マンションのリノベーションを完全解説!箇所ごとに注意点や費用が丸わかり

今回は、マンションのリノベーションにはどんな方法があるのか、ローンや減税方法など、マンションのリノベーションについて知っておきたい知識をまとめました。「リノベーションをしよう!」と思い立ったら、まずはこの記事を読んで概要を把握してください。


1.あなたがやりたいことは、まるごとリノベーション?部分的なリノベーション?

一口にリノベーションと言っても、部分的なリノベーション(リフォーム)と、家をまるごとリノベーションするのとでは、内容や予算が大きく異なり、準備することも変わってきます。まずはリノベーションする場所を明確にすることから始めましょう。


2.まるごと作り変えるリノベーション

骨組み(スケルトン)だけ残して内装や床や壁などすべて取り払い、間取りなども一新するスケルトン・リノベーション。ほぼ同義語として、スケルトン・リフォームとも言われています。

スケルトンリノベーション
すべてを解体してコンクリートの箱の状態に戻す

マンションの場合は、共有部分とされる窓サッシや玄関ドアの外側などは変更できなかったり、配管や設備などに制限がある場合もあるので、事前に確認が必要です。

費用としては、平米単価15~25万円が相場です。工事期間は3ヵ月〜4ヵ月程度を考えておきましょう。注意点は、マンションの場合は工事中の騒音です。上下左右の部屋の人にはあらかじめあいさつに行き、リノベーションする旨を伝えておきましょう。

スケルトン・リフォームの詳しい内容は「スケルトンリフォームの費用はいくら?定額制のオススメ業者はどこ?」を参考にしてみてください。


3.気になる箇所を変更する部分リノベーション

部分的に変更を加えたい場合は、リノベーションするエリアごとに内容や費用、注意点などがそれぞれ異なります。

フローリング/床・リノベーション

フローリングのリノベーション事例
空間の雰囲気を左右するフローリング

フローリングのリノベーション(リフォーム)方法には、床を剥がして新しい床を施工する「張り替え」と、現在の床の上に床材を施工していく「重ね貼り」の2つの方法があります。

素材もいろいろなものがあり、リノベーションする範囲によっても費用が異なります。マンションによってはリフォーム内容に制約があることも。管理規約を前もって確認しておくことが大切です。

詳しくは「フローリングのリノベーション完全解説!おすすめ素材11種の特徴・費用感」を参考にしてみてください。

壁紙・リノベーション

壁紙リノベーション事例
無難に行くか、個性を出すかはあなた次第

比較的簡単に着手できるのが壁紙のリノベーション(リフォーム)です。壁紙の素材には豊富な種類があり、安価なビニールクロスなら800円/㎡から購入できます。

一方、珪藻土や漆喰などの素材は、クロスの3倍~5倍ほどかかります。DIYもできますが、失敗すると壁紙にシワが寄る場合もあるので、注意が必要です。

詳しくは「壁紙リノベーションの値段相場とおすすめクロス5種類をご紹介!」をチェックしてみてください。

天井・リノベーション

天井リノベーションの事例
天井・壁・フローリングの組み合わせは無限大

クロスの張り替え、塗装、天井板の張り替えなどのリノベーション(リフォーム)方法があり、どのような素材を選ぶかによって費用は異なります。工事日数は短ければ半日、長くても4日程度でしょう。

詳しくは「天井リノベーション!こんなときどうする?5つの病状別で相場もスッキリ」を読んでみてください。

リビング・リノベーション

リビングリノベーションの事例
家の中でもっとも長い時間を過ごす場所

リビングには、床、壁紙、天井の他に、壁の撤去や断熱リノベーション(リフォーム)などもあり、どのようなリビングを実現したいかによって、工事内容や費用も異なります。

詳しくは「リビングのリノベーションで心機一転!暮らしがワクワクする3つの選択肢とは?」を参考にしてみてください。

和室・リノベーション

和室リノベーション事例
オープンな小上がり和室は使い勝手バツグン

リビングに隣接した和室なら一体化させて広い空間にしたり、モダンな和室にするなどの方法があり、どんな部屋を実現したいかによってプランや費用が変わってきます。

和室リノベーション(リフォーム)を検討している方は、「ご存じですか?和室リノベーションして広いLDKにする3つの方法と費用」でリフォーム後のイメージをふくらませてみては。

キッチン・リノベーション

キッチンリノベーション
料理がもっと楽しくなるお気に入りキッチン

キッチンには大きく分けて、家族とコミュニケーションを取りながら使える対面キッチンと、壁付けタイプのクローズドキッチンがあります。理想のキッチン像によってどんなシステムを取り入れるべきか変わってくるため、リノベーション(リフォーム)費用も大幅に上下します。

