変えられない箇所を見るべし!後悔しない中古マンション購入術

中古マンションの再生

住宅の購入を検討しはじめ、現在注目されている「中古マンション+リノベーション」という方法を魅力的に感じる方も多いはず。

しかし「中古」という言葉の印象から住宅の耐久性や資産価値の面でなんとなく不安を感じたり、購入してから後悔しないかどうか、心配になる要素もありますよね。

購入前にしっかりとポイントを押さえておけば、新築マンションよりもお得で有利に住宅の購入ができるのは事実です。購入後に後悔をしない中古マンションの選び方について学んでみましょう。


【1】後悔する中古マンションの特徴

1-1.変えられる箇所と変えられない箇所

中古マンション購入で知っておきたいのが、マンションの中には「変えられる箇所」と「変えられない箇所」がある、という点です。

「変えられる箇所」は、マンションの専有部分として自分の希望で工事をすることができる範囲。「変えられない箇所」は、共用部分などを含めた自分の希望だけでは解決ができない要素となります。

変えられない箇所の例

  • 立地や周辺環境
  • マンション全体の耐久性や耐震性(構造)
  • 隣や上下階の入居者 など

「変えられる箇所(=室内)」であれば、購入後でもリノベーションをするなど、お金をかけて住環境を向上させることも可能です。

しかし「変えられない箇所」は、購入後に気が付いても解決が難しい場合がほとんど。中古マンションで後悔するのは、この「変えられない箇所」が大きく関わっています。次の項目で詳しく見てみましょう。

1-2.内装で判断すると購入後に後悔する

内覧をしたり物件情報を比較検討していると、部屋の広さや内装などに目がいきがちです。しかし、前述した通り内装や間取りは後からいくらでも変えることができます。

にもかかわらず、内装だけで物件を判断して購入すると…

  • 隣人トラブルが起きた
  • 配管交換の計画がなかったことが判明した
  • 修繕積立金が思った以上に高くなった
  • 実は耐震性が低かった

など、様々な予想外の出費や不満が生じる可能性が高くなり、結果的に「中古マンションにしなきゃ良かった」という後悔につながりかねません。

そのため、購入を検討する際は「変えられない箇所」をしっかりと確認することが重要なポイントになります


【2】中古マンションの悪いイメージは本当か?

その他にも、中古マンションには様々なイメージが先行することがあります。資産価値はあるのか、地震が起きても大丈夫なのか、設備に問題は無いのか…これらの真偽について解説します。

2-1.資産価値

物件を手放す必要が出てきた時のリスクヘッジとして資産価値を気にする方も多いかもしれません。

マンション自体の価値は新築から20年前後にかけて下がり続け、20年を越えると下がり方は緩やかになる傾向があります。それは新築で購入しても同じことです。

物件価格の推移

そこで資産価値の重要な要素になるのが立地条件ですが、マンションは当然ながら良い立地から開発が進むため、実は中古マンションの方が新築よりも立地面では有利なケースが圧倒的です。

つまり、立地面で有利な中古マンションは資産価値が高く、築20年前後なら価格も下落しにくい物件であると言えるのです。むしろ新築物件は購入時点で既にガクンと価値が下落するため、購入後に手放す必要が出てきた際のリスクが大きくなります。

*おすすめ記事:中古マンションの価格は今後どうなる?安心に住むための選び方

2-2.耐震

耐震性に関しては、新築であっても中古でも新耐震基準をクリアしているに越したことはありません。

しかし中古の場合、管理が怠慢で建物の劣化が激しくボロボロの状態であれば、いくら基準を満たしていても耐震性は弱くなる場合もあります。一方で、新耐震基準以前に建てられた建物が全て危険というわけではありません。

築40年を超えるマンションであっても、耐震構造的に高い安全性を確保しているものは珍しくありませんし、耐震改修・耐震補強を行っていて、現在の新耐震基準を上回る耐震性を有しているマンションも多くあります。

つまり、中古マンションの耐震性は「建物次第」という部分が大きいため、新耐震性基準を満たしていることや耐震診断の結果、そして建物の管理状況を踏まえて総合的に判断する必要があります。

2-3.寿命・建替

マンションの寿命は築47年と言われますが、これは耐用年数の話。実際に「問題なく使用できる期間」を示す耐久年数から考えると、鉄筋コンクリート造のマンションの物理的な寿命は100年以上と言われています。

従って、中古でもしっかりと管理・修繕されていて、今後も大規模修繕計画があるマンションなら、安心して長期的に住まうことができるでしょう。

マンションが古くなって建て替えをすることもありますが、住民負担が重くなることや、実施に住民の5分の4以上の合意が必要であるなどの事情から、実現しないケースがほとんどです。

マンションの寿命や建て替えについての詳しくは、中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイントをご覧ください。

2-4.配管

配管はマンションの見えない部分の一つで、経年劣化や傷みが激しいと水漏れトラブルなどの原因になります。

どんなに新しい物件でも配管は必ず劣化するため、定期的に修繕する必要が出てきます。品質が高いマンションは配管のメンテナンスまでしっかり行なっているはずなので、物件選びの際に修繕計画の有無や修繕履歴を確認しておけば安心です。

