の内覧会へ。

(7)引き渡し
物件の引き渡し、入居へ。

1-2 支払いスケジュール

[1]申込証拠金支払い
購入申し込みの際に、数万円~10万円程度の申込証拠金を支払います。

[2]手付金支払い
売買契約を結ぶ際に、物件価格の5~20%の手付金を支払います。

[3]残金決済と購入諸費用支払い
引き渡しの際に残金を決済。またローン契約に伴う印紙税などの購入諸費用を支払います。


【2】ブログ・体験記に書かれている新築のリアルな注意点

新築マンションの良いところは、建築されたばかりの真新しい建物・住戸に住める点です。また最新の設備に魅力を感じる人も多いでしょう。しかし一方、新築マンション購入にはリスクもあります。ここからは多くのエンドユーザーが体験している「要注意」な点をピックアップしてご紹介します。

2-1 ランニングコスト

各種調査によれば、新築マンションの管理費と修繕積立金の平均額はいずれも1万円~1万1,000円といったところです。つまり、ローンの返済額とは別に、月々2万円程度のランニングコストがかかります。これがバカにならないという声をよく耳にします。

この額を新築戸建てと比較してみましょう。戸建てでは管理費はなく、代わりに建物や設備の修繕費用が必要です。これらを月平均すると、やはり2万円前後に収まるという試算があります。ちなみに戸建ての購入価格は、首都圏の場合同じ居住面積で比べると新築マンションよりやや安いと言われています。

要するに、新築マンションのランニングコストは、実は新築戸建てとあまり変わりません。購入価格も変わらないのなら、戸建ての方が良いと思う人もいるでしょう。

なお、中古マンションと比較するなら、そもそも購入価格が違うことを考慮に入れなくてはなりません。修繕積立金は中古マンションの方が高く、住宅ローン減税も新築が有利ですが、固定資産税や金利は新築の方が高く、全体としては明らかに中古マンションの方が費用を安く抑えられます。

*おすすめ記事:マンションは新築と中古どっち?データで検証し迷いがなくなる!

2-2 価格の暴落

新築マンション購入後、ネットでマンションの売却シミュレーションを試してみたら、購入価格より何百万円も安い価格が示されて驚いたという感想も目にします。

しかし、これはそうおかしなことでもありません。そもそも新築物件の価格には経費とデベロッパーの利益が含まれているので、「新築マンションは買った瞬間に価値が2~3割下がる」というのは不動産業界の常識です。

加えて、新築マンションは中古マンションに比べて資産価値の下落幅が大きいという事実もあります。特に、都心部や駅から遠く、利便性が低い立地の物件は、数年後に価格が暴落することも大いにありえます。

物件価格の推移

大雑把にいえば、新築マンションの資産価値は築20年で半額になります。そしてマンション価格の下落は、この築20年前後を境にゆるやかになることがわかっています。20年以降の価格はあまり急激に下がるようなことはありません。

これは新築マンション購入の際の大きなリスクです。もし何らかのトラブルでローン返済が難しくなりマンションを売却しても、多額のローンが残るという状況になりかねないのを覚えておくべきです。

2-3 同世代コミュニティの罠

新築マンションには同世代、似た世帯構成、近い生活レベルの入居者が集まる傾向があります。そのため友人ができやすく、コミュニティに入りやすい…という話を耳にします。

これは本当でしょうか?新築マンションの住人の顔ぶれは入居してみるまでわかりません。同世代が多いからと言って、良好なコミュニティが形成できるとも決まっていません。むしろ入居者が同世代ばかりだと付き合いが大変そう、世代がバラけていた方がコミュニティとして健全と感じる人もいるはずです。

一方中古マンションでは、どんな人たちが暮らしているのか、観察・確認してから入居できます。自分の住戸の隣や上下の住人も確かめられます。すでにあるコミュニティが自分に合っていそうか事前チェックすることも可能です

新築マンションの同世代コミュニティの方が、実は運に左右される要素が大きいとも言えそうです。

2-4 間取りが理想的ではない

家族構成の都合などで少し変わった間取りの家に住みたいと思うと、新築マンションでは思ったような物件が見つからないことがよくあります。マンションの間取りはいわば既成品的なものなので、これは致し方ない点です。

間取りを自由に作れるのは、戸建て注文住宅かリノベーションのみです。新築マンションにこだわって間取りを我慢するか、間取りを優先するかという選択を迫られる部分です。

*おすすめ記事:リノベーションで間取りの全面変更!家族にぴったりな間取りとは?