こちらの記事「【保存版】キッチンリノベーション完全マニュアル!費用も特徴も大公開」では、各システムキッチンメーカーなども紹介しているので参考にしてみてください。

浴室/お風呂・リノベーション

浴室リノベーション
日々の疲れを癒してくれるお風呂

浴室リノベーション(リフォーム)には、在来工法とユニットバスという2つの方法があります。

多くのマンションで使われているユニットバスの浴槽のみの交換なら20~60万円ほどですが、ヒノキ風呂などのこだわりのあるお風呂を作りたい場合は200万円〜500万円ほどかかるでしょう。

こちらの記事「メーカー6社の特徴・補助金・費用など『浴室リノベーション』完全解説」では、ユニットバスを販売している各メーカーの特徴などについても紹介しています。

トイレ・リノベーション

トイレリノベーション
清潔感あふれるトイレはそれだけで気持ち良い

トイレのリノベーション(リフォーム)は、便座の交換などの簡単なものなら工事費込みで3万円~10万円。工事も1時間ほどで終わります。

一方で、最新式のトイレに変更したり、床の張り替えや電気工事が発生するものは、工事費込みで50万円ほどかかる場合もあります。

こちらの記事「【タイプ別】トイレのリノベーション費用を簡単解説!」を参考にしてみてください。

洗面台・リノベーション

洗面台リノベーション
朝のスタートはここから

リノベーション(リフォーム)で選べる洗面台の種類には、ユニット洗面台、システム洗面台、カウンター洗面台などがあります。相場としては20万円前後で、工事期間は内容によって半日~3日ほどです。

詳しくはこちらの記事「【簡単】洗面台リノベーションの費用とおすすめメーカー6社の特徴」を参考にしてください。

収納/納戸・リノベーション

収納リノベーション
片付けが簡単になる「これぞ」という収納とは

マンションの収納リノベーション(リフォーム)には、さまざまな方法がありますが、おすすめは造作稼動棚とウォークインクローゼットの設置です。

この2つの収納リフォームについて紹介している、こちらの記事「収納リノベーションの最終結論!片付けが簡単になる3つの収納法とは?」も、参考にしてみてください。

ロフト・リノベーション

ロフトリノベーションの事例
空間を立体的に活用できるロフト

ある程度の天井高があれば、マンションにもロフトを設置できます。収納スペースとしてはもちろん、子ども部屋、書斎などさまざまな活用方法があります。相場は50万円~100万円程度です。

こちらの記事「リノベーションでロフトを造ろう!アイデア満載の施工例6選と費用相場」では、ロフトのリノベーション(リフォーム)事例も紹介しているので、どんなロフトにしたいか考える材料にしてください。

土間・リノベーション

土間リノベーション
子育てや暮らしが今よりももっと楽になる空間

土間というと昔の日本家屋を想像する人も多いかもしれませんが、現代風の土間はおしゃれで使い勝手も良いのが特徴です。床や壁の撤去費用や工事費用など含めて3畳程度なら30万円前後からリフォームできます。

こちらの記事「土間リノベーション!子育てや暮らしを楽にするオススメ事例7選」をチェックして、土間リノベーション(リフォーム)の参考にしてください。

断熱・リノベーション

断熱リノベーション
床暖房より窓断熱が基本

床、壁、天井、窓、ドアによって断熱方法が異なりますが、断熱効率や費用面から考えて一番おすすめなのが窓の断熱リノベーション(リフォーム)。窓だけなら費用は6万円~10万円、工事も2日程度完了します。

マンションのどの位置に部屋があるかによっても効果的な断熱リフォームが異なるので、こちらの記事「断熱リノベーション【マンション編】床暖房より窓断熱を優先すべき2つの理由」も読んでみてください。


4.リノベーションは現金?それともローンを利用?

リノベーション(リフォーム)費用を支払う際には、現金とローンのどちらを利用したらお得なのでしょうか。結果から言うと、ローンは金利が発生するため、現金で支払った方が総支払額はお得です。

ローンを組む場合は、どんな借り方があるのか、そして金利に関する将来安心できる考え方を知っておきましょう。

リフォームローンの金利についてはこちらの記事「リノベーションのローン金利!将来の安心と暮らしを快適にする3つの借り方」で詳しく紹介しています。


5.リフォーム減税を活用しよう!