その点、新築物件は今後の修繕計画や管理の良し悪しが見えづらいというデメリットもあります。

2-5.修繕積立金

マンションのランニングコストの一つに修繕積立金があり、中古の場合は高額なイメージがあるようです。しかし、修繕積立金は新築・中古を問わず徴収している場合がほとんどで、積立金が足りないと将来的な修繕計画に影響を及ぼします。

新築マンションの場合は目先の販売のしやすさから修繕積立金を低く設定し、段階的に上げていくケースも見られますが、必ずしもきちんと積み立てが発生するとは限りません。もしも足りない場合は費用が貯まるまで修繕工事をしない・各世帯から一時金をもらうなどの必要性が出てきます。

一方、建築後早い段階からしっかり積立金を徴収している中古マンションなら、計画通り維持管理のメンテナンスがしっかりできると判断できて安心です。目安としては管理費・修繕積立費を月2~3万円程度徴収しているマンションを選ぶといいでしょう。

2-6.隣人トラブル(マンションコミュニティ)

自分自身ではどうにもできないのが、隣人やマンションのコミュニティ関係です。部屋がいくら快適でも、周囲の入居者との人間関係が悪いと居心地は悪くなってしまいます。

新築マンションは入居前に住人を確認することはできませんが、その点中古マンションは、購入前にどんな人が住んでいるのかをある程度確認できます。

2-7.設備

築年数とともに気になるのは設備の新しさ、綺麗さです。最新設備が導入された新築に比べれば、時代を感じる設備はどうしても見劣りしがち。しかし住宅設備はマンションの中でも「変えられる部分」なので、リノベーションで最新の設備への交換も可能です。

共用部分や付随施設でも新築と比較してしまうことがありますが、ゴージャスであればあるほどその維持管理は高額になり、将来的な負担になる可能性も忘れないようにしておきましょう。


【3】「新築は安心・中古は不安」はイメージに過ぎない

新築・中古を比べた場合、ぱっと見た雰囲気の綺麗さや設備の新しさ、耐震・耐久性の面で新築の方が安心だと思いがちです。中古の方が価格的にはお手頃でも、「なんとなく」のイメージで新築を選んでしまう場合もあるでしょう。

しかし現実は、新築・中古関係なく、マンション自体の維持管理状況や長期の修繕計画がしっかりしているかどうかで安心して住めるかが決まります。

新築マンションのほうが販売イメージ的にしっかりした修繕・管理計画が立てられているように見えても、実際にそれが今後10年、20年の間に確実に実現するかどうかはわかりません。中古マンションであれば、修繕が実際に行われているかどうかを確認ができるメリットがあります。

建物自体の維持管理やメンテナンスは自分ではできない範囲になるので、管理をしっかりと行なっている物件を冷静に見極めることが重要になります。これはマンションだけでなく、戸建にも同じことが言えます。


【4】後悔しないリフォーム・リノベーション

設備やインテリアは古く感じても、専有部分であればリノベーションが可能です。新築と同等かまたはそれ以上の設備に変更することができます。

4-1.リフォームとリノベーションの違い

よく混同されがちな、「リフォーム」と「リノベーション」の違いはなんでしょうか。

リフォーム

「修繕」の意味合いが強く、古くなった部分や傷んだ箇所を交換・修繕する工事のことを言います。マイナスからの原状回復の意味合いが強いのがリフォームです。

リノベーション

「刷新」「改革」などの意味を持ち、修繕などはもちろんですが、ライフスタイルに合わせた間取りの変更など、空間自体を変える意味合いが強いのがこちら。

設備などを新しくするならリフォーム、間取りから大幅な変更をするならリノベーションとなります。

*おすすめ記事:リノベーションとリフォームの違い。予算や工期を知り賢い選択を!

4-2.後悔しないために段取りをしっかりと

無駄な時間やコストを抑えてスムーズな住宅購入や入居をするためには、物件探し・物件契約・住宅ローン契約・設計や工事などの全体の流れを把握しながらスケジュールを立てましょう。

例えば、物件を購入してからリノベーションのプランや計画を進めるとタイムロスが生じたり、物件の構造上思い描くようなリノベーションができないと後からわかる可能性も高くなります。

「こんなはずじゃなかった」を防ぐためには信頼できる会社選びも大切です。物件選びから設計・施行までワンストップで相談できる会社なら、リノベーション計画を前提とした適切なアドバイスを得られておすすめです。

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まとめ

一生に何度とない大きな買い物となる住宅。購入後に後悔をしないため、どのような部分に注目して物件を選んだら良いかをしっかりとおさらいしておきましょう。

マンションでは特に「変えられない部分」が満足度に直結します。管理状況や立地・環境などを基準に気に入った物件を見つけて、リノベーションで自分に合った住まいにできれば、後悔しない中古マンション購入になるはずです。

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リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。