2-5 駅から遠い

予算内で新築マンションを買おうとすると、駅まで徒歩15~20分の場所にしか物件がない…といった悩みも目にします。駅に近い立地を選ぼうとするとかなり郊外の物件を選ぶしかなく、それではもっと不便になる、などと考えると、ますます悩ましいところです。

実際のところ、再開発や新興の住宅地でない限り、新築マンションは駅の近くにはあまり建っていません。好立地に建っているのはその多くが中古マンションです。住宅は良い場所から先に建てられていくので、これは当然の帰結と言えます。

価格を抑えつつ駅に近い新築マンションを手に入れるのは難易度が高い、ということを前提として考える必要があります。

*おすすめ記事:中古マンションのススメ

2-6 モデルルームと営業マン

新築マンションの最大のセールスツールはモデルルームです。モデルルームを作る際は多額のコストをかけて内装を作り込み、インテリアを揃えます。その目的はエンドユーザーの「こんなところで生活したい」という気持ちを掻き立てることです。

モデルルームで説明する営業マンも背中を押す役どころです。マンションは人生の中でも高額で重要な買い物ですが、必ずしもすべての営業マンがその買い物に必要な情報を漏れなく提供し、ライフプランを含めた相談に親身になって乗ってくれるわけではありません。売るために有利な情報は積極的に示し、不利な情報は隠すのがセールスのセオリーです。

モデルルームを訪れ、営業マンの話を聞くときは冷静かつ慎重になることです。自分の日常生活を思い描きながら見る想像力も求められます。購入体験記を読むと、メリットもデメリットもきちんと伝えてくれる営業マンだったから決めたという人もいます。

2-7 人生の豊かさ<住宅購入

この価格なら何とかギリギリ買える…という判断をしたことを後悔している人は大勢います。最初は無理のない予算を決めていても、物件を検討するうちに予算オーバーして購入を決め、結果、購入後の家計が厳しくなったというケースも珍しくありません。

高額なローンを組むと、当然、その後の生活に余裕がなくなります。突発的な病気や事故への対応力も低下します。超低金利の変動金利でローンを組んだとき、多くの人が不安視するのは金利上昇、収入減、教育費の増加です。お金の不安や悩みは精神面にも影響を与えます。

首都圏マンション新築と中古の価格推移

新築マンションと中古マンションの購入価格差は3,000万円あると言われています。そのお金は旅行や趣味、健康への投資など、人生を豊かに過ごすことにも使えるはずです。ローン返済にはリスクがあることを自覚しておくべきです。


【3】どんな人生を歩みたいかで買うべき住宅は変わる!

後悔しないためには、あなた自身が、あなたと家族の人生について考え抜いて、どんな家を買うか決めなくてはなりません。大きな傾向として、新築と中古マンション、どちらが向いているのかをまずは検討してみましょう。

3-1 新築マンションが向いている人

自己資金に余裕があり、しっかりとしたファイナンシャルプランを持っている人であれば新築マンションを購入するのに向いています。

その前提があれば、新しい建物と住戸、最新設備を手に入れられるでしょう。戸建との違いでいえば、コンシェルジュ、宅配ボックス、管理員や警備員、多重セキュリティ、共用施設などではマンションに分があります。最近はこうした志向にマッチしたタワーマンションなどが増えています。

3-2 中古マンションが向いている人

堅実なライフプランを構築したい人、資金面でリスク管理をしたい人、家を手に入れた上で家族旅行など娯楽も十分楽しみたい人は、中古マンションの購入が向いています。

中古マンションは耐震性や耐久性に劣るという意見もありますが、これはマンションの管理状態、過去の大規模修繕工事の内容に大きく影響されます。また、設備や間取りはリノベーションによって解決することが可能です。

中古マンションにターゲットを絞り、管理状態をチェックし、リノベーションを考えるというのは最も手堅い選択になるでしょう。

*おすすめ記事:中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイント


この記事のまとめ

いかがだったでしょうか。欧米などと違って日本ではマンション購入といえば新築マンションをイメージする人が今も多くいます。確かに新築マンションには魅力がありますが、同時に注意点=さまざまなリスクも複数あることがおわかりいただけたかと思います。

中古マンションや戸建ても含め、選択の幅は広く持つ。ぜひ、新しい住まいを考えるときの参考になさってください。

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