リフォーム減税制度を利用することによって、一定額を所得税から控除することができます。リフォーム減税制度には、「住宅ローン減税」「リフォームローン減税」「投資型減税」の3種類があり、工事の翌年の3月15日までに確定申告することで、それぞれの種類の控除を受けることができます。

詳しくはこちらの記事「【2019年】あなたに最適なリフォーム減税はどれ?6つのケースから選ぼう!」でご紹介しています。


6.親族から援助してもらう場合のリノベーション贈与税

リノベーション(リフォーム)費用を、親をはじめとする親族から援助してもらう予定の人もいるのではないでしょうか。その場合、「借りる」「贈与」「相続」の3つの方法に大きく分けられます。

借りる

親族からリノベーション費用を借りる場合は、贈与税や相続税などの税金はかかりません。しかし、税務署から調査が入ったときに贈与と判断されることがあります。そうならないためにも契約書を交わしておくことと、お金の受け取りには銀行口座を通して取り引きするように注意してください。

贈与

リノベーション費用に、親族からもらったお金を使う場合は贈与税がかかります。しかしリノベーション内容によって非課税枠があります。以下が非課税の限度額です。

贈与額が上記の限度額を超える場合は、超えた金額分に贈与税がかかります。リノベーションの条件や非課税になる贈与を受ける人の条件もあるので注意が必要です。

相続(生前贈与)

親や祖父母などの親族が亡くなった時に相続する予定のお金を、生きているうちから受け取ることができるのが、生前贈与です。生前贈与はリノベーション(リフォーム)に使う場合、贈与の非課税枠と併用することができますが、場合によっては相続税が発生します。

完全に非課税というわけではないので注意が必要ですし、リノベーション条件や生前贈与を受けられる人の条件があるのでしっかりと確認しましょう。

贈与税に関してはこちらの記事「『リフォームの贈与税』親族から援助してもらう場合を簡単に解説!」を参考にしてください。


7.消費税10%前がいいのか?後がいいのか?

消費税増税の影響
消費税増税はどのくらい影響があるのか

2019年10月に消費税が10%に引き上げられる予定ですが、家をリノベーション(リフォーム)する場合、増税前と後ではどちらが良いのでしょうか。

まず、増税前の税率である8%が適用されるのは、2019年9月30日までに引き渡しが完了している場合です。もしくは10月以降の引き渡しでも、3月31日までに工事の請負契約が済んでいれば適用されます。引き渡しと契約の違いに気をつけましょう。

消費税が10%になると、当たり前ですが増税前と支払う金額に差が出ます。例えば1,000万円のリノベーションをする場合なら、80万円の消費税が100万円になり、増税前に比べて20万円分多く支払わなくてはなりません。

では、やはり増税前にリノベーションをした方が良いのかというと、必ずしもそう言い切れません。増税時には国や自治体による負担軽減措置が取られますから、急いで工事をするよりは、今後の情報をよくチェックして決めるのも一手です。

マンションを購入してリフォームを考えている場合は、こちらの記事で消費税増税について詳しく解説しているので「マンション購入は消費税10%前?消費税がかからない物件とは?」チェックしてみてください。


8.リノベーションが目的ではありません。快適な暮らしになることが目的です

マンションのリノベーション(リフォーム)にもさまざまな方法があり、魅力的なものも多いですが、そもそも「なぜリノベーションしたいのか」という本来の目的を忘れず、予算にあった計画的なリフォームを心がけましょう。

信頼できるお金の専門家などに客観的に予算を出してもらうのも一つの手で、保険会社や住宅会社と提携していないファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良いかもしれません。より快適な暮らしを実現するためにも、予算オーバーなど、経済的な苦痛が残るようなリノベーションにならないように気をつけましょう。


まとめ

マンションのリノベーション(リフォーム)にも色々な方法があり、何を重視するかによって費用や工事期間なども変わってきます。また、リノベーションする場所を決めていても、改めて家を見回してみると新しくした方が良いと思える場所が複数見つかるということもあります。

その場合は、都度一部分を直すより、まとめて広範囲を改修するスケルトン・リノベーションも検討してみると良いかもしれません。

中古物件を買ってリノベーションを検討されている方は、こちらの記事「【初心者】無理せず叶える中古マンションリノベーションとは?」がおすすめです。

リノベ体験記:間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例。

リノベーションしたリビング

実際にリノベーションした家族がどんなところに工夫をし、こだわったのか見てみませんか?今回のリノベーションは、ドアを極力作らない、間仕切りの壁も必要なぶんだけ。実はドアがあるのはお風呂やトイレに向かうサニタリールームの1枚のみ。そんな作り込み過ぎない間取りによって、広さ、眺め、ひかり、子供の様子や気配を感じるゆったりした生活を得られるようになりました。